2-01. サギ 2
騙された。詐欺だよー。
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馬車が、学院に 入ろうと する。
んー。
1回 美容院の方、お家に 帰りたかったん だけどね。
私は、学院の 寮に 入ることに なるので、そちらが 先なのだろう。
ん?
ずいぶん 建物が 大きい。
えーと・・・
おうりつ?
え?ちょっと?
間違ってるよー。
[美容師の娘] 【 2-01. 王立 飛翔師 学院 】
王立 飛翔師 学院。
王国の 飛翔師兵と その指揮官を 養成する 学院。
王国中から、才能あふれた 若者が 集まる。
血筋の 優れたもの。
魔法の 優れたもの。
勉学に 優れたもの。
体術に 優れたもの。
その どれをも 兼ね備えた もの。
エリートたちが むき出しの 若い才能を ぶつけあう 場所である。
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ちがーう。
私が行くのは、美容師 学院。
ここ じゃない。
馬車を 止めてっ。
って、侍女さん。
あなた、ちょっと トロい 抜けてる子 だったの では?
とんでもなく 素早い動きで、私の 動きを 制する 侍女。
そして、懐からから、手紙を 取り出す。
ガネッセ様 から でございます。
「アリー様、王立 飛翔師学院への ご入学 おめでとうございます。」
いや、私が 行くのは、美容師 学院だし・・・。
「願書の 提出を 行ったところ、学院からも 大歓迎との 事です。」
願書の提出?
ああぁぁ。
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ガネッセの言葉は、難解。
「ひょれでは、ひょうりつひひょうがくひんに
ひゅいんがくひゃれるのでひょろしいですね。」
これを、翻訳 したら、
「それでは、王立 美容師 学院に
進学される ので よろしいですね。」
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やられた。
お・・王立・・・。
王立 飛翔師 学院・・・。
王立 美容師 学院・・・。
ぜーったい、わざとだ。
最後、ちゃんと しゃべってたもん。
ガネッセ。
「飛翔師学院 には、才能 あふれた 若者が 集まります。
おそらく アリー様は、その中でも 圧倒的な 力を お持ちです。」
いや、関係ないし。
私、通わないもの。
「アリー様は、血筋に 優れ、魔法に 優れ、体術に 優れておられます。
また、金の 教会プレートを 所持する者 であります。」
ふーん。
美容師学院って、今からでも 願書提出 できるのかな?
「教会は、ある 部分 では、王家すら 圧倒します。」
そだねー。
すごいねー。 きょーかい。
代書を 仕事としている 書士がいる って 言ってたよね。
美容師学院の 願書を 書くのを 頼めるかしら?
「王立 飛翔師学院には、
現在、王太子が 在学しております。
殿下と 仲良くしていただき、
教会の 干渉からの 守り手と なっていただきたい。
王家から、ヘドファン伯爵家に、かような 要請も、届いております。」
王太子さんが、通っているんだねー。
そうそういえば、明太子の パスタが、食べたいなぁ。
パスタに たらこ と バター が、乗っているやつ。
和風で、きのこが 入っていて、きざみ海苔が ちらして あるのが いいね。
えーと、ベルは、どこに 居るかな?
私、あの子に 乗って、今日は、美容院に、帰る からねー。
「なお、署名を いただいた 書類通り、
最低 1年間は、学院に 在籍して いただくことに なります。」
ん?署名?
しょ・・・ 署名ぃぃぃ。
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「こちらに サインを。(翻訳済!)」
ガネッセから 渡される 書類に サインする。
何枚 サイン する 必要が あるの!
多すぎない?
「誓約書など も ありますので。」
あー なんか 高校入学の 時も あったね。
誓約書とか、親戚の人に 連帯保証人とか 書いてもらうの。
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せ・・・誓約書。
書いたね。
でも、私、金の教会プレート 持っているし・・・。
それ、反故に しても、許される 気がする。
「誓約書は、飛翔師学院に 提出されております。
学院は、王立でございます。
これを 破りますと、王家に対する 侮辱の罪と なります。
場合によっては、反逆の 意思ありと、とられますので
お気を付けください。」
ちょっと。
だから、私、金プレート持って・・・。
あっ。
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「プレートが、許すのは、王国の教会や 教会関係者に対する 罪です。
くれぐれも、お気を付けください。」
要するに、
ヘドファン伯爵家は、ほかの 貴族に 対して優位。
ただし、教会と、王家に対しては、その神通力は、効かない。
金色のプレートは、教会に対して 効果がある。
ただし、ほかの貴族や 王家に対しては、その神通力は、効かない。
ってことだね。
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もしかして、王家に 対しては、金プレートの 神通力は、効かない?
怖いよ。
何に サインしたんだろう。 私。
10枚くらい 署名した 記憶が ある。
ふっと、顔をあげると、お付きの 侍女さんが、ニヤリと笑っていた。
見たよ。 いま笑ったよね。
ぜーったい、笑った。
知ってたでしょ? あなた。
「寮に つきました。
アリー様、どうぞ お手紙は、お部屋で お読みくださいませ。」
りょ・・寮?
あのー。 この シンデルラララ城の こと かな?
寮って・・・。
どこか ネズミーランドの お城の ような、おとぎ話の中の お城。
私の 部屋は、居住区の 最上階・・・ワンフロアで あった。
どこの 貴族様なのよー。
って、伯爵家だったね・・・。
頭が おかしく なりそう。
運び出された 荷物が あっと言う間に 部屋に 運び込まれていく。
馬車の どこに あんな いっぱいの 荷物を 積んで いたんだろう。
ふぅ。
ぴょんっと 椅子に 飛び乗る。
あぁ イライラ する。
更年期 かしら、私。
お部屋で、お茶を 飲みながら 手紙を 読んでも 落ち着かない。
ガネッセは、私たちが、王都ソアーから
クハラーナの村に 移動した 当初から あの しゃべり方だった。
ガネッセが、普通に しゃべり始めたのは、
全ての 提出書類が 用意できた 瞬間から。
わるーい 笑みを 浮かべていた ミラドールが、かわいらしく 思えてきた。
悪魔的 行動。犯行が、中長期で 計画的 すぎるよ。
本物の 悪魔・・・としか 思えないわ。
ガネッセ。
んー やられた。騙された。
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お巡りさーん、捕まえてくださーい。
あの人、詐欺師だよー。
えーん。
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1-37. サギ 2 ___✍
ふぅ。 序章 長いなぁ。
あれ? もう 学院に 入ってる?
じゃ、2章じゃない?
ということで、2章 突入です。
おめでとうございます。パチパチパチ。
書いているときは、気付きませんでした。
学院の 敷地に 入ったら 2章でしたね。
投稿する前に 気づいた 私、えらい。
ところで、シンデレラ城 みたいな ものは、
どこまで 自主規制すべきなんでしょうね?
全然 わかりません。