表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【電子書籍発売中】「お前を愛することはない」と言われたので「そうなの?私もよ」と言い返しておきました。 〜氷の貴公子様と紡ぐ溺愛結婚生活〜  作者: 笛路 @書籍・コミカライズ進行中
二章 ❄❄ 氷たちの新婚生活

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

27/61

❄27:アーデルヘイト・コニングという女。

 



 父に止められ、耐え続けること二時間。

 気付けば私の周りはアーデルヘイト・コニングの指示で動く騎士たちで溢れていた。


 令嬢たちの順番整理係のようなことをしている王城騎士たち。彼らにプライドはないのだろうか?

 コニング家の当主が軍部の総裁だから、騎士たちは当たり前のように彼女に従っているのだろうか?


 軍部を私物のように使うコニング家、それを気にしない騎士たち、それを見て見ぬふりをする父。


 この時の私は、何が起こっているのか理解できていなかった。

 伯父上――国王陛下はクリーンな治世を望んでいたはずだ。なのに、なぜ?

 十歳の子供だとしても、帝王学を履修過程にある自分が違和感を抱かないはずがないのに。


「ランヴェルトさま」

「失礼だが、君に名前で呼んでいいと許可した覚えは――――」

()()()()()()()、恋する乙女の心を踏みにじってはいけませんわ」


 頬を染めた幼い令嬢と、深い微笑みで私を注意するアーデルヘイト・コニング。


 ――――なんなんだ、この茶番は。


 父が動くなと言うから、動かない。

 私は父を信頼しているから。

 

 だが、腸は煮えくり返そうだった。

 アーデルヘイト・コニングが気持ち悪くて仕方なかった。

 最終的に、茶番のような庭園茶会は、閉会するまであの女の独壇場だった。

 そして、茶会の翌日から本当の地獄が始まるとは、この時の私は想像もしていなかった――――。




 朝一番に手紙が届いた。

 アーデルヘイト・コニングからの。


 内容は、私にふさわしい令嬢のリストを作ったことと、釣書を同封していること。そして、どれだけ私を愛しているか。

 それは枚数にして十枚もあった。


 私が朝起きたときにする行動。

 訓練の際の癖。

 苦手な科目。

 友人と会話する時の表情。


 それらのどこがどれだけ可愛く、どれだけ格好良く、どれだけ尊いのか。

 私が生まれたことに対する、神への感謝。


 到底理解できる内容ではなかった。

 

 直ぐに父に報告をすると、しばらくのあいだ我慢して欲しいと言われた。

 コニング家の裏を掴みたい。

 そのためにはあの女の暴走が必要なのだとか。


 今はまだ、アーデルヘイト・コニングが親の権力を使って暴走しているだけにしか見えない。だが、コニング総裁が許さない限り、騎士たちを私物化はできない。

 コニング総裁から連なる者たちを、芋づる式に捕らえたいのだと。


 ――――耐えるしかないのか。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

◇◆◇ 書籍化情報 ◇◆◇


「お前を愛することはない」と言われたので「そうなの?私もよ」と言い返しておきました。 〜氷の貴公子様と紡ぐ溺愛結婚生活〜
書籍表紙


美麗すぎてヨダレものの表紙絵を描いてくださったのは、『シラノ』様っ!
脳内妄想だった氷たちが、こんなにも美しく再現されるとか、運使い果たしたかもしれない……

あ! この作品も、もりもりに加筆しています。(笛路比)
おデートとか諸々ね。ラブなストーリーを主に。コミックシーモア様は限定SSもあるよ☆
ぜひぜひ、お手元に迎えていただけると幸いです。

各種電子書籍サイトで販売されていますので、一例としてリンクボタンも置いておきます。


▷▶▷ コミックシーモア

▷▶▷ honto

▷▶▷ Amazon

▷▶▷ BOOK☆WALKER

― 新着の感想 ―
[一言] よかった。理由の説明があったならまだ…… 目線だけで察せよな感じでこの環境だったら可哀想が過ぎた……
[良い点] 面白くてイッキ読みしてしまいました。 二人が尊いよ〜。 と叫びたくなります。 [気になる点] コニングの話になって急に息苦しくなりました、狂信者、ストーカーでしょうか? [一言] 続きを楽…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