黄泉の入口
異世界に落ちたばかりのアキラです。
未だ古代魔法を修得していない状態。
この世界の法則に築き、現在検証、及び帰還方法の手がかりを探すため迷宮に潜りまくっていた時です。
黄泉の入口
ガリアの名所にしてあの世へと繋がるであろう深さを持つ世界屈指の最難関迷宮である。
踏破者0 死亡者多数 生還者1名
このダンジョンの最難関たる由縁は、まさにあの世と呼べるほど膨大な数の不死、死霊、鬼、悪魔が跋扈する黄泉そのものであったからである。
入口に結界が張られ、一人ずつしか入れないという生存確率0.000000001%という鬼使用のダンジョンである。
そんな中、もはや誰も近づかない、自殺の名所とかしたダンジョンの前で自殺志願者?をなだめすかす黒いフードコートを被った青年が居た。
というか俺だった。
出鼻を挫かれた。未だに泣きじゃくる冒険者の女性を残しやっと入り口の石扉を引いて、ダンジョンに入る。
入った瞬間石扉に手を掛けてみるが全く動かないw
早速襲い掛かってくる高レベルの死霊共を聖水とポーション仕込みの剣で一閃していく。一気に浄化され、思念は無散し、魔素が俺の中に吸い込まれていく、例え高いレベルを誇っていようが関係ない。
むしろ歓迎したいぐらいだ。
歩く度に遭遇しまくるがはっきり言って何の脅威にもならん。
存在理由、概念を消し飛ばすアイテムを放出し教会の神父に習った治癒魔術で消し飛ばす。アイテムボックスに今までこのダンジョンに挑んだであろうもの達の遺品も全て回収する。
このダンジョンは迷宮とあるが唯ひたすら地下へと続く洞窟であり分岐点が一切ないのでまぁ楽だ。
おれはスリラーを鼻歌で歌いながら地下へと降りて行く。
俺の通った後にはペンペン草も生えないくらいに敵を屠り、遺品やアイテムを回収していく。
アイテムや魔力切れの心配はない、魔力の元は直ぐに下から湧き上がってくるし、回復する必要も、装備の補給も必要とせずに進んでいくのみ。
暫くして・・・
大きい広間、最下層に着いた。
拍子抜けするかもしれないが、此処まで到着する兵もそう珍しくもない。
だが現在、俺の眼の前に静かに表れたリッチが今までこのダンジョンからの生還者を屠ってきたのだろう。
元々強力な魔術師が不死を求めて転生したなれの果てだがコイツは格が違う。
このダンジョンが出来てから何千ものの間この地下深くで挑戦者を屠り、其の魔素を魂を喰らってきたのだ。 手のつけられない化け物へと成長してしまったのだ。
「・・・・・・」
もはや理性も摩耗しているだろうリッチが物言わず俺に襲い掛かってくる。
一閃
瞬殺だった、秒殺だった、一撃だった。
浄化効果のあるアイテム全てをブレンドした剣での一閃。
1000年以上もこの地下深くで生きてきた魔術師のあっけない幕切れであった。
崩れゆくリッチが自分の死を理解したのか心底うれしそうに俺に感謝しながら昇天していくのが何か引っかかった。
「さて、此れがゲームなら今頃レベルアップのファンファーレのラッシュだな。」
そう呟きながら広場の奥にある神殿に足を向ける。
古代魔法 その象徴である上位精霊の女性が石棺で静かに眠っていた。
さて、祝詞をあげるかキスをするか魔力を注ぎ込むかするのが王道なんだろうし皆?もそれを望んでいることだろう。
てか狸寝入りしてね? この精霊?
如何する?
1 接吻 キスキス~
2 祝詞 契約の言葉を述べる。
3 しばく 起きろぼけー!
4 放置 僕は何も見ていない。
放置で♪
リッチも倒したことだし、もう帰ろっと。 てくてくと転移装置で帰ろうとしますが・・・動きません
踵を返して神殿の出口から帰ろうとするが・・・・
・・・・扉が動かない
「・・・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・」
あきらはにげだした。
まおうからはにげられない。
普通に起こしました❤
「まぁ❤この迷宮を踏破し私を救いだしたくださるとは。貴方は私の主にふさわしいお方ですね。」
「ありがとう それで君は?」
「はい 私は“死と再生を司る精霊姫”です。契約者に不老不死の法を授け、永久に使えさせていただきます。」
・・・・・・スルーだスルーしろ この美人さん契約者に旦那様ってルビ振りやがった。
「そうか、それでこの神殿ってか迷宮から出たいんだけど?」
「ええ 本契約すると封印が解けて転移装置が稼働します。」
「・・・・本契約って?」
「はい。貴方様に名を与えてもらうこと、そして契りを交わすことです。」
・・・・・・・おい大人の対応 スルーにも限度があるんだぞ?
「私と愛の契りを交わさないと出られません❤」
たのしそーだねー。
「優しくしてくださいね?」
美味しく頂きました。
痛い! すみません石を投げないでください!
受肉した為か、情事の後の為かイザナミはつやつやしている。
イザナミは彼女に与えた名前で 真名を他者に知られると色々不味いので。
ナミと呼ぶことにした。 更に俺の名前を付けて渡辺 奈美と命名することで俺の精霊へとなった。
その後、俺は一時期宮廷音楽家として招かれた縁で親しくなったガリア国王とクラリス王女、侍女のアリシアにこの事を報告し、俺の名が広まるのを避けるために少しばかりの報酬として、王墓など、立ち入りが制限されるダンジョンの探索許可だけ貰い、俺はこの黄泉の入口を研究所代わりに入り浸り、古代技術の転移装置の研究や神殿の宝物庫を調べることになった。
「今だから言うんだけどな・・・」
「はい?」
ベッドで、俺を腕枕にする生まれたままの姿の精霊に語りかける。
「一目ぼれだったんだぞ。」
でなければ選択しにキスなぞいれん。
「私もですよ?主様❤」




