勇者の攻略法 その4 まおうからは にげられない
一切手加減なし。
無条件即死攻撃の法則
瞬間移動、空間転移、霊体化、即死呪法、達人の剣術を組み合わせた技法。
あらゆる防御、回避不能の斬撃。
もはや達磨と化した勇者に止めを刺そうするガリアの魔王にアタイは双子剣を抜き、其れを阻む
「おまえぇぇぇぇぇぇ!!!!」
烈火の如き猛襲、剣術スキル 「鬼神の舞い」で反撃の隙を与えさせない!
後ろでテレサとアナスタシアがシュウに掛けより治癒魔術を掛けているが、もうシュウは戦えない。
でも死なせたくない! イシスのヨッシーにいちゃなら代わりの腕と脚を作ってくれる!
ここは逃げるしか無い、今のアタイ達に勝ち目は無い! 私の鬼神の舞いの猛攻を涼しい顔でかわし続けるこの男は未だ本気を出していないんだ!! 私の本能が警笛を鳴らし続けてる!!
「テレサ!アナスタシアァァ! シュウを連れて逃げてェェ!! 」
「ミーアさん!!」
「っっっつ!早く撤退するよ!」
テレサは涙を流して戸惑ったけどアナスタシアねーちゃは軽くなったシュウを抱きかかえ、使い魔の竜を上空から呼び出す。
次の瞬間、私の双子剣が消し飛ばされる。
「あ・・・・・」
まただ、シュウの四肢を消し飛ばしたのと同じだ、消される。
暗黒大陸の中で生き残ってきた戦士のアタイに久しく忘れかけていた死の匂いが絶望を与える。
魔王の猛禽類の様な眼で睨まれた瞬間 一瞬でアタイは喰われる弱者であると本能で理解し、その場で震え腰を抜かしてしまう。
情けない!アタイはこんなに弱かったのか!? 怖い 怖い 殺される。 身代わり人形を持っているがそんなのは一度しか効果が無い。 何の保険にもならない!
恐怖で身がすくむ私に魔王が歩み寄ってきた。
でも 視界にはシュウを連れてイシスの方向へ飛んでいく皆が見えた。
これでシュウは助かる。 でもアタイは・・・
「ま・・・(待って! 置いてないで!)」
必死に言葉を飲み込み!ギリギリのところで踏みとどまる私は希望をつなげたんだ! これでいい。
その希望も次の瞬間崩れ去った。
「やれ・・・ ナミ。」
「はい 主様」
いつの間にか現れた黒髪の美女が魔王の言葉聞いて使い魔を睨んだ瞬間、突然、シュウ達を乗せた使い魔が息絶え、墜落した。
「誰ひとり逃がさない。」
絶望の淵に叩きこまれた、私がしたのは唯の悪あがきだったのか、あの距離ではシュウを抱えて逃げ切れない。
墜落しても彼女達は浮遊魔法で無事だろうが、もう逃げ切れないだろう。
「う うあぁ ああああっ」
幼子の様に涙を流し声をあげる私をみて魔王が右手を掲げて、私の意識は闇に落ちた。
この日、勇者パーティはガリアの英雄の前に全滅。 ロマリアは首都を占拠され西ヨーロッパ連合は解散、異世界人がこの地に降臨してから始まった世界大戦は此処に終結した。
FFのバニッシュデスを参考にしました。
テレポートってかなりえげつない能力です。




