1-28. 馬上の戦い ②
よーし。今日は、練習終了だね。
私は、グラウンドの 端めがけて、ウルフの 頭の骨を 打ち出した。
カラン、ヒューン。
って、馬車が 来てる?
すごく、豪華。
じゃない。危ないよー。
中の人、出てこないでよー。
そう、物事は、うまくいかない。
馬車の中から、男性が 1人 飛び出してきた。
本当に、飛び出してきてるんだよね。
空を、ふわふわ 飛んでる。
飛翔魔法だ。
ナイスキャッチ!
胸に 当たりそうだった ボールを、両手で 掴んだ。
あら?トキニホン ウルフの頭部を 抱え、見つめている。
珍しいの かしら?
「ごめんなさーい。
そっちに人が居ると、思ってなかったんですー。」
ベルに 乗ったまま 駆け寄る。
わっ。この人、両足が・・・ない。
それで、飛翔魔法で 浮いて 移動しているのね。
[美容師の娘] 【 1-28. 代表選手の決定 】
棍の 先で、ボールの 額を上部を 軽く押す 感じで 止める。
ボールを 無回転で ピタリと止める。
一点で ボールを 触るのが 大切。
ベルは、賢い。
対応する 相手が、すぐに 飛び込めない 距離感を 保つ。
そのまま、ミラドールに パス。
あっ。
止めないで ショットを 打ち込んじゃった。
ゴール。
すごいな。真似したい。
9歳になった 私は、すっかり チームに 溶け込んでいる。
・・・つもりだった。
「アリーは、ホゥスボールを、共通化 しなくちゃダメね。」
ミラドールに 言われた。
???
何を 言っているのか わからない。
「アリーは、仲間が 何をやるだろう? 相手が 何をやるだろう?
って考えて、予測して 動いているよね?
でも、仲間は、アリーの動きを 予想できていない。
これは、ホゥスボールの 共通化が 出来ていないから。」
ミラドールの 動きだって、みんな 予想できて いない でしょ。
「何を しようと しているか、伝わっていなければ ダメ。
自分だけ 分かっているのでは、だめ なのよ。
味方を サポートするために 動いているのか、
プレーの リズムを 変えようと しているのか、
相手の 守備に 侵入しようと しているのか、
私の 動きの場合、相手の守備に 侵入しようとしている時、
次の 行動は、味方でも 予想できない はずだわ。
だけど、相手陣内に 侵入しようとしている っていう
1点は、伝わっているの。
これは、アリーが 代表に 残るために 大切なことよ。」
難しい。
キーパーの ゴイコイスさんも、攻撃を 助けてくれる エビーヒアさんも、
私が 何をしようと思っているか、分かっていなかった のね。
と、言うことで、
「みんなと 仲良く 分かりあおう計画」 を 発動してみた。
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取り出したのは、瓶に 詰まった 液体。
さぁ、ミラドール。こっちの椅子に 座ってー。
ミラドールの 周りに、明るい しゃぼん玉が 舞う。
虹色の バラが ふわりと 香る。
ゴイコイスさん、エビーヒアさん、もちろん ミラドールも、ビックリ。
泡状 水魔法で、私の、液体石鹸を 使ったのだ。
きめ こまかい泡で 髪を 洗浄。
素敵な 香りは そのままに。
小さい 手の平から 淡い 水の泡が ふわりと 飛び出す。
イオンミストが、髪と頭皮を包み 潤いを与える。
水魔法だ。
そのまま、火魔法を マイナス方向に コントロールする。
冷やすのだ。
「あぁ コレ気持ち いいわ」
大満足。
みーんな、舌が 滑らかに なる。
こうして、私は、自分の動きについて 不満を みんなから 聞き出した。
うん。なるほどねー。
味方の選手には、分かる動きを しないと ダメなのね。
って・・・うそ。
順番待ちの列が できていた。
監督まで・・・。
その日の 練習は、そこで 終了。
ウェンディ式 魔法の 美容ケアは、大好評。
私は、とっても 疲れました。
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全員と 仲良くなりましたー。代表候補、全員と。
まだ、疲れが 残っている けどね。
でも、おかげで、私が 何をしようと 思っているか。
みんなが、どこに 不満を持っているか が、伝わった。
