表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

29/232

1-29. 馬上の戦い ③

「混ぜ 続けないと、カレーは、()げて しまう。」

監督 ホージ・チャイ・シムは、言う。


ただ、火に かけたままに してはならない。

鍋の底で、カレーを ()がしては いけない。


ピクシノビッチは、うなずいた。


冷えた ままでも、食べる ことは、できる。

「食べることが できれば 良い。」と言う 人も いる。


しかし、目的は、おいしく 食べること。

エサ では ない。


私たちは、人間だ。

おいしい 食を 求めている。



    [美容師の娘]  【 1-29. カレーと唐辛子(とうがらし)



私は、その華麗な パス回しに ビックリした。

騎馬民族って 言うだけ あって、馬の 扱いが 上手。


そして、ボール(頭蓋骨)が、止まることが ない。


止まった時には、「()がすな」って 声が 飛ぶ。

向こうの 監督の シムさん。

声が 大きい。


ミラドールに よると、シム氏は、独特の 言い回しを する 監督みたい。

パス回しを、鍋に 例えているのね。

火に かけたまま、ボール(頭蓋骨)が 止まると、「なべ底が ()げる」って ことね。


うーん。

相手の 練習を 見ていると、自信が 無くなっちゃいそう。

あっちより、確実に 上回っているの、ミラドールだけ だよね。


東ハルサ地域連合と 呼ばれる 騎馬民族連合は、

「スロヴモニム」「フルヴチア」「ボジナ」「スルプース」

「ボスナヘルナ」「ツルコラナ」「マケドスコピニア」

「クロウターヴァ」という 8つの 地域の 連合らしい。


うん。舌を 噛みそうだ。


あら、東ハルサ地域使節団の 偉い人、選手の 肩を 叩いて 激励(げきれい)している。


シプ・ヨ・テト って 人は、全員の 肩を 叩いて 激励(げきれい) している。

ボダン・ミ・シェロ って 人は、一部の人の 肩だけ 叩いていた。

シェロさんは、テクニックの ある、うまい人だけ 応援 なのかな?


「テトは、全ての 地域が 姉妹として まとまろうと 呼び掛けている。

 だけど、シェロは、自分の 地域だけを 応援 しているんだよ。」

ミラドールが、教えてくれた。


「8つの 地域の連合 だからね。

 本来は、使節団も、選手も、1枚岩 じゃない。

 前回は、その弱点を 突いて 勝てたのだけど、

 今回の 選手は、まとまりが いい。

 困ったね。 やっかいだわ。」


なるほど。

あの人、自分の地域 以外の人は、激励(げきれい) しなかったのね。


ミラドールは、向こうの、どの地域が 好き?


「そうね。どこの 地域も 関係ない かな。

 結局は、その人が どういう人か だもの。

 黒でも 白でも 黄色でも、ネコに 獲られるのが 良い ネズミ。

 だけど、簡単に 獲れそうな ネズミが 見あたらない。

 手ごわいわ。」


んー ミラドール らしい 回答だわ。

でも、そんなこと 言っちゃっうと、チームの 仲間が 弱気になるよ。


「大丈夫。

 作戦は、考えて あるから。」


作戦?

それは、監督の 仕事では?

大丈夫 かしら?


あぁ、ミラドールが 監督の いない所で、チームの みんなを 集めてる。


「いいかい、みんな。

 向こうは、美しく プレーすることに こだわっている。

 でも、そうじゃ ないよね。

 生きるために、生き残るために プレー する んだよ。」


うん。

いいこと 言ってる。

これなら、大丈夫ね。


「むこうは、カレーの 鍋が 焦げないように 混ぜている。

 丁寧に、丁寧に、混ぜている。

 そこに、激辛(げきから)唐辛子(とうがらし)を 混ぜてしまえばいい。

 辛いし、おいしく ない。

 食べる 気持ちが なくなるよね。

 でも、私たちは、生きるために、それでも 食べる。

 向こうの 気持ちを ()ることが 大切よ。」


食べたくない!

