再会
今回は詩です。This is 散文。
それでは、どうぞ。
まさか、ね。
こんな所で、
会うとは思わなかった。
一言二言、三言。
しばらく、って程の長さでもなく。
やがてあいつは友人と、
帰って行った。
私は何故か、
あいつの背中を
見つめていた。
小さくなって、
見えなくなるまで。
何でだろう。
何で、かな。
目を閉じて、
考えてみる。
少し大人っぽくなった、
それでも少しガキっぽい、
あいつの顔が浮かんだ。
あ──、
逆に痛いなぁ。
あいつの優しさが
胸に染み渡っていくようで。
昔は、それだけで
心地好くて、幸せだったのに。
心が満たされて、
穏やかだったのに。
今では、傷に染みる。
優しさが。
笑顔が。
…何で?
忘れたと思っていた
胸の痛み。
再発して、狂わされて気付いた。
あぁ、やっぱり…。
まだ、好きだったんだ。
忘れられなくて。
愛しくて。
うん。
忘れたくない。
忘れるなんて…
そんな、勿体ないこと
出来ないよ。
…しばらくはまだ、
あいつの夢を見るみたい。
幻に惑わされても、
私は想う。
ただ一心に、
あいつのことだけを。




