駆除屋と勇者
最近 内容が薄いので気合入れていきます。
あと文章、作風を変えてみようかな。
ニノ君の中には理性君と野性君がいます。 詳しくは駆除屋のススメで
…少し前なら、子供の時にはファンタジーの世界に来ら喜んでいただろう。
だが大人になって、夢にまでみた異世界は幻想ではなく現実となんら変わらない世界とすぐに気づいた。
ならやることは元の世界と変わらない、人の命の価値が安く感じ、生活が幾分不便に感じたが、仕事と趣味に影響はない。
ただ、この異世界に放り込んだのが事故なら仕方ない、どんな苦しい人生になったとしても笑って過ごしてやろう。
だが、誰かの意思でこの世界に呼ばれたのだとしたら・・・・
準々決勝 前日 宿泊施設 ロビー
「やあ 山本君こんばんわ」( ̄Д ̄)ノ
「こんにちわ ニノさん?」
駆除屋と呼ばれ、観客を恐怖に落としいれた青年が笑いかける。
「ああ 君にはちゃんと名乗ってなかったね 一 浩輔だ。 あ名刺あるんだ これ…」
そう言って現代社会の時に使用していた名刺を見せる。
「へぇ 漢字の一をニノマエってよぶんですか珍しいですね。」
「よく言われる それで山本君 明日の試合 お互い頑張ろう!」
そう言って拳を握り、ムンっと張り切る青年。その仕草は年齢より幾分幼く見えた。
どうやら第一印象が強烈すぎて色々誤解を受けているが本来は好青年らしい。
「ええ お互いベストを尽くしましょう。」
そういうと拳を互いに突き合わせると彼は満足そうに頷き、そのあとはたわいない会話を2,3返し彼はその場を去っていった。
「どうだった勇者の印象は?」
物陰から監視していたのか 鎧を脱ぎ簡素な服に身を包む赤毛の美女が声をかける。
「いい子だったよ。 レイ 純粋で危なっかしい子でもなく、ちゃんと僕のことを警戒もしていた。 教授の指導の賜物かな?」
「…勝てそうかい?」
「うーんどうだろ 10回やったら9回は負けるだろうね。」
真剣に悩んで両手を上げ降参の意を表すニノ。
「なんだ じゃあ明日はあんたの勝ちか。」
「…あの 話聞いてた?」
「ああ勝算があるってのを聞いてた。 百回やって一回しか勝機がなくても勝つのがニノだね。」
そう答えるとニノは そうだね と答え目を細めて笑う。
「そうそう レイ 一回戦突破おめでとう。」
「ははは 転移石の使いすぎで散財だけどねw ある意味私の負けだよ あれじゃ。」
「そんなことないよ、これで君の名が上がったからまた仕事が増えるじゃないか、すぐ取り返せるよ。」
そういって励ます青年。
「ありがとう コースケ あんたも明日 頑張りなよ。」
勝てとも負けるなとも言わない、そんな言葉に出さなくてもこの青年のことを信頼しているからだ。
「うん 明日はレイに怒られないよう頑張るよ。 」
「…ああ 頑張りな おやすみ コースケ。」
そういって彼は部屋に戻った。
「勇者ね・・・」
怪人 変身能力 透明化に近いステルス 綿密に作戦を建てるプロ、そして詳細はよくわからないが存在理由をも奪い去る力を彼は持っている。
悪用しようものなら恐るべき能力だが、彼は子供のようなイタズラ以外に使わない。
まあいい意味で宝の持ち腐れだ。
馬鹿な男なら好きな異性に化けたりするのだろうが、コースケは
「そんな失礼なことはしないよ。 レイに変身することもできるけど了解も得ずに好きな相手の身も心も知ろうとするような行為は絶対にしない! 僕はそういった輩や行為を心底嫌っているから。」
