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2-02. 白馬に乗った王子 1

手紙が、帰ってくるのは、たぶん 1ヶ月後。


ヘドファン 伯爵領は、王国の 一部 では、ある。


でも、独立国かな?

自治区って 言った方が いいかも しれない。

王都 とは、郵便の システムが、ちょっと 違う。


その上、王都と、西の 辺境は、距離が ある。


あぁ。

手紙が、帰ってくる まで、本当に 暇ね。



    [美容師の娘]  【 2-02. 練習する お子ちゃま 】



私は、あの 詐欺し・・・じゃなくて、ガネッセ(老代官)に 手紙を 書いた。


怖いのよね。

誓約書(せいやくしょ)とか、サインした 書類が。


 最低 1年間は、学院に 在籍するように


今、分かっているのは、コレだけ。


何を、やっていいのか。

何を、守らなきゃ ダメなのか。

ハッキリ させて おきたい。


でも、待っている 時間が、暇。


やることが 無いわけでは ないのよ。


なんて いうんだろう?

手紙が 気になって、他のことが、手に つかないのよね。


あぁ、そういえば、

ベル(愛馬)は、どこに 居るかな?


こっちに 来てから、ベル(愛馬)に 会ってない。


そうなの? もう、厩舎に いるの?


ベルー、いま 行くよー。



*** **** *** *** **** ***



すごく 広い 馬場ね。

ここなら、ベル(愛馬)を 軽く 走らせて あげることが 出来そう。


今は、誰も いない もんねー。

鐙に(あぶみ ) 足をかけ、ピョンと 飛び乗る。


んー。ちょっと狭いね。

周回しか できないや。


大きいと 思った 馬場も、馬を 軽く走らせると なると

そう広くは、感じない。


ん?なんだろう?

集団が、やってくる。


邪魔だな。

走る 場所が 狭くなる。


敷地の 外に 出られないなら、貸し切りに したーい。



*** **** *** *** **** ***



ベル(愛馬)が、暮らしている 厩舎は(きゅうしゃ )、とっても 豪華だった。


これ、下手したら 普通の人が 住む家より いい所じゃない?


わぁ。 高そうな 馬が いっぱい。


あの 白馬なんて、ペンキで 塗ったのかと 思うくらい 真っ白。

キレイだねー。


ベル(愛馬)が、不満そうに 鼻をならす。

あぁ、違うよー。

ベルが、一番 キレイ だよー。


ベル(愛馬)の 鼻を ()でて ご機嫌を とる。


学院の外には、出てはいけないと 言われている。

どこか 走らせる場所が ないか、厩務員(きゅうむいん)の人に 聞いた。


馬場と 呼ばれる、ちょっとした プライベート用の 広場が 2個 ある とのこと。


片方は、高位の 貴族用。

片方は、一般の 貴族用。


おーい。

一般人用 は、ない のかいっ。

普通の人の 私には、使いづらいね。


仕方ない。 一般の 貴族用に 行くかな。


え? そうなの?

高位の 貴族用の 馬場は、あまり 人が いない?


あっ、そっちが いいや。


え? 普通の人?

私、ヘドファン伯爵家。

高位の 貴族様 だよー。


広い所で、ベル(愛馬)を 走らせて あげたいものね。



*** **** *** *** **** ***



高位の 貴族用の 馬場には、誰も おらず、

普通に 馬を 走らせるのに 十分な 広さだった。


私と ベル(愛馬)には、狭い けどねー。


あぁ、人が 来る。


仕方が ない。

ゆっくりと、スピードを 落として (あゆ)みを とめる。

馬も 降りて おいた方が、いいかな?


あぁ、あの 白馬だ。

たっかそうな 子。


まぁ、高位の貴族様用の 場所 だからねー。


「お前は、何者だ。

 こちらに おわすのは、第2王子

 フィリップス殿下で あられるぞ。」


お付きの お兄さんが、小さな 子の 前で (わめ)いている。


「私は、アリーです。」


「だから、何者だ。

 よいか、フィリップス殿下の 御前だぞ。」


「アリーです。」


「ふざけているのか?

