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2-24. 第二王妃 パオラ・ルッカラ・ディブリア

第二王妃 パオラ・ルッカラ・ディブリア。

飛翔師兵である 貴族フコル・ルッカラ・ディブリアの 娘。


本人も、飛翔師兵として 夜間飛行に 熟練。

伝説の飛翔師兵、イヴァナフレートの 後継者と 言われた。


その後、現国王アティゴス1世に 見初められ、王室に入る。

2年後に懐妊。 第2王子フィリップスが 誕生する。


パオラ妃は、我が子フィリップスを 王太子として 擁立することを 望んでいる と 言われる。




[美容師の娘]  【 2-24. コロコロ転がるチョコレート 】



パオラさんって キレイね。

ちょっと 頬がこけて、目に隈がある所も 不思議な色気に見える。


で、泣き虫王子は、ママに、引っ張って こられたのね。

待機席から、こちらに 連れて来られ、凧を 背中に つけている。


あっ 羽って 言うんだった。

あぁでも、アレックスが 羽つけるより、フィリップスが 羽をつける方が 似合ってるかも。


顔立ちが 幼い子の方が、可愛らしいもん。


「風魔法だけに、集中しなさい。 羽にぶつけるのよ。」


パオラ妃が、フィリップスを 指導してる。

けど、ダメね。羽は ユラユラ揺れるだけで、浮く 気配もない。


と、言うことで、パオラ&フィリップスのせいで、授業が 止まっている。


そうよね。

王妃が出てきて、王子を指導してたら、普通、近寄れないもの。

王子なんだから、アレックスが、止めればいいのに。


「パオラ、そろそろ 授業が 終わりだ。

 そこまでに しないか?」


ポンッと 紙包みを投げ、イヴァナさんが、声をかける。


ナーイス キャッチ。

小さな紙包みを 右手で キャッチした パオラさん。

包みを開け、口に放り込む。


「イヴァナさん。いらしてたのですね。

 フィリップスに 指導して くだされば よかったのに。」


「ヘドファン家の娘が 居たのよ。そちらを 優先っ。」


「そっちの 小さな子ね。」


パオラ妃が、私を 見ている。


私は、小さく 頭を下げ、1歩 下がった。

そぉっと 目立たないように。


「私より すごい。才能の塊。

 さすが ヘドファン家と 言った ところね。」


イヴァナさん、背中を 押さないで。

1歩 下がった はずなのに、2歩 前に 押し出された。


イヴァナさんが、小さな紙包みを 2個 取り出した。

1個を 私の手に、1個の包みを開き、自分の口に 放り込んだ。


「授業を がんばった ご褒美っ。食べていいわよ。」


包みを 開ける。ピンク色の かわいらしいチョコ。

右の手の平で コロコロ 転がす。

おいしそうね。 王妃の前だけど、食べちゃって いいかな?


チラリと、パオラ妃を 見る。


「イヴァナさん、いまから お茶会はいかが?

 あなたも いらっしゃい。」


「そうね、アリー、一緒に 行きましょう。」


えっ? 体が引っ張られる。 ぐぃっと 強引に。

後ろから 左腕を 掴まれたのだ。


「アリー。 こっちへ 来い。」


ちょっと、アレックス 痛いよ。


「パオラ様、アリーは、私の 婚約者です。

 この後、少し 予定が 入っておりますので、失礼いたします。」


「イヴァナさん。 また今度。 失礼いたします。」


パオラ妃と、イヴァナさんに 頭を下げる。


もぉ、勝手だわ。アレックス。

お茶会を 断れたのは よかったけど・・・。


「イヴァナフレート。

 それを、学院生に、広げるのはやめろ。

 今は、それを 使うような 時代ではない。」


「ふーん? パオラは、普通に 使っているわよ。」


「私は、それを認めない。アリーにも渡すな。」


「あらあら、過保護だこと。

 よっぽど 大事にしているのね。このお姫様を。

 でも、あなたの 手に 負えるような 子じゃないわよ。」


「ふん。アリー行くぞ。」


アレックスは、私の 左腕を 離さない。

まぁいいや。 チョコを 口に 放り込む。


って、アレックス。


「それは、食べるな。」


コロコロと 転がるチョコ。

アレックスが、チョコを 弾き飛ばしたのだ。

もったいない。


アレックスが、チョコを拾った。

私の 右手の包み紙を つまみ上げ、包み直す。


きちゃない。

落ちた物は 3秒以内に 拾っても 食べられないよ。


「これは、飛翔兵の糖だ。人を 駄目にする。

 絶対に 口にしてはならない。」


ん?「飛翔兵の糖」聞いたことあるね。

ナカヨシ教授の研究室。チラシとか、資料があった。


「なんで、ヒトをダメにするの?」


アレックスが、チョコを握りつぶした。

目が怒ってる。


「これを 口にした者は、夜間も 眠らず 戦闘が 出来る。

 覚醒の魔法によって 戦う帝国兵士 のように。」


いいことじゃないの? 寝ないで 戦えるなら。


「使えば、疲れが とれて スッキリする。

 仕事の効率も、あがる。ストレスからも 解放される。」


わぁ、いいことだらけじゃない。


「しかし、使い続けることで、出現する妄想・幻聴・幻覚。

 これは、摂取 中止後も、慢性的に あらわれる。

 そして、使い続けると、強い精神依存が 形成される。

 行きつく先は、廃人だ。」


あっ、それ覚せい剤。 ダメなやつだ。

しかも、それを チョコに 仕込むなんて。

子供が 食べちゃったら どうするの。


アレックスが、うっとおしそうに、汚れた 手を振る。

イヴァナさんに 貰った 潰れたチョコが 転がり落ちた。


ってことは、イヴァナさんや パオラ妃は、依存症?


「2人だけではない。一時代前の 飛翔師兵は、ほぼ全員だ。

 今も、上位の者が、新兵に 褒美として 与える。

 今の、飛翔師兵団は、中毒者だらけだ。」


ヤバっ。絶対に 近寄りたくない。

お茶会に 参加しなくて、本当に 良かったわ。


「私は、これを 開発した ナカヨシ教授を 許さない。」



=== ===== === ===== ===




え? これ開発したの ナカヨシだったの?




=== ===== === ===== ===

ネット接続が不安定になったことがある人は、

高評価を押して次の話へ⇒


あれ?

ネットにつながらない?

と言うことで、更新できませんでした。

ってなりそう。


復旧作業中。出来るかな?


できました。

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