とヽ(`Д´)ノプンプンと頬を膨らませて憤慨する。
こんな善人を利用しようといろんな輩が近づいてきたりしたが直ぐに諦めてしまった。
彼は狂人ぶって悪人を装うからだ。
いつ暴発するかわからない者を御しきれる自信が或者などこの世にいないからだ。
触らぬ神に祟りなし。
そう言って段々と皆が彼から遠ざかる。加えて普段は好青年だが、仕事の時になると顔は笑いながら虫を踏み潰すように命を奪う殺戮者に変貌するのもその暴発の危険性を示唆させる要因になった。
味方すら恐怖にすくみ、コースケと仕事を組むのは仲間内ではもはや私だけだ。
善行を愉悦とする一般人、悪や理不尽に怒りに身を震わせる正義漢 これが彼の人物像だろう。
女好きと公言する馬鹿な一面を見せても決して女を泣かす真似、嫌がる真似はしない。
盗賊、ゴブリンを皆殺しにしたのもそれが原因だ。
被害者の怒りを体現する狩人
そういう意味では彼も聖者といえる。
今夜のことも勇者に何か感じるものがあったのだろう。
「やれやれ」
そうして狩猟姫はため息をつき自分の部屋に戻る。
長々と考えるのは 彼の 相談役の仕事だ…思うままに行動するのが自分と思い床についた。
試合当日
ニノは準決勝で当たるであろう二人の戦いをみて感心した。
先程の師弟対決は教授が新技を披露、神眼をもってしても再現不可能の高等技を使っての勝利だった。
相手の技を跳ね返すというお株を奪っての勝利だ。 見事と言えるだろう。
これは苦戦しそうだと ヒトリゴチ、対勇者のことに頭を切り替える。
「お互い頑張ろう…か」
昨夜の言葉を反芻しゲートに向かって歩き出す。
元いた世界の作業服を着て上から茶色の上着を着る。
鍔付き作業棒を深く被る。
はたから見れば、高所作業員か清掃業者のような装いだが、腰にはナイフ、短銃が下げられ、背には巨大なサバイバルナイフの大剣を装備していることで強烈な違和感を出していた。
彼がこの装いをするのは本気で戦う時のみだ。
正直、この大会に参加したのも遊び半分だった筈だし、本気のつもりもない。
ただ昨日の二人の約束を守ろう と たったそれだけの理由だ。
ただの気まぐれに過ぎないがこの青年は自然と本気で優勝を狙い始めたのだった。
「ああ 楽しみだ…」
会場
「皆さん お待たせしました。本日二試合目は 一回戦を美しい剣舞と、技の応酬を制した勇者シュウ選手と圧巻の早業で勝利した駆除屋 ニノ選手との対決です。」
両者が開始戦の前に立つ…
そして会場はニノの姿に驚く。
見たこともない異国の服装、一回戦や抽選会では黒いローブを着ていたが今回はそれを脱ぎ捨て挑んできたのだ。
八人目の異世界人
今迄 表舞台に名も上がらず、伝説化し神格化されていたハンターの正体に会場が沸く、七英雄に匹敵するだろう未知の実力にこの対戦カードに関心をもったのだ。
既に一回戦の恐怖も薄れつつある。
『こ この出で立ちは異世界人!? き 聞いてみましょう! ああ あの二の選手はもしや…』
マイクを向けられ笑顔で答えるニノ。
『ええ お察しのとおり七英雄の皆さんと同郷の者です。』
その言葉に会場中が湧いた。
『やはり!! これはこの試合の展開が予想できなくなってきました。最強のハンターVS勇者!!』
「よかったんですかニノさん ずっと隠していたと聞きましたが。」
「いいんだよ山本君。それに昨夜、君と約束したろ?お互いベストを尽くそうって。」
その言葉を聴きシュウの表情が曇る。
「すみません… 僕のせいで…」
「いやいや 何言ってるの 僕の方からお互い頑張ろうっていったじゃない。
