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1-36. サギ 1

王都に 向かう 馬車の旅。


その 道沿い には、川が 流れる。


そして、川の流域に 広がる 大きな 湿地帯は、緑に (おお)われて いた。


水面を 埋める 緑色の 植物。


パピルスと 呼ばれる 植物だ。

ここでは、自然のまま 湿地に 浮くように 繁茂(はんも)している。


王国の 開発も、この場所には、それほど 届いて いない。


パピルスで、紙を 作ったら 儲かる かなぁ。



    [美容師の娘]  【 1-36. シラサギの羽 】



あっ ワニだ。


水の民が 住んでいる。

湿地帯 付近で、水牛を 飼い、ボートで 移動して 暮らす。


もちろん、ワニに 襲われることも ある。


んー。 ちょっと 怖いけど 湿地帯の 緑が キレイ。

船で 観光 できない かな?


借りてきて もらったのは、水の民 の 船。

6人乗りの、アラビアンナイト みたいな 伝統的な船。


魔法の 絨毯じ(じゅうたん )ゃ ないよ。

普通の 船だよ。


お付きの 侍女が、付いてくると 言う。


んー 邪魔なんだけどね。

仕方ない。

じゃ、()いでっ。


って 無理だよねー。

6人乗りの 船なんて、女の人 1人や 2人で ()げる わけが ない。


船の 最後尾に 移動する。

じゃ、ちゃんと 掴まっていてね。

振り 落とされ ちゃうよー。


右手を 船の外に、ちょっと だけ 出す。

いっぱい 出すと、ワニの エサに なりかねない ので、ちょっとだけ。


手と 一緒に、鉄の棒を 少し 長めに 突き出しておく。

ワニ 対策。

万が一、ワニに 食いつかれたら、先に 鉄の棒が ワニに ぶつかる。

その間に、手を 引っ込める のだ。


逆の 左手は、船の 木の部分を 掴んでおく。

私も 振り落と されたくない からね。


じゃ、レッツゴー。

風魔法を 一気に 噴出。


モーターボート みたいねー。


ビューン


わぁ 危ない。

パピルスの 浮島に ぶつかりそう に なった。


パピルスの 上に、家がある。

浮島の 上に 人が 住んでいるんだね。


浮島の 上に (あし)を アーチ状にして テントを 立てている。

私が 操縦しているものより、ちょっと 大きい 船もある。

そして、繋がれた 水牛が ウロウロ。


そっか、移動して 生活するん だね。

移動するときは、水牛も 連れて、家財道具を ボートに 積んでいく。


面白い。

水の民って、西の辺境の 遊牧民と 同じように 移動生活して いるのね。


水牛の乳で、チーズやバター、クリームを 作って 売る。

魚を つかまえて 売る。

(あし)や、パピルスで、家具を 作って 売る。


あぁ、ダメね。

ここの パピルスで 紙の 大量生産を しようかと 思ったけれど、

そんなことをすると、水の民の 人たちの 生活を 壊しちゃう。


わーい。

チーズと バターで お魚を 料理してくれるって。


んー。濃厚。

これは、おいしい。


ん? こっちは?

お酒?

水牛の 乳酒らしい。

水牛乳酒って いうのかしら?


わっ、匂いが すごい。

ダメね。 私は 無理。

ネッセ(老代官)なら 飲むかな?


船に 空きも あるので、樽を ひとつ、(ゆず)って もらうことに した。

お支払いは、銅貨。


私、賢いでしょ?


金貨とか 銀貨で 支払うと、

それを 使うときに、犯罪に 巻き込まれるかも しれないの。


だから、ちゃーんと、銅貨を 1袋 ドスンっと 音を立てて 渡した。

袋も、どこにでもある 革袋。


こういう 細かい 気遣いが 出来ない人は、ダメね。

ふふん♪


ん? 銅貨が、多すぎる?

構わないよー。

おいしい お魚料理も 食べさせて もらったし、感謝の印ね。


日が 暮れるころ には、水の民の人たち と すっかり 仲良くなった。

(あし)の テントに 泊めて くれるって。


侍女さんが 露骨に 嫌そうな 顔をしてる。

んー ダメダメ。

ちゃんと ニッコリ 笑顔ね。

注意しておく。


「きゃぁぁあ」


ん? どうしたの?

