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【コミカライズ進行中☆】 「お前を愛することはない」と言われたので「そうなの?私もよ」と言い返しておきました。 〜氷の貴公子様と紡ぐ溺愛結婚生活〜  作者: 笛路 @書籍・コミカライズ進行中
二章 ❄❄ 氷たちの新婚生活

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39/61

❄39:固い決意と揺るぎない意思。

 



 ランヴェルト様からのやきもちは、なんというか可愛らしいものでした。美麗かつ冷淡な見た目とのギャップのせいかもしれませんが。

 ちょっといじけられているところも、また可愛いところのひとつでしょうか。


「男性に対して『可愛い』と感じる意味が理解できました」

「かわ…………いい」

「はい。ランヴェルト様は可愛いです」

「かわいい…………」

「はい!」


 うんうんと頷きつつ返事をすると、またもや眉間に大峡谷を刻まれてしまいました。

 

「嬉しくないが、嬉しい」

「どっちなんですか」

「ぐぬぬ…………どちらかといえば、嬉しい」

「うふふふふ」


 悔しそうにそう言われるランヴェルト様は、やっぱり可愛かったです。




 ランヴェルト様とちゃんとお話をしようと決めてからというもの、毎日がとても彩り豊かになりました。

 相変わらず、アーデルヘイト嬢や他のご令嬢からの謎の手紙は届いていますが、ランヴェルト様が勢いよく破り捨てています。

 

「中身は確認する?」

「いえ、大丈夫です……というか、飽きました」

「飽きた! んはははは! そうだよな、飽きたよな!」


 二度ほど確認はしていたのですが、意味不明な文章の羅列は、もうお腹いっぱいになってしまいました。

 ランヴェルト様がお腹を抱えて笑っていますが、そんなに可笑しいことだったのでしょうか?

 

「んははっ。ん、飽きた。私も飽きたんだよな、うん。そろそろ、終わらせるか」

「終わらせる?」

「ん。今までは、あれらの対応で余計な仕事が増えるのが嫌だった。私が放置していれば、たぶんなんの変化もなく時が過ぎるからな」


 アーデルヘイト嬢は精神病院に入れられており、外出などは一切ないうえに、決められた回数の手紙のみ。

 妄信者のご令嬢たちは、何年も何年も手紙を送って来たり、夜会で挨拶したそうに近寄ってくるだけだったそう。

 

「だが、終わらせる」

「なぜですか?」


 放置していれば何も起きないのであれば、そのままでも良いのでは? と私は思いましたが、ランヴェルト様は違ったようです。

 スッと真面目なお顔でこちらを見つめて来られました。


「これ以上、他人に私たちの生活を邪魔されたくないと思ってね。君やいつか産まれる子どもを守るのは、私でありたい。だから、私が終わらせる」


 晴れ渡ったような空色の瞳には、固い決意と揺るぎない意思が宿っているように見えました。

 

「できる限りで構いませんので、私にもお手伝いをさせてください」

「ん。ありがとう」


 感謝の言葉とともにふわりと微笑んだランヴェルト様は、とても美しく眩しかったです。




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◇◆◇ 書籍化情報 ◇◆◇


「お前を愛することはない」と言われたので「そうなの?私もよ」と言い返しておきました。 〜氷の貴公子様と紡ぐ溺愛結婚生活〜
書籍表紙


美麗すぎてヨダレものの表紙絵を描いてくださったのは、『シラノ』様っ!
脳内妄想だった氷たちが、こんなにも美しく再現されるとか、運使い果たしたかもしれない……

あ! この作品も、もりもりに加筆しています。(笛路比)
おデートとか諸々ね。ラブなストーリーを主に。コミックシーモア様は限定SSもあるよ☆
ぜひぜひ、お手元に迎えていただけると幸いです。

各種電子書籍サイトで販売されていますので、一例としてリンクボタンも置いておきます。


▷▶▷ コミックシーモア

▷▶▷ honto

▷▶▷ Amazon

▷▶▷ BOOK☆WALKER

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