勇者VS勇者
ビビ控室
「あちゃー 負けちゃった。」
そういうが、彼女に悲壮感は見られず、何のダメージも負っていない。
「…姉さん?」
「お 怒らんといて~ 仕方なかったのよ~ よよよ」
白魔導師 セイラ 彼女の治癒魔法は父直伝で死者蘇生の域に届きかけている。この程度の治療は造作もない。
「まぁ 父さんはそんなに怒っていないと思いますが手を抜き過ぎです。」
「でも あの子が残った方が面白くない? もっと強くなるよあの娘。」
「……(-_-メ)」
静かに怒っている彼女に姉はフルフルと震える。
「でもセイラも大変ね相手 七英雄が集中しているジャン」
「…あの男と戦うよりは勝機があります。」
そうして対かい一日目が終了した。
大会二日目
『それでは一回戦第三試合をはじめます!
東ゲートより入場! ジパング出身 ミコト選手
ミコト選手は極東の島国出身で、鬼退治の英雄で剣士として名を馳せていますが、
優れたテイマーでもあるそうです。果たしてその実力はどれほどのものでしょうか!?』
観客席
「キビツのミコトって桃太郎だよな?」
「あら アキラさん 今回は説明キャラですか?」
「桃太郎とは?アキラ殿?」
主催者席で観戦するクラリス王女と先日 正式に新設部隊 第二近衛騎士隊 隊長に任命されたアリシアがそれぞれ突っ込み?と疑問をぶつける。
「・・・・桃太郎ってのは俺の元いた故郷の英雄譚の主人公で 鬼退治の英雄 川から流れてきた桃を食べて若返った老夫婦の間に生まれた少年が国で悪さを働く鬼を退治するため胴中に吉備団子を餌に犬、雉、猿をだまして鬼が住む鬼が島に乗り込んで大暴れし、人々から盗られた財宝を我が物にして幸せになるという逸話だ。」
「桃太郎てのは俗称で 確か本名が 吉備津尊だった気がする。」
「若返る桃というのはシン帝国の仙木バントウの実ですか?」
「此方で言う勇者に近いんですね。」
「まぁ史実に近いなら相当な実力者の筈だ、それに確かにバントウの実や十字教の経典に出てくる桃は生命の実、若返りの実として出てくる。
知恵の実を食べて、知恵と原罪が着いたのが人間なら、生命の実を食べたヒトは天使になったそうだ。
つまり神に近い実力を備えた英雄という事だ、もしそうなら…シュウには荷が重いな。」
『そして今大会優勝候補!国民的、世界的英雄 勇者 シュウ ヤマモトォォォ!』
ワァァァァァ!
「さて、奇しくも勇者対勇者の好カードだ面白くなってきたな。」
『一回戦最注目の戦いです。 どちらも剣士にして 魔、鬼を狩る英雄! さぁどちらが勝つのか!?
試合開始!』
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