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2-19. ミジカイ・ナカヨシ・アンターナッハの基礎魔法薬学

ミジカイ・ナカヨシ・アンターナッハ。

ハチスカ王国出身の 学者である。


薬品製造、砂糖精製、電気メッキ、銃、大砲など、多岐に わたる

研究に 明け暮れる 青年期を 過ごした。


そして、ハチスカ王国の派遣留学生として、プロセム王国に留学。


プロセム王国の ルリンベ大学で 化学を研究し、学位を得る。


ルリンベ大学では、タフマン教授に ()われて 私設助手となり、そのまま プロセム王国に13年間 滞在した。


妻テレサと、結婚したのは、この頃 である。

その後、王立 飛翔師 学院に()われ 教授に 就任した 彼は、フルーク王国の 都ソアーに 居を(きょ )構えた。


現在は、王立 飛翔師 学院 の 筆頭教授を つとめる。




[美容師の娘]  【 2-19. ナカヨシ教授との お茶会 】




「飛翔師兵団において、薬品の扱いに 熟練す(じゅくれん )る者は、必須だ。

 火薬を 扱うにしても、治療のための 薬を 扱うにしてもだ。

 諸君の中には、戦うことに 意義を 見出す者も あるだろう。

 しかし、戦うため には、支える人間も 必要だ。

 初年度、私は、魔法薬学の基礎を 教える。

 自分に 適性がある と思った者は、この道を 進むがよい。」



基礎魔法薬学。 先生は、ナカヨシ教授だ。


ナカヨシ教授の 講義は、魔法を使った 薬の 扱いに ついての話。


私が、のばらから、香りの成分を取り出し 石鹸を作ったやり方も、

この講義の 内容に つながる。


ちょっと、面白そうだな。そう 思いながら、授業を 受けた。


でもね、受けてみたら、基礎って 面白くない。

具体的な 話が、ほとんど 無いんだもの。


つまらなくなって、窓の外を 眺める。

晴れていて 気持ちよさそう。


今日も、座学の 講義が 午前にあるだけ。

お昼からは、何も 予定がない。


アレックス、遠乗りに 連れて行って くれないかなぁ。


あっ、授業終わっちゃった。最後のほう、全く聞いてなかったな。


あー眠い。 あくびが出そう。


「おぬしが、アリーじゃな?」


講義が 終わった後、ナカヨシ教授に、声を 掛けられた。


「はいっ。とっても 素敵な 講義でした。」


目を こすりながら 答える。 たぶん きっと 花粉症ね。


「テレサから、話は、聞いておる。

 午後の時間が 空いておるなら、研究室で 話をしたいのだが。」


えー。 テレサさん? 知り合い?

そういえば、呼び捨て だったよね。


「テレサは、わしの 妻じゃ。」


似合わないよー。 あんなに美人なのに テレサさん。

なんで、ナカヨシ教授を、選んだんだろう。


こうして、遠乗りは 無くなり、ナカヨシ教授との お茶の時間が

スケジュールに 組み込まれてしまった。


テレサさんと お茶会なら 良かったのにね。



******************************



「ほれ、こっちじゃ。」


「お邪魔 しまーす。」


紙の資料で いっぱいの 部屋ね。 何の研究 だろう?


「これは、バニリンの 研究資料 じゃよ。

 おぬしが、バニリン石鹸を(せっけん) 作ったじゃろ。」


あぁ。 バニラの匂いの やつね。

でも、バニラの石鹸の 名前は、バニリン石鹸 じゃないよ。

『テレサ石鹸』だよ。


「そうじゃな。 名前を付けたのは、おぬし だったな。」


そう、素敵でしょ?


「のばらの香りに ついても、素晴らしい。

 で、聞きたいのじゃが・・・。」


ナカヨシ教授は、なにやら 石のついた器具を 取り出した。

軽く振り、ドアの方に 投げる。


傍聴を(ぼうちょう )防ぐ 魔道具じゃよ。 外は、気にせずとも 良い。

 この部屋は、魔道具で 守られておる。

 敵が近づけば、壁の時計も 光るように なっておる。」


聞かれちゃ ダメな話? お金の話かな?

テレサさんに 聞かないと 分かんないよ。

会計は、私、完全に テレサさんに 任せてるから。


「あの石鹸は、おぬしが 作ったもので 良いのじゃな?

 他の者の 手は 入っておらぬな。」


う・・・うん。 何?怖いよ。 顔を 近づけないで。


「では、おぬしは、わしの 助手とする。」


はぁ?


