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【コミカライズ進行中☆】 「お前を愛することはない」と言われたので「そうなの?私もよ」と言い返しておきました。 〜氷の貴公子様と紡ぐ溺愛結婚生活〜  作者: 笛路 @書籍・コミカライズ進行中
三章 ❄❄❄ 子育てする氷たち

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58/61

❄58:ハブリエルとルーカス。

 



 二人目の息子の名前は、ハブリエルの希望もあり、ルーカスに決定しました。


 実家の伯爵家の養子にするのは、お父様と話し合い、本人たちが大きくなってから決めて良いとのことでした。

 お父様とお母様は相変わらずで、お互いに不干渉を貫かれています。我が家にしてもそうで、孫だから特にどうするということもなさそうです。

 反対に、王弟殿下であるお義父様は、孫にデロデロです。

 国王陛下の前で「孫にお願いされちゃったら、下剋上くらいしてもいいかも!」などと危険な発言をしていたそうです。


「…………デロデロになるのは、家系らしい」

「なるほど?」


 よく分かりませんが、納得しておきましょう。深堀りするとろくなことにならなさそうですし。




「父上、母上…………」


 ハブリエルが十五歳になった日の朝食の席でした。

 みんなでお祝いを伝えていましたら、ハブリエルが急にボソリとつぶやきました。

 相変わらずの無言っぷりですが、ときおり何かしらつぶやくことはあるのです。が、今回はなんだか様子が違いました。


「伯爵家を継いでやりたいことができました」

「…………へ?」

「ほぁ!? ハブリエルが喋ったぞ!」


 驚くところはそこなのかとか言われそうですが、驚くところはそこで間違いありません。

 それから、伯爵家を継いでやりたいことってなんなのでしょうか?


「ん。秘密」

「まさかの秘密!」


 ランヴェルト様が「なんでだ!」とハブリエルの両肩を掴みユサユサと揺らしますが、ハブリエルは断固として話しませんでした。


「ルーカスはそれでいいの?」


 ルーカスの気持ちを聞いていなかったことに気づき、慌てて確認するとルーカスが黒い髪を揺らしながらこくんと頷きました。


 え、これっていいってことなの? 大丈夫なの? 二人で話したとか? というか、二人で話すの? 二人で会話していても、基本的に超短文で返答はイエス・ノーくらいしか聞いたことなかったけど。そのレベルで将来とかの話もしてるの? え? 本当に大丈夫!?


 二人のおかげで脳内が大忙しです。


「だっ…………大丈夫なのね?」


 結局、口から出たのはこの一言のみになりましたが。

 二人とも私と同じように、頭の中でグルグルと考えて、結局一言しか言わないだけのタイプではあるのですが、それにしても言わなさすぎではと思うのです。


 ランヴェルト様はなにやらむむむっと考え込まれています。どうかしたのかと聞いてみると、ちょっと申し訳無さそうなお顔をされました。


「テレシアには失礼なんだが、伯爵家を盛り立てるほどの利点はあるのか?」

「……たしかに」


 なんといいますか、『たしかに』としか言えない問題です。名前が建国当時からあるだけで、政権派閥にもおらず、やっていることは、小さな領地の経営。

 しかもその領地も特に何かがあるわけでもなく、ただ芋などの作物を細々と作っているだけです。

 

「あるよ」

「へぇ、あるのねぇ」

「うん」


 どうあっても、何をしたいのかは教えてくれないようです。

 まぁ、あまり意思表示しない子が自らしたいと言うのだから、やりたいようにやらせてあげるのが一番だろう、ということでランヴェルト様とも意見が一致しました。




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◇◆◇ 書籍化情報 ◇◆◇


「お前を愛することはない」と言われたので「そうなの?私もよ」と言い返しておきました。 〜氷の貴公子様と紡ぐ溺愛結婚生活〜
書籍表紙


美麗すぎてヨダレものの表紙絵を描いてくださったのは、『シラノ』様っ!
脳内妄想だった氷たちが、こんなにも美しく再現されるとか、運使い果たしたかもしれない……

あ! この作品も、もりもりに加筆しています。(笛路比)
おデートとか諸々ね。ラブなストーリーを主に。コミックシーモア様は限定SSもあるよ☆
ぜひぜひ、お手元に迎えていただけると幸いです。

各種電子書籍サイトで販売されていますので、一例としてリンクボタンも置いておきます。


▷▶▷ コミックシーモア

▷▶▷ honto

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▷▶▷ BOOK☆WALKER

― 新着の感想 ―
[良い点] 光陰矢の如しで、時が過ぎていく! 兄弟仲良さそうですね。 どうやって話してるのかめちゃくちゃ謎ですが(笑) ハビエル賢そうですから、考えがあるんでしょうけど気になりますね。 [一言] …
[良い点] 味のあるお子様ですなあご長男様…
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