それに君とは本気で闘ってみたいと思えたんだ。 だから気にしないでくれ。」
そう言って笑顔で答えるニノ。
作業帽を深くかぶって目元が暗くなっているが、雰囲気は柔らかい。
「ありがとうございます では約束通り。」
「ああ 普段本気出すと眠たくなるんだけど… 超本気で行くから。」
両者が背中の武器を抜き放つ。
古代から伝わる聖剣を持つ勇者。 それ一本で竜を解体するよう開発した 万能太刀をもつ駆除屋。
『それでは! 試合開始です!』
試合開始と同時にニノの姿が掻き消えるが直ぐ様シュウはその強襲を受け止めた。
ニノが消えた瞬間、観客の誰もがジェロニモ戦の超スピードによる背後からの奇襲が頭を過ぎるが彼は違った。
正面から襲ってきた見えない左手の一撃を剣を引戻し、柄で受け止めたのだ。
シュウの正面にステルスが解けたニノが現れ、左手を引っ込めながら後退して距離を取る。
相手の心臓を左手の拳で叩き、昏倒させそのまま半回転しながら相手の背後に回り込み、コマのように回転した反動で右手に持った太刀で両足を切り裂く剣術。さらにステルスと加速を二重がけで行う高等技法をシュウは大気の振動と直感、以前の試合で予測を立て、辛くも防ぐことに成功する。
一回戦を見ただけでは、背後からの奇襲を警戒し第一撃の心臓止めの突きをモロに食らうか、背中を向けた瞬間に勝負が付くのだ。
しかもシュウは教授に背後からの転移攻撃の奇襲で両足を切り裂かれた 経験がある。その体験がフラッシュバックするであろう攻撃、初めから勇者を狩るために使用した一回戦の布石。
その布石に騙されず、僅かな大気の振動と直感を信じ、トラウマに惑わされず、迷わず実行に移せる勇気を持つ姿は正に勇者といえるこうどうだろう。
『まずはニノ選手が先制攻撃! 一回戦で猛威を振るった悪魔の奇襲攻撃!シュウ選手それを見破りガード!』
「二回戦の布石の為に使用した技をこうもあっさり破るとはお兄さん吃驚したよw」
カラカラ笑うニノは特異な太刀を肩に乗せ、上機嫌だ。
対するシュウも微笑を崩さない。
だが内心笑えない そんな単純なものではない、シュウは聖剣を装備した瞬間全スペックが上昇する。
その状態の彼で漸く直感と空気の振動で見破れたのだ。 その上彼の拳は聖剣の加護による障壁が常時展開している。
教授の「無条件即死攻撃」で障壁ごと消し飛ばしたのではない
貫いたのでもなく障壁を通り抜けて拳が襲ってきたのである。
彼はステルス中、存在が消失したかのように消えるが違う!
本当に一時的に存在そのものが消えているのではないか?
「はぁぁぁ!!」
『シュウ選手気合の一閃!』
その気概に満面の笑みで迎え撃つニノ、剣戟が周囲に鳴り響く! 吉備津と違い、ニノは卓越した剣技を持っていない 罠を出す暇も、ステルスを出す時間も与えず ゴリ押しでなら正気を掴めると言わんばかりの猛襲。
『シュウ選手目にもとまらぬ連続攻撃! この剣舞の猛攻をニノ選手辛くも防いでおります。』
だが畏れよ… 相手は自分よりはるか強大な怪物を葬り、数の暴力の小鬼を、盗賊を屠り、巨熊、狼の群れをこの世界に来たばかりの頃から屠ってきた猛者・・・
その上、駆除を元の世界のころから生業にしてきた兵だ。
元より個人の力で戦うタイプではない。
いかに強大な昆虫が彼の前に出てきても、彼は素手や剣で戦いを挑まない。
人間の悪意と殺意の集結した知識こそが彼の本来の武器だ。
開始数分がたった頃、駆除屋の反撃が始まる。




