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【電子書籍発売中】「お前を愛することはない」と言われたので「そうなの?私もよ」と言い返しておきました。 〜氷の貴公子様と紡ぐ溺愛結婚生活〜  作者: 笛路 @書籍・コミカライズ進行中
二章 ❄❄ 氷たちの新婚生活

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26/61

❄26:操作されるお茶会。

 



 ❄❄❄❄❄




 初めは違和感などもなく、穏やかに始まったように思えていた王城庭園でのお茶会。

 だがしかし、三十分もしないうちに異様な空気が漂いだした。


 とある令嬢がグラスをフォークで叩いて高音を鳴らし、注目するよう合図したのだ。


「ランヴェルト様の美しさを後世に残すためにも、私が認めた者しか婚約相手として認めませんわ!」


 そう高らかに宣言したのは、侯爵家令嬢であるアーデルヘイト・コニング。

 意味がわからずぽかんとしていると、周囲にいた令嬢たちから拍手が起きた。まるで、その宣言を支持するかのように。




 そう話すと、テレシアがぽかんとした表情になった。

 やはりそうなるよな? 私も今の君と同じ顔になったんだよ? と微笑むと、テレシアがほにゃりと微笑み返してくれた。

 同じように感じてくれている人があのとき側にいてくれたのなら、もしかしたら何か変わっていたのかもしれない。

 だがそれは『たられば』であり、きっとあの場にテレシアがいたとしても、私は恋に落ちなかっただろう。今の私だからこそ、テレシアを愛することが出来た。

 あの日に参加していた者たちは、全員が憎悪の対象だったから。




 アーデルヘイト・コニング。

 その女は、参加していた未婚の令嬢の中で年齢が一番上だった。

 そして、地位も。


 参加者たちは異論を唱えることもなく、アーデルヘイト・コニングの意味のわからない宣言を受け入れ、自分は不適格だとか、あの子なら合格ねとかなんとか話し始めた。

 その中でも一番多かったのは「アーデルヘイト様が一番お似合いですわ」という声だった。

 だが彼女は言う。


「私は、年齢が離れすぎています。貴女たちの中で、一番の不適格者よ。私は、貴女たちを応援したくてここに来たの」


 それはまるで、この茶会の主催者のような振る舞い。

 父はそれをジッと見て、微笑んでいるだけだった。ただ、その笑顔の後ろには恐ろしいほどの思惑が隠されているのだろう、ということだけは解った。


 その後も、アーデルヘイト・コニングの暴挙は続く。

 私に話しかける人間を厳選し、順番を決め、合否を決める。


 なぜ当たり前のように皆が受け入れるのだろうか。

 私は反発したかった。制御したかったし、排除したかった。

 だが、父が視線のみで『待て』と言う。

 まだ身体も心も幼かった私は、それに従うしか出来なかった。




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◇◆◇ 書籍化情報 ◇◆◇


「お前を愛することはない」と言われたので「そうなの?私もよ」と言い返しておきました。 〜氷の貴公子様と紡ぐ溺愛結婚生活〜
書籍表紙


美麗すぎてヨダレものの表紙絵を描いてくださったのは、『シラノ』様っ!
脳内妄想だった氷たちが、こんなにも美しく再現されるとか、運使い果たしたかもしれない……

あ! この作品も、もりもりに加筆しています。(笛路比)
おデートとか諸々ね。ラブなストーリーを主に。コミックシーモア様は限定SSもあるよ☆
ぜひぜひ、お手元に迎えていただけると幸いです。

各種電子書籍サイトで販売されていますので、一例としてリンクボタンも置いておきます。


▷▶▷ コミックシーモア

▷▶▷ honto

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▷▶▷ BOOK☆WALKER

― 新着の感想 ―
[一言] 「ランヴェルト様の美しさを後世に残すためにも、私が認めた者しか婚約相手として認めませんわ!」 つまりそれは、ランヴェルトを家畜扱いしているということだけど、気付いているのかな?
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