星攫いの少年

長き戦乱の時代、命を多く奪った者は「巨星」と呼ばれ、空にその名を刻まれた。
今は誰かの命、すなわち“星”を攫うことは禁忌とされている。
だが、病床の妹に「死んだら海に還して」と願われた少年は、星を攫う儀式を無意識に行い、奇跡的にそれを成功させてしまう。
その力は、本来、選ばれた戦士しか扱えない禁術だった。
星を盗んだ罪で「空の牢獄」に収監された少年は、かつて巨星と呼ばれた囚人たちと出会い、託された“星”を抱えて脱獄を決意する。
目的はただ一つ、妹の星と、彼らの魂を「宙の渦」へ還すこと。
星を集める者と、星を還す者の争いが渦巻く中、少年が最後に選ぶ道とは。