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2-55.みんなとは、もう会えないんだ。

アタリヤ商会の、魔道具は優秀だ。


「取り置きバッグ」 調理済みの食品を、非常食として保管する

「春秋缶詰」    季節の果物を 放り込むと、缶詰となる


特に、この2個が、使い勝手がいい。


「じゃ、「取り置きバッグ」1個と、「春秋缶詰」25個。

 で、残りは、白金貨30枚ってところかな?

 それでいい?」


「はいっ、それならば、なんとかご用意できます。」


アタリヤ商会から現金、つまり、白金貨を取り過ぎると、潰れそう。


だから、魔道具で代替をさせる。

魔道具1個が、だいたい白金貨20枚くらいの価値があると言われるらしい。


だから、このくらいで釣り合いが取れるだろう。

あっ、私は、魔道具1個が白金貨18枚って計算してるからね。



[美容師の娘]  【 2-55.季節のフルーツを堪能しよう 】



決勝戦が終わり、配当も受け取った。

いやぁ、オリンピュアス大祭って儲かるね。


「ライレーンと、ライリューンは、そっちの馬車で帰るよね。」


「うん。

 白金貨5枚ずつなんて、今日は、最高。」


ライレーンと、ライリューンも優勝者を当ててご機嫌だ。

2人は、オリンピュアスと一緒に、エイペロ家の馬車で、寮に帰る。


私は、ヘドファン家の馬車を使って別れて行動する。

まだ、寮には、帰らないからね。


「じゃ、ピクシノビッチさん、行こうっ。」


ピクシノビッチさんと、市場に向かうことにしたのだ。


オリンピュアス大祭で、人が王都に多く集まっているため、各地の名産品が市場に集まっている。


私たちが、狙うのは、フルーツだ。


「じゃ、ここにあるやつ全部♪」


「ちょっ、アリー。

 お店の果物全部って、やり過ぎよ。」


私の大人買いに、ピクシノビッチさん、ビックリ。

でもね、コレ必要だから買ってるんだよ。


金貨20枚ほどかかったけれど、新鮮な果物がいっぱい手に入った。


「梅」

未熟なものは毒だから、注意が必要。あっ、そこの青いのは入れないでね。


「プルーン」

セイヨウスモモだね。これは、果汁が多い品種ね。生で食べるのに向いてる。おいしいそう。


「パイナップル」

香りもいいね。試食っ。あっ甘い。普通のより糖度が高いみたい。これ良さそう。


「さくらんぼ」

品種は、ナポレオンに似た感じ。1個7~8gはあるかな?きれいな赤色だし、良く熟れてる。


「スイカ」

可愛らしい大きさ。小玉だね。シャリシャリしてて、ジューシー。


「マンゴー」

果肉が、ジューシでとろける感じ。味も上品な甘さ。いいのが手に入ったよ。


「パパイヤ」

ここのお店のは、表面に張りと艶があって、ずっしろと重みを感じる。こういうのは、果肉に厚みがあって果汁たっぷりなんだよね。


「桃」

ふっくらしてて、丸くて、香りが強い。これ、上手く使ったらいいのが出来そう。


「ビワ」

皮をむくと、その瞬間に、果汁があふれだしてくるくらいジューシー。甘みと酸味のバランスもいいね。


「ラズベリー」

深い赤色をしてるし、品種は、ウィラメットに似てるのかな?自然な甘さがいいね。


「ブルーベリー」

あっ、思ったより甘いかも。爽やかな甘酸っぱさがいい感じだわ。


「バナナ」

黒くなった所に栄養があるって言うけど、私、嫌いなのよね。黒くなってないやつにしてね。


「杏」

味が濃厚。甘酸っぱさもバランスがいい感じだわ。


「カシス」

カシスの上品な香り。食べても、上品な甘さが口に広がる感じだわ。


「ライチ」

白い果肉が、すごくきれい。ぷりぷりして食感もいいね。


「マンゴスチン」

種が大きいから、食べようと思ったら、のけるのが大変だけど、今回は大丈夫。うん、いい香りね。


「メロン」

形は、どうでもいいから、果肉が肉厚で、甘さのバランスが良くておいしいのを選ばなきゃね。


「いちじく」

わっ、完熟してる。すごく甘くておいしい。この量だと、傷まないうちに食べるのは無理だけど、ここにあるのは、全部持って帰るからね。


「すもも」

プルーンも買ってるんだけど、日本風のすもも、欲しいのよね。あっ、甘いジュースみたい。これおいしいわ。


「みかん」

酸味もそこまで強くないけど、ちょっとほろ苦さがあるかな?甘味もすっきりしてるし、これでいっか。


「梨」

んーと、梨は、絶対、豊水タイプの品種がいい。ジューシーで、奥深い甘さがおいしいのよね。


「びわ」

