友の為に
『お待たせしました! 一回戦第5試合!
東ゲート 前回の覇者 大陸最強の剣士 アリア選手!
西ゲート 勇者一行 精霊魔導師 アナスタシア選手!
どちらもレベル200超えの実力者 その実力は七英雄にも引けを取りません!
勝つのは剣術かそれとも精霊魔術か
それでは 試合 開始!』
ザッザッザッザ
突っ込むこともなく、アナスタシアの前に歩を進めるアリア、背中にクレイモアを背負ったまま右手は柄を摑んだままだ。
怪訝に思いながらもアナスタシアは口頭詠唱ではなく、源呼吸の応用技 思考詠唱で念話で周囲の精霊に語りかけ精霊魔法 空気中の水分を氷結させて氷柱を形成、雨あられと飛ばす。
が当たる瞬間に砕かれる。
「抜く、斬る、納めるの抜刀術 それも目に見えない速さの!?」
今の彼女は剣の間合いに入るものすべてを切り刻む動く結界だ、あの歩みで結界の範囲に入れば私の負けだろうが・・・
「侮り過ぎじゃないかい?」
一気に魔力を出力を限界まで振り絞る、あの戦いから教授の指導の元、魔力のスタミナ、出力を強化してきたそして右手に魔力を集中し一気に解き放つ。
「精霊剣」
それは光の剣、アキラの創る幻想剣と同等の精霊の力で生み出された魔力剣を4振り創りだす。
『おおっとアナスタシア選手!アキラ選手の得意技 幻想剣を創りだしたー!』
「ほうアキラ殿の技か。しかも精霊魔法を組み合わせている。」
「掃射!!」
一斉に襲い掛かってくる4振りの剣! 追尾能力と爆発を込められた剣の誘導ミサイルをアリアは高速の剣でかき消した。
「なッ!」
「我ら戦乙女は一度見た技は通用しない。 だから教授も我らやカグヤ様に同じ手札をきった事は一度もない。」
源呼吸で右腕だけ全力の魔力解放を行い高速で剣を振りぬき、剣を粉微塵にし、その見えないふり抜きで爆風をもかき消したのだ。
「高速剣 何の捻りもない名だが、魔力の波長をも乱し、消しさる剣術だ。そして・・・」
斬!
アナスタシアの右横を斬劇が飛ぶ。
「高速のふり抜きで、斬劇を飛ばすことも可能だ。」
「こりゃ 参ったわね 私の負けよ。」
自分のアドバンテージを全て上回られた以上、自分に勝ち目は無い。切り札は残っているが衆目の前で晒せる技では無い。
『勝者! アリア選手!』
「一ついいかい? それだけの腕を持ってて何故 彼女の元に?」
「私はあのお方の味方でありたい。 そう思ったから今も彼女のそばにいる 貴方もそうでしょう?」
「フフっ確かに。」
神格化されるカグヤしかし恋する乙女のような仕草や子供の様に頬を膨らませたり感情豊かな自分より2つしか違わない少女。
自分と同じように窮屈な青春を過ごした少女、今それを取り戻すかのように自由に振舞う彼女と自分を重ねる。
カグヤと共にありたい、親友の為にこの最強の剣をふるい続けよう。
その決意を胸に彼女は戦う。
まぁおそらく次の対戦相手は親友なのだがw
教授との雪辱を果たす為磨きに磨きを掛け、現在アリアは臨界者に到達。