覗きでも 出た?


水浴びに 行った、女の人の 叫び声。


あっ、水牛が 水に 引きずり 込まれそうに なっている。

ワニだ。


スグに、風魔法を ぶつける。

ワニの お鼻に 命中。

まだ 離さない。


もう一発。

ちょっと 強めに 打ち込んだ 風は、ワニの 目に 当たった。


ザブン。

ワニさん、沈んだっ。


水牛さんは、っと・・・。

ちょっと 足を 引きずっている けれど、無事、救出成功ね。


すごーく 感謝された。

水牛は、大切な 家族でもあるし、

生活の (かて)を、得るための、大切な 家畜でも あるん だって。


うん。

よかった よかった。


え? 水牛が、無事 だったから 今から 宴会?

もう 寝る時間 だよー。



*** **** *** *** **** ***



ふぁぁ、眠い。


外で、なにやら 言い争いの 声が 聞こえて 目が 覚めた。


あら? 白い鳥が いっぱい。

キレイね。

シラサギだわ。


シラサギの 家族が、繁殖のため、営巣(えいそう)しようと している。


え? 追い払うの?

シラサギは、集団で 繁殖す(はんしょく )る。


その(ふん)(えさ)の 腐ったような 臭いの ひどさ や、

ギギャーという、大きな 鳴き声が うるさかったり など で、

水辺に 住む人に とって、迷惑な 鳥らしい。


そうなのね。

キレイな 羽なのに。


火魔法を 水中に 打ち込み お手伝いする。

音で ビックリさせて シラサギを 飛び立たせる のだ。


バッサ バッサ バサ。


わぁ、飛び立つだけで、こんなに うるさいのね。

これは、近くで 繁殖されたら 迷惑なのも 分かる。


あら、羽が いっぱい 落ちてる。

ちょっと 貰って いこうーっと。


ん? シラサギが 居なくなったのに、まだ 言い争って いるの?


シラサギは、清らかな 水辺には、生息せず、

富栄養化が 進んだ 汚れた 水域に 住み着く。


以前は、このあたりに シラサギが 住み着くこと など なかったらしい。


ところが、ここ数年、王都で、

ホゥスボールのボールに、水牛の皮を 使うことに なったらしい。


へー、どこかで聞いた話だね。


この 付近では、大量の 水牛の皮を なめして 出荷している。

皮を なめす ため には、キレイな 水が 必要。


なるほど、それで 水質汚濁が 進んだのね。


ミラドール・・・。

神の 息吹(ゴッドブレス) ショットの 影響で 環境問題が 起きてるよ。


言い争いは、水の民の中にも、水牛の皮で 商売しているものが 居るため、

それを やめさせるか どうか について、議論 していたみたい。


あー。難しい。

経済を 取るか。

環境を 取るか。

どっちも うまくいく 方法って なかなか 無いのよね。



*** **** *** *** **** ***



馬車に 戻ると、みんなが 待ちくたびれていた。


そだよねー。

ちょっと、湿地帯を 見てくるって 言っておいて、

1晩 泊まって 来たんだ ものね。


私は、お子様 だから 良く分からないので、

お付きの 侍女さんを、軽く 注意 して おいてねー。


あぁ そうだ。

シラサギの 背の 飾り 羽。

取ってきた の よね。


キレイで 気品が あるから、帽子の飾り(エグレット)に よさそう。


わぁぁぁ やだぁ。


む・・・ 虫。

小さな 虫が、うごうご と、うごめている。


ああん。

キレイ だと 思ったのに。

これじゃぁ、使えなーい。


=== === === === === ===


シラサギ だけに こんなの 詐欺だよ。


=== === === === === ===


序章って 書いてあるのに、なかなか進まないのは 詐欺だよ。

って思った人は、高評価を押して次の話へ⇒


川淵さんって人が、会長に なるとか ならないとか・・・。


なるとか ならないとか・・・。


ならないとか・・・でした。


森さんって人の、ご指名って 話だったので、

チョットだけ ひっくり返ることも 考えましたけど、

でも、まさか・・・ビックリです。


橋本聖子さんって人が、火の中に 手を突っ込んで

栗を 拾うことになるのかな?


火傷を しそうで、かわいそうです。

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