大粒でみずみずしい。甘さも爽やかだし、これいいな。



フルーツ大量購入っ。

もちろん、このままだと、馬車に積み込めない。


だけど、私には、「取り置きバッグ」がある。

ぜーんぶ、バッグに詰め込んで、馬車へ。


じゃ、美容院に向かうよ。



美容院の名前はボエロ。

ウェンデ(はは)ィの美容院。そして、私の美容院。


馬車は、裏の空き地、古い学校跡(がっこうあと)に とめてもらう。


庭に、さっき買ったフルーツを並べる。


「じゃ、行っくよー。」


「春秋缶詰」は、季節の果物を 放り込むと、缶詰となる魔道具。


ピクシノビッチさんと、2人で、1個の缶詰に詰められるだけ、フルーツを詰め込む。


梅、プルーン、パイナップル、さくらんぼ、スイカ・・・


22個。市場で購入した全部の果物を詰め込むのに、4時間くらい。

もう夕方だよ。


これは、お手伝いにマーガレットを連れてきておけばよかったな。


使った「春秋缶詰」は、22個。

今日貰った「春秋缶詰」は、25個。


3個余ってるよね。

残りの3個は、これだよーっ。


私は、庭に植えてある、野ばらを手に取る。


サンショウバラの ピンクのかかった白い花。

甘くてフローラル。これがウェンデ(はは)ィ。


シロモッコウバラ。

フレッシュで さわやかな香り。イアン(ちち)だね。


野いばら。

さわやかさのある フローラルな香り。もちろん私。


これは、手伝ってもらわずに、私が詰める。


よしっ。3つの野ばらの缶詰が完成。


ずらりと並ぶ25個の「春秋缶詰」。

これを再び「取り置きバッグ」に、詰め込む。


できたー。


「ピクシノビッチさん、お土産 用意できたよ。

 帰ったら、王都に来られなかった みんなで食べて。

 イブコブさんも、プロキシーチさんも、シム監督にも。」


今、詰め込むことが出来ずに残っている果物は、王都に来ている スルプース人だけの東ハルサ代表メンバーで 食べればいい。


でも、それじゃぁ 私たちと戦ったあのメンバーが食べられない。


だから、お土産用に、「春秋缶詰」に詰めて、「取り置きバッグ」で ピクシノビッチさんに 持って帰ってもらうのだ。


最後に、野バラも詰めたのは、香りを楽しんでもらいたかったから。


ナーイスアイディアだね。


ん? あれ? ピクシノビッチさんの顔が暗い。



=== ===== === ===== ===



「アリー、ごめん。せっかく用意してもらったんだけど・・・。

 みんなとは、もう会えないんだ。

 東ハルサでは、内戦が始まってる。」


えっ?


=== ===== === ===== ===

今年、スイカを食べた人は、

高評価を押して次の話へ⇒



蛇足1.



 フルーツ大量購入っ。

 もちろん、このままだと、馬車に積み込めない。



「夏を前に、特産のスイカの収穫が本格的に始まりました。」


というニュースを見て、スイカが食べたくなりました。


気づくと、書いている小説が、果物の話になっていました。



蛇足2.



 「アリー、ごめん。せっかく用意してもらったんだけど・・・。

  みんなとは、もう会えないんだ。

  東ハルサでは、内戦が始まってる。」



スレブレニツァの虐殺から26年

6月8日、ボスニア内戦の元司令官ラトコ・ムラディッチ被告について、虐殺などの罪で終身刑が確定しました。


1992年に始まったのボスニア・ヘルツェゴビナ内戦末期、1995年7月6日、イスラム系住民が多数を占める町スレブレニツァを、ムラディッチ率いるスルプスカ共和国軍や、準軍事組織「サソリ」などのセルビア人武装勢力が急襲。数日でイスラム教徒男性など約8000人を連れ去って殺害したそうです。


第2次世界大戦後に欧州で発生した残虐行為としては最悪のものと言われているそうです。



蛇足3.



そのセルビアの市場売りの果物ですが、


リンゴが、大きな箱いっぱいの1箱で、105ディナール。

モモが、1箱で、120ディナール。

サクランボ、1箱、140ディナール。

洋ナシ、1箱、170ディナール。


1ディナール、1.13円(6月8日現在)で計算すると、200円あれば、おなか一杯果物が食べられそうです。移住したいレベルです。


市場で、金貨20枚も払ったアリーは、どのくらいの量の果物を手に入れたのかと心配になります。


あっ、ぼったくられた可能性もありますね。

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