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そのとき上に

作者: 啞須佐亜希

...全てのモノは退屈だ。人間であれ神であれ、誰もが耐えられないほどの退屈さだ。目は見ることに疲れることはなく、耳は聞くことに疲れることはない。過去も現在も未来も同じだ。この世に新しいものは何一つ存在しない。何か新しいことを言えるだろうか?初めて起こったこと以外は、すべてそれの模倣に過ぎない。彼らは過去の出来事、経験、願望、夢、思考を覚えていない。そして、循環に戻ってきたときも、起こることを覚えていない。遊びたい。


ー僕たち兄弟は、同じ記憶を持っている。もしもそれが心の中にあるけれど、本当にそれが起こったのか確信が持てないのであれば、それは記憶と言えるのだろうか?


―そう、本当に起こったのよ


ーなぜそんなに確信を持てるかって?わかるわ、僕たちを欺くことはないということは分かっているけれど、もし彼も間違っていたらどうなるの?


―彼は常に存在していたの、彼は永遠に存在していたの、宇宙や時間の前から。彼が間違っているなんてことはあり得ないわ


ー彼と彼の最初の4つの影、そしてその後の3つ、美の探求。それ以前に何もなかったのか?


―何もなかった。彼がすべてを形作ったんだ


ー彼は体を分け、物質的で感覚的なもの、美しく触れられないものに分けた。そこからアクシス・アーバーが生まれ、全てに命を与え、また全てを消し去る。それは僕は知っている。

なぜ彼らは永遠になれないのだろう?

僕たちは永遠なのだろうね?


―多分そうだね、今まで私たちの誰も消えていないからね


ー彼らってほとんど我々と同じくらいでさ、彼らも「想像」の一部を持ってるから、いろんなこと考えたり、自分の存在に気づいてたりするんだよ。美しくて手に触れられないものにアクセスしたり、想像海にも触れたりすることができるんだ


ーただほんの一部だけどね


ーでも、もし彼らにより多くの想像海へのアクセスを与えたら、僕たちと同じようになるのかな?


ーそれはあまりいい考えじゃないよ。宇宙にはルールがあるし、お前の狂ったアイデアは私だけが知っている。他の誰がこれを知ったら、どう反応するか分からないな。


ーだから、お前のことが好きなんだよ。


ー「好き」というのを本当に分かっているのか?お前は人間の間で長い時間を過ごしたせいかもしれないけど。


ーいつの間にか、いつか考えたことがあった。なぜいつも人間なんだろうって。ほとんどの宇宙には人間が存在していて、中にはより強いものやより賢いものもいる。でも、いつも人間なんだ。


ーでも、中には面白い奴もいると思うんだ


ーでしょ!きっとお前が理解してくれると思ってたんだ!

人間の中には、再びサイクルに戻った時に、以前のサイクルと同じように振る舞う人がいるんだ。たとえ同時に分身が存在していても、彼らは常に同じなんだ。遊びたいな〜


ーそれは良いことなのか、悪いことなのか


ー実は、それが宇宙と関連しているのか、エッセンスが宇宙を形作っているのか、どちらかもわからないんだ。

運命は変えられないから、その運命は宇宙に内包されたエッセンスによって形作られたのか、それとも宇宙が人間のエッセンスを閉じ込め、運命を決めているのか。


ーなるほどね〜、よく考えているみたいだね。何て言えばいいか分からないけど、正直あまり気にしていないんだ。私は破壊の命令を受けているし、お前は保存の命令を持っている。兄弟たちにもそれぞれの役割がある。

方で人間は、ただ廻り続ける車輪の一部に過ぎない。彼らは想像海の一部を借りて、そして返すだけで、自分たちがそれに気付くことさえない。馬鹿げてるよ、ほんとに。


ー分かるよ、少し悲しいし、つまらないと感じる。面白い人間に出会ったこともあるし、彼らの存在が何も意味を持たないってのはちょっと悲しいよ。だから…


ー止めろ、何を考えているのかは分かってるよ。それは良い考えじゃないってわかってる。ルールに従っていれば、何も問題はないさ。


ーちょっと種を持っているんだ。誰にも害はないし、ちょっと遊ぶだけさ。


ー好きにすればいいよ、気にしないさ。



しばしまたれよ



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