1-33. 願書提出
「それでは、王立 美容師 学院に
進学される ので よろしいですね。」
うんうん。
久しぶりの「翻訳済!」だよ。
私の 目の前に居る、とぼけた 老人 クハラーナ・ガネッセは、村の 代官。
実際には、この 周辺の 統括官といった 存在。
ガネッセの言葉は、難解。
「ひょれでは、ひょうりつひひょうがくひんに
ひゅいんがくひゃれるのでひょろしいですね。」
これを、私の 脳内で 翻訳 する。
「それでは、王立 美容師 学院に
進学される ので よろしいですね。」
うん。もちろん。
「ウェンディ みたいな 美容師に なる」
私は、決めたの。
開いた 窓からは、わずかに 風が 吹き込む。
風は、甘く フローラルな のばらの 香りが した。
[美容師の娘] 【 1-33. 王立 美容師 学院 へ 】
王都にある、王立 美容師 学院には、10歳から 入学できる らしい。
9歳の 私は、そろそろ 準備を 始めると 良い と言われた。
え? ホゥスボール選手。
あれは、無理ね。
あきらめた。
イアンにも、ガネッセにも、バレていた。
神の 息吹 ショットが・・・。
見る人が 見れば、分かる らしい。
そもそも、王都では、王都では、魔ーモグラフィー という 装置で、
グラウンド 全体を 監視し、魔法 感知 しているみたい。
ここ 最近は、魔法 感知機能のついた ボールを 使い、
即座に プレーが 止まるように なっている っていう。
神の 息吹 ショットは、使わなければ いいんだ けどね。
私、ベルに 乗る時、無意識に 魔法で コントロール しちゃうんだよ。
魔ーモグラフィーに、ひっかかっちゃう。
そういうことで、初志貫徹。
王立 美容師 学院に 進学する ことに した。
そして、願書提出。
書類の 山・・・。
ガネッセー。
お仕事の 時間だよー。
美容師に なるのも 大変ね。
美容師法 という 王国法が あって、
美容師学院で 学び、資格を 取る 必要が あるなんて。
「こちらに サインを。(翻訳済!)」
ガネッセから 渡される 書類に サインする。
何枚 サイン する 必要が あるの!
多すぎない?
「誓約書など も ありますので。」
あー なんか 高校入学の 時も あったね。
誓約書とか、親戚の人に 連帯保証人とか 書いてもらうの。
それでも、私は、楽している のだと 思う。
書類の 記入 自体は、ガネッセが やって くれて いる。
私は、自署が 必要な所に、サインする だけ。
10歳まえの 子供に 書かせる 書類にしては、量が 多すぎると 思う。
文字も、小さいのが いっぱい 書かれている。
銀行とか 不動産の 契約書を 見ている みたい。
一般の人は、どうやって 記入 している んだろ?
「10歳から 入学できますが、20歳でも 30歳でも いいのですよ。
最低年齢が、10歳と いうこと です。
それに、代書を 仕事としている 書士も ございますから。」
あぁ、そうなると、入学したら 年上の人が いっぱい なのね。
「もちろん、同い年の方も いらっしゃると 思われますが、
年齢が 上の人も いらっしゃるでしょうな。」
まぁ 仕方ない。
職業訓練所 みたいな もの だものね。
じゃぁ、ちょっと ベルと 遊びに 行ってくるから、後の 書類 お願いねー。
「アリー様、まだ サインする 書類が 1枚 残っています。」
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風が、呼んでいる。
ベルが、待っている。
厩舎から、ベルを 連れ出すと、駆ける。
私は、馬が 好き。
ベルと 風を切る爽快感は、なんとも 言えないね。
後ろに飛んでゆく 木々や人、何もかも 簡単にできるような 気がするよ。
あっ かわいい。
小さな 子供たちが ポニーで、ホゥスボールを している。
馬に 乗るの 上手だね。
こういう 風景を 見ると、ここは、西の辺境 なんだな。って思う。
人気だね。ミラドール。
みんな、自作の 彼女の ユニフォームを 着ている。
この前の、対抗戦でも 販売されていた んだ けれど、高い のよね。
だから、自作。
うん、気持ちは、分かる。
でもね、1人くらい アリーの ユニフォーム 着てる子 いないの かなぁ。
わぁ、頭蓋骨が、こっちに 飛んでくる。
私は、頭蓋骨に 少し 強めの 風を 送る。
風魔法は、ひゅるひゅると 音を たてて 頭蓋骨に 当たる。
宙に浮く ボール。
それは、子供たちの 目の前に、跳ねて戻った。
「どう? 私の ミラドールショットよー。」
女の子が 得意そうに 叫んでいる。
神の 息吹ショット じゃなくて、ミラドールショットって 言うのね。
覚えておこう。
間違って 使わないように。
ベルの たてがみを 撫で、馬を 返す。
厩舎に つく頃には、夕日が 傾いて いた。
この時間は、ベルが 一番 美しい 時間。
たてがみや 尻尾が、夕日を 浴びると 黄金色に 輝く。
ブラシを かけてあげる。
気持ち よさそう。
ん?
突然の 寒気。
嫌な 予感が する。
「アリー様、書類が 1枚 残っています。」
あぁ、ガネッセだ。
怒っているね。
理由は、全く、全然、これっぽっちも、見当 つかないけど、怒ってる。
これは、さっさと 逃げるべき。
出された 書類に サラサラっと サインする。
「はい。ありがとうございます。
これで、全ての 提出書類が 用意できました。」
すたこらさっさ!
脱兎の ごとく 逃げ出・・・。
あれ? おかしいよ。
いま、翻訳していない。
ガネッセが、普通に しゃべってる。
標準語?
どうして? なまって いたん じゃないの?
「それでは、失礼いたします。」
それでわー じゃないよー。
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いままで、必死で 翻訳してた、私の 時間を 返せー。
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UFOキャッチャー。
ワンコインで ゲットするのが、得意な 人は、
高評価を押して次の話へ⇒
すごーく 久しぶりに、UFOキャッチャーを しました。
お財布に、汚れている100円玉が、1枚。
この1枚だけ、1回勝負です。
アームの力は 強いけれど、
商品の下においてある プニプニが 邪魔をして取れません。
でも、コツは、掴みました。
もう1回だけ、やってみました。
だいぶん、穴の方に 移動させることに 成功しました。
なぜか、お財布の 100円が全部なくなりましたけど。
もう 1回だけ・・・だった んですけどね。
私は、ギャンブルは してはいけない人だ と思いました。
・・・って、それ、私が そこまで 移動させた やつ。
そう。 直後に、背の低い 小太りの 男の人が、1回で GET。
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いままで、必死で 移動させてきた、私の 時間を 返せー。
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