「わしは、おぬしに 魔法薬学を 教えよう。

 おぬしは、その知識を もって 研究に 協力せよ。」


いやいや、勝手でしょ。

私、このあと 美容師になる 予定だし。


「かまわぬ。それまで 助手を すればよい。

 必要なら、美容師になる 手助けを、テレサに させよう。」


あっ。 それいい。 テレサさんが 手伝ってくれるなら 安心。


ナカヨシ教授の、研究室は、資料の束で いっぱい。

だけど、雰囲気は、いい。

おいしい 紅茶も、おいしい お菓子も ある。

私も、飛翔師学院で やること 決まっている わけじゃないし、ここの 研究室で 遊んでいるのも いいかも。


いいよ。 出来ることなら 手伝うよ。


「そうか、研究室には、自由に出入りしてよい。

 ただし、研究中は、傍聴を防ぐ 魔道具を使うことを忘れるな」


ほいっ。 契約成立だね。

美容師になるの 手伝うの 忘れちゃ だめだよ。


と、いうことで、私は、書類の整理を することにした。

なんでかって? それは、私の部屋を ここに 作るため。


たくさん 部屋は あるんだけれど、書類と 実験材料でいっぱい。


書類を、箱に詰める。 ぽいっ。 ぽいぽいっ。

内容? 気にしないー。 後で まとめて 整理するもん。


実験材料は、なにが、何だか 分からない。

とりあえず 1個ずつ 木箱に 丁寧に 詰める。


じゃ 書類の 整理ね。

同じような単語が 最初に あるものは、テーマが 一緒って 分類。

違ったら、ごめんねー。


1枚ずつ 風魔法で、箱に 分類しながら 飛ばす。

んー。 箱が 足りなくなる。 どれだけ 資料があるのよ。


「ねーねー。 ナカヨシー。 箱が足りないよー。」


もう、面倒だから 呼び捨て。

テレサさんも 呼び捨てに してるし、いいや。


「ほれ。」


わっ。地面から 箱が いっぱい 出てきた。 何これ?


「土魔法じゃな。 書類を 保存するだけなら 十分じゃろう。」


あぁ。 私、土魔法、苦手なのよね。 出来なくは 無いけど。

土魔法は、全部、イアンに やって もらってたもん。


新しく作ってもらった箱に、書類を飛ばす。


そして、箱の外面に 共通する単語を 記載して 分類。

「バニリン」「勇者草」「魔王草」「ヒロパノス」「飛翔兵の糖」


ん?「飛翔兵の糖」って、これ商品 チラシまで 入っているね。

わぁ、カラフルな チョコレートっ。 おいしそう。

ナカヨシって、お菓子にまで 手を 出してるのね。 すごいな。


たぶん、テレサさん、儲けて いる んだろうなぁ。

あれ? アンターナッハ商会 じゃないや。

あそこは、お菓子は、扱わないのかな?


3時間ほどかけて、100個以上の箱が、きれいに棚に並んだ。

ほら、すごいでしょ。


「おぉ、まさか 5部屋も 空いた部屋が 出来るとは。

 よし、おぬしには、2部屋 与える。

 実験室と、控室として 使うがいい。」


おぉ、太っ腹。

って思ったけど、5部屋中 2部屋って、半分以下。

まぁいっか。 シンデルラララ城以外に お部屋ができたんだから。


その時、壁にかかった 時計が 赤く光った。


「敵意を 持った 人間が、こちらに 近づいておるな。」


敵意? やだよ。 私が 居ないときに 来てよ。 そういうのは。


ガチャリ。 ドアが開く。


「アリー。 大丈夫か?」



=== ===== === ===== ===



ん? アレックス? いきなり 飛び込んできて、どうしたの?


何か あった?



=== ===== === ===== ===

魔法薬学は、スねイプ先生が、担当すべきだと思う人は

高評価を押して次の話へ⇒


蛇足1.

1-8.テレサさんは 美人 を投稿したのが12月21日。

3か月かけて、ナカヨシ教授を登場させることが出来ました。

まさかこんなに時間がかかるとは。

ものを書くって難しいですね。


このあと、蛇足2.がありましたが、その書き出しは、


3月24日は、世界結核デー。

そういえばBCGワクチンが、コロナに効くとかいう話は、いつの間にか報道から消えて・・・


でした。


このあと、蛇足3.がありましたが、その書き出しは、


1999年3月24日、コソボ交渉決裂でNATO軍がユーゴスラビアを空爆しました。


「NATO STOP STRIKES!」(なとーは、空爆をやめて。)これ、どこかで聞いたことがあるセリフで・・・


でした。

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