2-13. 【挿話】 ウエンディの独白 9
無邪気にはしゃぐ娘が、私の手を引く。
空は晴れ、光が降り注ぐ。
コトリコトリと鳴る靴の音は、私の足が 奏でる音。
パタパタパタと、はしゃぐ アリーの靴は、鳴らす。
初めて 教会に 向かうことが 出来るのを 喜んでいるのか、
それとも、私と一緒に 外出できることを 喜んでいるのか。
アリーは、いつもより ご機嫌。
そして、私は、この後の 面会を思うと 不安でいっぱいだ。
やはり、やめたほうが 良かったのかもしれない。
[美容師の娘] 【 2-13. アリー空を駆ける 】
「そうね、着替えて いらっしゃい。」
少し考えてから、アリーに告げた。
昼食を、イアンと食べるように言うと、いつも通りの行動。
「ママと 出かける。」と 無邪気そうに言う、アリー。
きっと、分かっている。 この子は、それほど 無邪気ではない。
連れて行って もらえないと 分かって こう言う アリー。
連れて来ない 会えないるだろうと 考えている ピーター。
親子の見えない 繋がりが あるのかもしれない。
お昼からは、イアンは、ガネッセ老人と 出かけるはず。
夕方までは 帰らないだろう。
連れて行こう。 不意に そう思った。
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教会は、多くの人で あふれていた。
いつものように、金のプレートを 受け取る。
「お嬢様に 神の加護が ありますように。」
アリーにかけられた 受付での祝福の 言葉。
本当に 神まで 届いてほしい。
ビックリした。 像の前で、ピーターが 待っていたのだ。
初めての 経験。
祈りを 捧げる。
ピーターが、アリーを 気にしているのが 分かった。
「この子が アリーだね。」
アリーは、私のスカートを握り、後ろに 隠れようとした。
「もうすぐ 7歳に なります。」
私が、うなずいて 答えると、そっと顔を出して 横に並んだ。
敏い。 カンの いい 子だ。
私が、ピーターと 面会するため、毎週、教会に 来ていることに
気づいたのだろう。
「あちらの 部屋で 署名を お願いします」
アリーは、取り繕って、頭を下げたり、笑ったり している。
けれど、ピーターのことを 警戒している。
おかしなことに なる前に、避難させてた ほうが よさそうね。
「アリー、そっちの 中庭で 待っていてね。」
移動し、免罪符に 署名を する。
あれ? 今日は、金のプレートを 返していない。
いつもは、小さな 宝石箱に 返却している 金のプレート。
これが 手元に 残ってしまっていた。
返さなくては ならない。
私は、あわてて、ピーターの部屋に 戻った。
居ない・・・。
いつもなら、部屋で 椅子に掛けているはずの ピーターが居ない。
私は、何も考えずに、中庭に 飛び出した。
アリー?アリー?
きょろきょろと 首を振り 娘を探す。
居た。ピーター。
え? 何を見ているの?
何をするでもなく、上空を 見つめるピーター。
どこ? アリーは?居ない。
ふと、ピーターの 視線を追った。
噴水の向こう。
スカートを 押さえながら、空から舞い降りてくる天使・・・。
ピーターを 追い越し、慌ててかけていく。
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天使は、お転婆な 娘の顔をしたまま、気まずそうに 目を合わせ、
そして、ふっと 横に 目をそらした。
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