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【コミカライズ進行中☆】 「お前を愛することはない」と言われたので「そうなの?私もよ」と言い返しておきました。 〜氷の貴公子様と紡ぐ溺愛結婚生活〜  作者: 笛路 @書籍・コミカライズ進行中
一章 ❄ 氷の貴公子との婚約

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10/61

❄10:氷の貴公子様とカフェ。

 



 氷の貴公子様がまた迎えに来られました。いつものように白銀の髪を煌々となびかせながら。


「…………」

「……」


 手を差し伸べられ、手を重ねる。

 いつものように無言で。


「……どうかしたか?」


 お顔をジッと見つめていましたら、訝しまれてしまいました。


「いえ、何でもありません。本日はどのような予定で?」

「君のお父上に、君は本が好きだと聞いたが、間違いないか?」

「ええ」

「ん。いま書店とカフェが一緒になっているという場所が人気らしい。そこはどうだろうか?」

「構いませんわ」


 婚約前は頻繁に足を運んでいた、とても落ち着いていて大好きな空間です。




 いつも通り無言での馬車移動を終え、カフェに到着しました。

 

「おや? ダンメルスお嬢様、ご婚約されたそうで。おめでとうございます」

「久しぶりね、マスター。ありがとう」


 店内に入ると、老齢のマスターが恭しく迎え入れてくれました。

 

「ご挨拶が遅れました、オーステルベーク様。初めてのご来店ですな? ありがとうございます」

「ん。オーステルベークは大量にいる。名前でいい」

「承知いたしました。お席はどうされますか? お嬢様がいつも使われている場所にいたしますか? 個室もございますが」


 マスターがそう聞いてきた瞬間、重ねていた氷の貴公子様の手がビクッと動きました。

 私、手汗でもかいているのでしょうか?


「…………いつもの場所、というのが見たい」

「かしこまりました」

 

 私は個室のほうがいい気がしているのですが。それは、氷の貴公子様と会話したいからとかではなく、たぶん周りにいる皆さまが本に集中できなくなりそうですから。


 案の定、私がいつも使っている本棚の直ぐ側のテーブルにつくと、周りからヒソヒソとした小さな囁きが起こりました。

 そして、氷の貴公子様が髪を耳にかけたり、メニューを開くような仕草をされるだけで、黄色い声も上がります。

 

 ――――ちょっと、騒がしいですね。


「君はここの常連だったのか」

「……………………」

「……テレシア嬢?」

「え? あ、何か仰いました?」

「…………いや。いつもは何を頼んでいる?」

「ええと――――」


 メニューにある、クリームたっぷりの紅茶のシフォンケーキとオレンジジュースを指しました。

 少し子供っぽいのですが、この組み合わせが好きなのです。


「ふむ。では私も同じものを」

「えっ……」

「かしこまりました」


 同じものを、食べるのですか?

 そして、オレンジジュースを飲むのですか? 氷の貴公子様が?

 イメージ的に、大丈夫なのでしょうか?




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◇◆◇ 書籍化情報 ◇◆◇


「お前を愛することはない」と言われたので「そうなの?私もよ」と言い返しておきました。 〜氷の貴公子様と紡ぐ溺愛結婚生活〜
書籍表紙


美麗すぎてヨダレものの表紙絵を描いてくださったのは、『シラノ』様っ!
脳内妄想だった氷たちが、こんなにも美しく再現されるとか、運使い果たしたかもしれない……

あ! この作品も、もりもりに加筆しています。(笛路比)
おデートとか諸々ね。ラブなストーリーを主に。コミックシーモア様は限定SSもあるよ☆
ぜひぜひ、お手元に迎えていただけると幸いです。

各種電子書籍サイトで販売されていますので、一例としてリンクボタンも置いておきます。


▷▶▷ コミックシーモア

▷▶▷ honto

▷▶▷ Amazon

▷▶▷ BOOK☆WALKER

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