これは、大きかったね。
連携が、取れるように なったの。
ミラドール以外 でも。
こうして、私に 残された 課題は、あと 一つ。
守備。
私の乗る、サイレントベルディアン号は、小さい。
私も、小さい。
だから、ベルと 私では、守備が うまくできなかった。
「出来ることを する。」
そう、それが 答え。
攻撃している時に、ボールを 奪われたら、まず、取り返しに行く。
失った ボールを、取り返せそうに なければ、
味方が 守備陣形を 整えるまで、相手が 前進するのを 邪魔して 遅らせる。
これが 出来るように なった時、ミラドールに すごく 褒められた。
「やっと、アリーも、使えるように なったね。」
すごく うれしかった。
相手を マークしたり、
失敗した 味方のカバーリングも サボらず やるようになった。
そして、頭蓋骨 奪取。
相手の 動きを 予測して、パスを 途中で、奪い取る。
守備って、ゴールを 守るだけじゃないんだね。
「ボールを奪う。」「相手の前進を邪魔する。」
チーム全員で、相手を 自由にプレーさせない ことが 大切なのね。
相手チームが、ボールを 保持している時は、
取りやすい エリアに、向こうの馬を 誘導して、ボールを、奪って 攻撃。
新しい プレースタイルも 手に 入れちゃった。
朝 起きて、素敵な仲間と ホゥスボールをして、
夕日に 輝くベルと 駆ける。
毎日が 楽しい。こうして、私は、9歳の誕生日を 迎えた。
そして、監督から 貰った、誕生日 プレゼント。
「アリー、今回の対抗戦、代表として メンバーに 入ってもらう。」
わー。当落線上だと 思ってたけど、本当に 入れちゃった。
やった。うれしい。
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ふわふわ 浮いている、両足のない 男性は、
王都ホゥスボール協会の 理事コジョーン・キ・ノマート氏 であった。
対抗戦の、視察に訪 れたらしい。
ふぅん。偉い人 だったのね。
「ボールに、ヒビでも 入っていました?」
まじまじと、トキニホン ウルフの頭部を 見つめる ノマート氏に 尋ねる。
「いや、王都では、トキニホン ウルフの頭部を 使うことは 無いんだよ。
ボールは、牛の皮を なめしてつないだ
丸い球体を 使うよう 定められている。
伯爵領では、今も これを 使っているのかな?」
なるほど。トキニホン ウルフって 絶滅しそうな 名前だもんね。
王都では、使用禁止に なったわけね。
あ、動物愛護って 可能性もあるか。
私は、始めて 1年足らずだから、そういうのは 知らない。
でも、馬車の中から 出てきた
西部ホゥスボール協会の人が、なにやら 説明をしていた。
そんなの 関係ないもんね。
代表に 選ばれたんだもの。集中 しなきゃダメ。
ぎゅっと こぶしを 握りしめた。
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対抗戦まで、あと 2週間。
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「ワクチン打とうかな」って思っている人は、
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お昼、カレーを食べながら、テレビを見ていました。
パチっとテレビをつけたら、ワクチンの話をしていたんですね。
「ぶっつけ本番みたいなワクチンだから使いたくない。」
って言っていました。
「ぶっつけ本番で感染するより??ワクチンが怖い???」
って思ったので、自分の感覚との違いにビックリしました。
いままで、予防接種でアレルギーがあった人以外は、
みんな打ちたいだろうから、順番の取り合いになりそう。
って思っていたのですが、そうでもなかったみたいです。
そして、じゃがいもが、硬いです。
どうやら、ルーを入れる前の加熱時間が短すぎたみたいです。
既に、ルーを入れていますので、今から 火を入れると 焦げてしまいます。
お鍋につきっきりで、かき混ぜる必要があります。
明日も食べる予定です。
焦げないように、自動でかき混ぜてくれるお手伝い妖精さんがほしいです。