表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
72/226

2-36.おいしいお米

「エウリュアっ」


ライリューンが、大きな声を出した。


背が高くがっちりとした体格男が、振り向く。


「あぁ、ライレーンと、ライリューンじゃないか。

 あれから、元気にしていたのか?」


「ボクたちは、元気だよ。

 エウリュアは、かっこよくなったねぇ。」


ライレーンが、嬉しそうに答える。


2人とも、仲が良さそう。

小声で、オリンピュアスにたずねる。


「オリンピュアスは、知っている人?」


ん?返事がない。


オリンピュアスは、エウリュアと呼ばれる男性の顔をじっと見つめていた。



[美容師の娘]  【 2-36.一目惚れ 】



パンクラチオン。

「全ての力」を意味する言葉を冠した格闘技だ。


この格闘技は、打撃技と組技の両方が使える。

この競技では、目潰しと噛み付きのみが禁止される。


試合の勝敗は相手がギブアップすることで決せられる。

しかし、多くの対戦者は、ギブアップの意思を示すことを拒む。

このため、勝負の決着が、一方の死を意味することもあった。


「まさか、エウリュアが、パンクラチオンに出るとはねぇ。」


「泣き虫エウリュアでしたもんね。」


エウリュアは、ライリューンとライレーンの幼馴染。

顔立ちは、きれいであったが、体も小さく、泣き虫エウリュアと呼ばれ、近所の男の子たちにいじめられていたという。


いつも、双子姉妹に守られて過ごしていたエウリュア。

ところが、12歳となってあらわれたエウリュアは、すごいイケメン。


背は高くなり、目鼻立ちは、はっきり、筋肉質のいい体。

ん~かっこいい。


彼は、騎士団学校の候補生として、格闘技種目のパンクラチオン学生の部に出場する。


「仲良さそうねぇ。実は、どっちかの恋人だったり?」


ちょっと、2人をからかってみる。


「「それは、ない。」」


あっ、声が揃った。


「さすがに、エウリュアは、無いよね。」


「まぁ、エウリュアですから。」


ライリューンとライレーンは、厳しい採点。


「らしいよ。良かったね。オリンピュアス。」


「な・・何が良かったですの?」


「ん-ダメだねぇ。

 だって、オリンピュアス、ずーっと目がハートだよ。

 エウリュアの顔をじぃぃっと見てるし。」


「そ・・そんなことございませんわ。」


「そう? じゃ、パンクラチオンは、見に行くのやめる?」


「え? あの・・・。いや・・・。

 も・・・もちろん行きますわ。

 親友の幼馴染ですもの。

 応援して差し上げないとダメですものね。」


「飛翔師学院からも、代表が出てたような気がするんけどね。」


「そちらは、知り合いではございませんもの。

 ライリューンとライレーンの方が大切ですわ。」


顔を赤くしたオリンピュアスを、みんな生暖かい目で見ていた。


「そうなんだって。

 ライリューンとライレーン、大切にされてるよ。

 オリンピュアスに。」


ライリューンとライレーンは、オリンピュアスを見てクスクス笑う。


「エウリュアは、6倍ですわ。

 わたくし、彼に白金貨10枚です。」


誤魔化すように、オリンピュアスが声を上げた。


「オリンピュアス、とりあえず貴賓席についてからにしよ。」


「ここで、白金貨なんて出さないでよね。」


会場入り口近くで、馬車を降りることになった私たちは、一般入口とは別の要人専用入口へ案内されている所。


こんなところで、お金出そうとしないでよね。

でも、要人扱いするなら、馬車を乗り入れさせてほしかったね。


いま、オリンピュアスが、ちょっとおかしいし。

恋する乙女になってるから。


会場が、それほど大きいわけではないので、馬車の乗り入れが難しいらしい。


あら? 入口に 「 V I P 」 って書いている。

この世界でも、VIPっていうんだね。


階段をのぼり、貴賓席へ。

競走馬スタディオン走の貴賓席より、ちょっと狭い。


あら?パンクラチオンの冊子だけじゃなくて、何かある。


メニュー表と注文票?


あら、ここ食事も頼めるのね。

ぱらぱらと、メニュー表をめくる。


あぁ白いご飯がある。お米~。


西のヘドファン伯爵領だと、お米は、一般的なんだけれど、王都だとあまり食べられない。


これは、頼まなきゃ。


「みんなも、食べる?」


「「うん。」」


ライリューンとライレーンの声が揃った。


「わたくしは、必要ないですわ。」


あら?オリンピュアス食べないの。


ん-オリンピュアスに一番食べてほしかったのにな。



=== ===== === ===== ===




いや、おコメの銘柄が、「ひとめぼれ」だったから だけどね。




=== ===== === ===== ===

格闘技が得意な人は、高評価を押して次の話へ⇒


蛇足1.


格闘技は、競技の分類の一つで、球技、陸上競技と同じレベルの表現。


らしいですね。


球技と、格闘技が一緒だとは思えないんですね。

武道系競技が、スポーツと同じレベルで語られるとちょっと違和感があります。


でも、実際にやっているひとからすると、違うのかな?とも思います。


どうなんでしょうね。


蛇足2.


V I Pって、どういう意味なのかな?って思いました。


Very Important Person


かなり 重要な 人物。


んー。ベリー インポータント パーソン って言われたら、なんか軽くなったように思います。VIPの方が、要人ぽいですね。


蛇足3.


ひとめぼれは、イネの品種の1つ。


別名東北143号。

宮城県にある古川農業試験場で、コシヒカリと初星の交配から育成されました。


イネの耐冷性を上げるために作られた品種だそうです。


そういえば、昔って、冷害で不作ってあったらしいですもんね。


良く知りませんけど。


と、いうことで、ウチのお米は・・・コシヒカリ。


なんですけど、


ひとめぼれ をもらったんですよね。5kg。


食べ比べてみようかな?って思ってます。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