勇者の攻略法 ガリア本土奪還作戦
なぜかタイトルより異世界英雄のバトロワっぽくなってますが本章より教授のチート能力とチートの権化、勇者の激突!
タイトル通りの攻略に入ります。
異世界人の有能すぎる能力、進んだ文明知識は国にとっては有用だが、同時に脅威にもなる。
俺たちがこの地に来る前にもこの地では戦が起きたが、強大な魔物が跋扈するこの世では戦争は起きずらかった。
その為、暗黒大陸のような自然事態が強力なダンジョンと化している国ならいざ知らず、野生の魔物が殆ど居らず遺跡の産地と呼ばれるガリアが狙われるのは当然の帰結であろう。
唯一の自然型ダンジョン竜の墓場を領地に持つ現ガリア公国が残ったのもそれが理由だ。
ここで、俺の目的だが帰還方法の確立と、異世界と現世の時間の差異をただすことである。
浦島エフェクトや精神と時の部屋の様に次元が異なる世界から戻るとき、元いた世界ではあまり時間が経っていない、若しくは何十何百年経っていたという事が無きにしも非ずである。
その為、保険として不老作用のある源呼吸を修得し、若さを保つことを保険とし、浦島エフェクトに関しては、転移装置の応用で過去の俺に記憶、魂を送る理論を現在構築中である。
まぁその為に現在怒っている乱世を止める必要がある。
カグヤは元々自衛の為に皇帝位につき、自分以外の異世界人の保護の為に帝国を建国した。
鈴木氏も始めは抵抗していたが、彼の進み過ぎた科学力は遠いうち、ルーシが彼自身に牙をむくようになったのは想像に難くないし、カグヤも始めは俺の勧誘、保護が目的だった。 まぁ正気を失って俺に戦いを挑み、殺ったり、ヤッたりの仲になってしまっているが・・・
人形師の佐藤は人形を作ること以外全く興味が無い。 人形師の人形に命を吹き込むという命題をこの世界で文字どおり叶え、国の手が届かない暗黒大陸に身を置いていることから放置して問題ない。
悪魔使いのマリアも争いを好むものではなく、帰郷願望も七英雄の中で唯一持っている。
問題なのは海賊王と勇者だ。
また強そうなの称号をお持ちで、・・・・頭が痛くなる
海賊王は海賊と言われることから漫画や映画の様な良い印象を持っていなかったが、驚いたことに、この男 高橋 渡は純粋な冒険家で、海賊や盗賊などの荒くれ達、魔物から商船を護衛、敵戦拿捕の権利を国から貰っている私掠船つまり国から海賊行為を許された存在で、彼の功績は治安維持、海賊団の壊滅、海の悪魔退治、新大陸の発見及び開拓で、カグヤと同じようにポルトガの港町と新大陸に拠点と領地を下賜されている国民の英雄である。
勇者も同じように魔物討伐、奴隷解放、暗黒大陸開拓、悪代官粛清などの功績を持っているし人々に生きる勇気を与えれる存在である。
二人とも、というか七英雄全てが悪人という訳ではないが其れを利用しようとする国が問題だった。
ポルトガ、ロマリアは世界を手に入れた後、脅威になる七英雄を滅ぼそうとするだろう。
何せどちらも十字教の国、精霊召喚を主力とする、マリアと俺は異教の悪魔として扱われ勇者達を俺たちと戦わせ、共倒れを狙い、その後勇者を操り人形にするか、疲弊した所に止めを刺してくる気だ。
新大陸の発見さえ無ければ、追いつめられた二国は自然と崩壊しただろうが、現状では最悪の事態が起きる。
故に、十字教総本山を叩き勇者を無力化する。
まずはガリア本土の回復、勇者の無力化、ロマリア首都の選挙により十字教の力を抑える。新大陸は放っておけば帝国の様に、有能な人間がそこに流れ込み独立するだろう。
ガリア公国軍、旧ガリア領国境前線基地(元 竜の墓場)
「それではガリア本土奪還作戦の概要について説明する。」
俺の声に会議室に緊張が走る。 そこには、ガリア騎士団長にして元帥のレオン、士官学校長のシンシア、ガリア王女クラリス、アリシアが席に着きおれの声を一言一句聞き逃さないようにしている。
「進軍ルートだが黄泉の入口の転移魔法装置を使用、一個大隊 騎士団とギルドの混成部隊を転移する大規模転移による電撃攻撃だ。 王都の地下道、城を占拠後、ガリア国土の回復を宣言しロマリアに備える。」
「軍を無力化しても兵士はロマリア・ポルトガ・ブリタニアの混成部隊だ戦力に取り込む事は出来ないとみていい、捕虜として扱うが戦後のことも考え、治安維持に使える人材だけ残し、投獄させる。」
「現在、建国の時からガリアに閊えてきた領主、パレセン辺境伯、マイヤール伯爵も、ガリア領土が回復すれば、其々ポルトガ、ロマリアを国境に領地を持つ貴族だ。解放と同時に国境の封鎖、この国を鎖国状態に持っていき、陸、海、空路を許可なく超えた者を問答無用で撃墜させるように命じ、ガリアを陸の孤島にし、内部反乱勢力の制圧を、指揮はガリア本土の地理に詳しいシンシア中将に任せます。
レオン元帥はポルトガ国境線へ、ガリア公国は義勇軍、ギルドナイト、士官候補生軍でこの機に乗じた内乱を防ぎ、黄泉の入口から魔石を転送、補給任務と治安維持、防衛に分け、俺は単身でロマリアに向かい、勇者を無力化します。」
「アキラ殿 単身で勇者に挑むおつもりですか!? 同じ七英雄といえど危険すぎます。カグヤ皇帝かルーシの英雄に援軍を求めては?」
まだ若い将校が意見する。 俺を心配してのことだろうが援軍を呼ぶつもりはない。
「彼女達の援軍を受ければ、確かに勝てるだろうがそれは果たしてガリアの・・クルトの民の勝利と言えるか? あくまで異世界人である七英雄と戦うのなら力を貸すが、それ以外は貴方達クルトの末裔の力で戦わなければまらない。 この戦いは誇りを取り戻すための戦いでもあるからだ。そのためにもガリアに縁のある私が戦わなければならない。」
精霊魔法を扱うマリアなら俺の援軍にもこの戦いにクルトの民の戦いに大義名分を持つが彼女はもう戦うべきではない。
可能な限り彼女には人の闘争には関らせたくないからだ。
「勇者、海賊王と接敵することがあれば通信魔石で俺に念話を飛ばすように、七英雄とは直接戦闘を避け、対七英雄攻略のマニュアル通りに動くこと。」
対七英雄攻略は、俺が戦い、または調査して手に入れた七英雄の情報を元に考案した攻略法である。如何に臨界者であってもこの方法でなら対抗可能だ。
問題は主人公体質、補正持ちであろう勇者だが、それでもこの方法なら時間稼ぎ、戦力を削ることが出来る。
「それでは日の出とともにガリア本土奪還作戦を開始する!」
いよいよ開戦です。
ガリアの防衛と新大陸の開拓によって均衡が崩れるのを懸念し、西ヨーロッパ連合をガリア本土の奪還で分断し、十字教の勢力の弱体化を図り、七英雄による本格的な世界大戦を未然に防ぐ戦いです。




