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(旧)異世界攻略のススメ   作者: 渡久地 耕助
第3章 “悪魔使い” 佐藤 真理亜
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華麗なる留学生はスパイ!? その11 決着

 「我らの戦いは決して歴史に残されてはならない。」


 国の名誉の為に必要悪としての仕事を生業とする黒い騎士達がかつてブリタニアに存在した。


 名誉ある騎士とは違い、国の為、人の為に自らの手を汚すことを厭わず、卑怯と罵られようと、自分達が流してきた血の果てに人々の笑顔があると信じる負け知らずの益荒男達。


 疫病の流行った村を住民毎焼き払った。


 飢饉で助けを求めてきた集落の者たちの受け入れを拒否するためやせ細った国民たちを手に懸けた。


 死兵として、敵軍の真っただ中に取り残された。


 殿を務めるのも、捨て駒にするのは当たり前。


 黒騎士たちはそれでも自分達がやってきたことが国の民の幸福になると信じ、任務を終える度に減っていく仲間達を見て涙を堪え、死を乗り越えるたびに死地から何度も生還を果たし続けた。


 いつしか彼らは敵国から畏敬から「悪魔騎士団」と呼ばれるようになる。


 彼らの結末は強すぎる騎士団を恐れた自国の領主が彼らを異教の悪魔と民衆に広め、自身が命じてきた任務を彼らが行った悪行だとすり替え、彼らを討伐しようとした。


 悪魔騎士団は自身たちが守ってきた国に民に裏切られ、無念の中、この世を去った。


 


 そして数百年の時が流れ、彼らの無念を知り、涙を流す一人の異世界の少女によって終わりを迎えた彼らの物語は再び始まる。


 

 


時計塔10F


「甲冑騎士?」


 私の影から黒い鎧を身に纏ったフルプレートの騎士を召喚する。


 過去の英雄の思念を媒介に生まれた英霊。


 精霊は自然が世界の意思によって生み出された思念体に対して英霊は人類の想念によって生み出された思念体だ。


 元々自然界の管理を任せられる精霊と異なり、英雄と呼ばれる戦場で人殺しの達人達だ故に精霊と比べ物にならない程高い戦闘能力を有する。


 彼らに対抗できるのは、古代魔法の象徴といえる上位精霊か、七英雄のみだろう。


 そして! その英霊を使役するだけでなく、彼らの力と技術を憑依させ戦うことが出来るのが私の能力だ。


 「「悪魔憑き 剣の騎士」」


 彼の武器を鎧を身につけ、学園最強と相対する。


 そして、剣を構えて見事な騎士の礼をとる。


 それをみて、彼女も礼を返し、マグドレア流の構えを取る。


 「ブリタニアが騎士ナイト マリア・サクストン推して参る!」


 「応!ガリア軍が騎士シュバリエ候補生クレア・マグドレアが受けて立つ!」

 

 「「いざ   尋常に     勝負!!」」


 

 

 過去の英雄達は源呼吸を無意識のうちに扱っている。


 その証明が今此処で繰り広げられている。


 騎士の動きに合わせ、体の各部からジェット噴射の様に魔力が放出し、ブーストされ、竜など一刀のもと叩き斬らんばかりの斬撃がマリアに飛んでくる。


 それに反して彼女は魔力を完全に抑え込み、嵐のように襲い掛かる攻撃を全てかわす。


 過去、現在を問わず、その能力を簒奪、借りて戦う七英雄マリア


 魔力感知の極致ともいわれる神眼で完全に見切り、その動きに着いていく聖女クレア


 一見互角に見えるがそうではない七英雄が唯の生徒に過ぎない少女に負ける道理はない。


 クレアはグレアム神父の血を引き、尚且つ教授の教えを受けその才能を開花し、進化し続ける英雄であるが未だ成長途中の少女に過ぎない。


 完成された英雄と違い、如何に攻撃を見極めようと圧倒的な経験と実力の前には脆くも崩れ去る、英霊の鎧を身にまとったマリアの防御力を突破するには七英雄か同じ英霊、上位精霊、古代魔法、古代技術によって精製された武具による一撃でないとマリアには届かない。


 マリアの脳裏にこの決着は直ぐに終わるとよぎった瞬間。 強力な正拳突きによる衝撃が鎧を突破した。


「七英雄 改造人間スズキの技ならその鎧を貫ける様ですね。」


一年前、教授の城壁クラスの障壁を貫いた鈴木の正拳突き、話に聞いた技を源呼吸、父の格闘術を素に此処で再現した 障壁突破の一撃に久しく受けた事のない衝撃にマリアが呻く。


 術者のダメージによる攻撃を受け、纏っていた英霊が解除され影に戻っていく。


 「(まさか、英霊の鎧を突破するとは、本家の技なら私もただじゃ済まなかったでしょう。)」


 だが彼女は七英雄、この程度で倒される様では七英雄という名は与えられない。


 「が・・・・・・」


 急にクレアが糸の切れた人形のように倒れる。


 「(能力の簒奪、その正体はエナジードレイン接触した個所から相手の活力を吸収し、我が物に出来る力。)」


 拳による短時間の接触だった故気絶程度で済み能力の簒奪に至らなかったが、七英雄との戦闘、転移魔石なしでの転移魔法、七英雄の技を使って消耗したクレアを気絶させるには十分な時間だった。


 「私の勝ちですね会長。」


 さて私が臨界者で悪魔(英霊)を使役したところは口止めも記憶消去も必要ありませんね。


と言いますか私の正体も、顔もいられていないし、悪魔使いの能力や臨界者も能力の特性上、魔素を吸収しやすい体質でそうなったといえばまだまだ言い逃れが可能です。


 クレアさんも臨界者=七英雄という図式ですし、実際悪魔使いは七英雄以外にもいますし、それは教授も分かっていることでしょう。

  


 まぁ今はどうだっていいか♪彼女の結界も気絶により解けたことですし。優勝は私に決定♪


 報酬はどうしましょう? ギャルのパンティおーくれ なんていったらこの先の人生終わるし、ミーナさんやケント君にならってお金でも教授に貰いましょう。振り返って聖杯とって終わr


「わぁーい 聖杯とったですー」







・・・・・はい?


 


 勝者 ミーナ・ケント組 残り時間 00:48:10 脱落者6名 

クレアさん残念!


次回 表彰式

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