そうじゃない でしょ。

唐辛子(とうがらし) 入り カレー なんて 誰が 食べるのよ。

ゴイコイス(ゴールキーパー)さんも、エビーヒアさんも、ミラドールを 止めてー。


って、みんな、うなずいている。

嘘でしょ・・・。


結局、相手に 馬をぶつけ、相手に (こん)をぶつけ、

反則(ファール) ギリギリで 相手の プレーを 止めることに なった。

ギリギリ じゃなくて、反則(ファール) だけどね。


怖いよ。

ベル()と 私では、馬ごと 相手に ぶつかるのは、無理だよ。

吹き 飛ば されちゃう。

ベル()が ケガ しちゃうよ。


友好を 保つための、対抗戦って 言ってなかったかしら?


ピィィー。

ブツブツ 呟い(つぶや )ていると、練習終了の 合図の 笛。


んー。

なんか やだな。


*** **** *** *** **** ***


夕食は、みんなで 食べる。

みんなって 言うのは、東ハルサ地域連合の 選手たちも 一緒。

親睦を 深めるための 交流って 大切よね。


出てきたのは、カレー。

恐る恐る 鍋を 覗き、そっと 味見用の スプーンを 入れる。


ペロリ。

大丈夫。辛くない。

そうよね。

激辛(げきから)唐辛子(とうがらし)なんて 入ってないよね。


私は、カレーうどん に することに した。

うれしい。

うどん も 存在 したのね。


「きゃっ」


あー、失敗したー。

白い服と、カレーうどん は、相性が 悪い。


跳ねる のだ。

茶色い シミが 服に 点々々。


すぐに 洗濯したら、落ちる かしら?


「きゃぁぁ。」


悲鳴が 聞こえた。

向こうでも、カレーうどんが 跳ねた?


皆の目が、東ハルサ地域連合の 選手たちに 集まる。

お皿が、赤い・・・。


と・・唐辛子(とうがらし)・・・。

ミラドールぅぅ。

本当に 入れちゃ ダメ だよー。


皆が、水を 持って 走り 回った。


ひどい騒動。


使節団の テトさんは、苦笑いする だけ だったけれど、

シェロさん なんて、怒り 狂っていた。

大きな 問題に ならなければ いいんだけれど。


*** **** *** *** **** ***


翌朝の 朝食も、みんなで 食べる。

みんなって・・・、東ハルサ地域連合 の 選手たちも 一緒。


雰囲気が、ピリピリ・・・して ないね?

あれ?

東ハルサの 人たち、ニコニコ している。


なんで だろう?

でも、これなら、大丈夫ね。

ご飯を ぱくり。


おいしー。

ご飯の下に、納豆が 隠れていた。

んー、美味。


納豆も あったんだねー。

私、初めて 食べたもん。


「きゃぁぁぁ。」

また、悲鳴が 聞こえた。


皆の 目が、東ハルサの 選手たちに 集まる。

あれ? ニコニコ している。


そして、ミラドール。

口を 押えて、食堂から 出て 行って しまった。

え? なにが 起こったの?


東ハルサの選手のたちが、大爆笑。


どうやら、うちのチームの人は、納豆を、食べられない らしい。

うちのチームの 選手、私以外は、食べるのを やめて 退室しちゃった?


「あなたは、大丈夫 なのね。」


東ハルサの ピクシノビッチって、選手が 話しかけて きた。


東ハルサの GKイブコブ(ゴールキーパー)さん は、私の 頭を ()でて くれた。


「こんな、かわいい子も 代表 なんだね。」


うん。かわいい。

とっても かわいい!

この人、いい人だ。


あっ、ミラドールが 戻ってきた。


イブコブ(ゴールキーパー)さんが、ミラドールに 言う。


「今から、私と ペナルティショット(PS)戦 でも しない?

 PKが 決まったら、私が、唐辛子(とうがらし)入りの カレーを 食べる。

 私が 止めたら、あなたは、納豆を 食べてね。」


=== ===== === === ===== ===


「なっとう・・・納豆は、やめて。」

ミラドールは、ポツリと、つぶやいた。


=== ===== === === ===== ===

カレーうどんが、服に跳ねて困ったことがある人は、

高評価を押して次の話へ⇒


硬いジャガイモは、食べられるレベルになりました。


まずは、お出汁(だし)を入れます。

出汁(だし)を入れることで、加熱しても、焦げにくくもなります。

そして、カレーうどんが、おいしくなります。


うどんは、冷凍のものがオススメ。


んーおいしかった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