 王家を バカに するのか?」


「アリーです。」


「・・・」


あっ 黙った。

私の 勝ち だね。


「アリーとやら、こちらで 何を していた?」


いや、馬を 走らせてた だけ ですけど?


王子様の ほうが、権威的 じゃないのねー。

物腰が やわらかい。


「私は、今から 馬に 乗る 練習を 始める。

 申し訳ないが、この馬場の 半分は 貸し切りに させてもらう。

 あちら 半分を 使ってほしい。」


あら?

全面 貸し切りに しないのね。

普通、王子とか 言ったら、

私は、一般の 貴族用の馬場に 移動させられ そうな ものなのに。


この子は、いい子ねー。


何歳 なんだろ?

って 10歳。

同い年 だったのね。


ま、いいや。

じゃ、私は、向こう 半分 使って ベル(愛馬)と 遊んでいよっと。



へ ・ た ・ く ・ そ。



どうやったら、

ただ 歩いているだけの 馬から 転げ落ちることが できるんだろう。

フィリップス王子の 乗馬能力は、あまりに ひどい。


んー あれは、どうも 馬を 怖がって いるん じゃない かなぁ。


ベル(愛馬)と、ピョンピョン 跳ねて みたり、

ストップ アンド ゴーを 繰り返して みたり していても、

王子の 乗馬練習の 光景は、目に 入る。


あれは、ちょっと 無理が あるよね。

たぶんだけど、ずっと 乗れるように ならない 気が する。


馬を 怖がる所から 直さないと ダメよね。

お付きの人 いっぱい 居るんだから、手伝って あげれば いいのに。


あら?

乗れてる。

普通に 歩くだけの 動き だけれども、落馬 していない。


まぁ、当たり前 なんだけど。

歩いているだけで 落馬するって あり得ないもの。


わぁぁ。

危ないっ。


フィリップス王子を 乗せた 白馬が、突然、駆けだした。

お付きの 人たちが、追いかけようと する。


無理でしょ。

追いかけるなら、誰か、1人 馬に 乗っていようよ。


馬に 人が 走って 追いつこう って 思う所が、ちょっと マヌケよね。

私、もう 下馬していた んだ けれど、

もう 一度、ベル(愛馬)に またがって 追いかける。


王子様、もう、首に しがみついてる だけ。

かっこ 悪いな。

10歳の お子ちゃま だから 仕方ない けれども。


あっ 同い年 だった。

ちゃんと 落ちないように、しがみついて おくんだよー。


こういうことを 言うと、だいたい 次に 起こることは、予想 できちゃう。


予想は、悪い方に 当たるんだけどね。

白馬は、突然止まり、前脚を 上げた。


両脚とも・・・。


馬が、突然 止まった上に、後ろ脚 立ちに なって しまった もの だから、

フィリップス王子は、当然、空中に 跳ね 飛ば される。


わぁ、良く 飛ぶなぁ。

あの ボール(王子様)


ベルー、ちょっと 自分で コントロール お願いねー。

私は、ベルの 背中から ピョーンと 飛びあがった。


風魔法を 優しく 真下に 放つ。

ふわり と 体が 浮く。

風の力を そのまま 強くする。

飛翔 魔法 だ。


ナイスキャッチ。

宙を 飛ぶ ボール(王子様)を キャッチした 私は、そのまま 着地した。


気を 付けてよー。

ケガ しちゃうよ。

あんな 乗り方 していたら。


って、泣いている 王子。

涙と 鼻水で、顔が ぐちゃぐちゃ。



=== ===== ===



あぁん。

私の 胸に 顔を 押し付け ないでー。


服が 汚れちゃう。



=== ===== ===

白馬に乗った王子様がいつか迎えに来てくれる。

そんな素敵な夢をお持ちの人は、

高評価を押して次の話へ⇒


白馬ってなかなか居ないですよね。


王子の馬は、キレイな白毛ですが、葦毛の馬が

お年を召されて、白くなったものに乗っています。


年を取って、大人しい馬は、若々しい暴れ馬より

乗馬の練習に向いていますので。

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