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1-27. 馬上の戦い ①

私の名前は、コジョーン・キ・ノマート。

王都ホゥスボール協会の 理事を している。


えっ? ホゥスボールを 知らない?

仕方ない。私が ルールを お教えしよう。


球体(ボール)を用いて 1チーム 6人の 2チームの間で 行われる 馬上競技だ。

 2チームが 敵味方となり、1個のボールを 主に 棒を使って 移動させ

 自チームの ゴールを 守りつつ

 相手ゴールに ボールを入れると得点が 加算される。

 試合は 制限時間のホイッスルによって 終了し、

 時間内に より多くの得点を 記録した チームが勝ちとなる。

 棒を 使うことが 基本であるが、馬の体であれば 使っても 問題ない。

 手足や体で ボールを 故意に 扱った場合は 反則となる。

 各チームには 1人だけ、ゴールキーパーという ゴールを 守る役割の

 特別な プレーヤーを 置くことが 定められている。

 ゴールキーパーだけが、自ゴール前の 一定の領域(ペナルティエリア)内に 限り、

 手を含む 全身でボールを 扱うことを 許される。」


普段、私が このような 辺境に 来ることは 無い。

西の ヘドファン伯爵領は、遠いのだ。

しかし、今度の 対抗戦に、

9歳の 子供が 出るというので、視察に 訪れることと なった。



    [美容師の娘]  【 1-27. ホゥスボール 】



「アリー、もう少し、馬体を 離して。

 ベルディアンは、小さい。

 ほかの馬に 体を ぶつけられると、吹き飛ばされて しまう。」


アン(ちち)の 声が 飛ぶ。


サイレントベルディアン号は、

大人が 乗るには 小さいが、子供の 私が乗るには 十分な 大きさをしている。


私が、今、最も(もっと )ハマっているのが、ホースボールだ。

(こん)と 呼ばれる 棒を 使って、

トキニホン ウルフの 頭の骨を、相手ゴールに 打ち込むゲーム。

とっても楽しい。


「ベル、こっち。」

サイレントベルディアン号は、賢い。

合図を しなくても、私の 思う方向に 動いてくれる。


アン(ちち)は、吹き飛ばされるって 言っている けれど、この子は、素早い。

危なくなると 感じたら、さっと 馬体を 離す。


ホースボールを 始めた時は、子供たちと 一緒に 遊んでいた。

でも、私、うますぎるのよね。天才だから。

すぐに、大人の人たちの中で プレーするように なった。


アン(ちち)は、体の 調子の良い時に プレーを 見に 来てくれる。

関係者でもないのに、

大きな声で、指示を 出すのが ちょっと 恥ずかしいけどね。


パスを 受け、(こん)で、頭蓋骨(ボール)を 打ち込む。


ゴーーーール。

気持ちいい。


フォワードの 私は、得点を 取ることが 仕事。

でも、1チーム 6人しか いないから、

ゴールキーパー以外は、全員で攻撃して、守備をするのが 基本。

子供たち 相手だと、守備も ある程度は 出来た。

だけど、大人相手だと、体の大きさが 違って 難しい。


だから、少なくとも 得点を 取らなくちゃ。


ピーって 笛が 鳴る。

馬たちが、監督のもとに 駆け寄る。

結構な 迫力があって、ちょっと、怖い。


よーし。

今日は、練習終了だね。

私は、グラウンドの 端めがけて、ウルフの 頭の骨を 打ち出した。


カラン、コロン。

トキニホン ウルフの頭蓋骨を 盗むような人は いないので、

頭蓋骨(ボール)は、グラウンドの端に 放り出して おけばいい。


そして、私は、イアン(ちち)と一緒に 帰路につく・・・はずだった。


「アリー、来年の 対抗戦を 目指して 代表に 行ってみないか?」


え? 対抗戦? 代表?

監督が とんでもないことを 言い出した。

対抗戦に 出させる気 マンマン だ。


そして、それ以上に イアン(ちち)が 乗り気だった。


「アリー、やってみよう。」

おーい。

グラウンドの外から 指示を出す人は 気が楽だけど、やるのは 私だよ。


まぁ、しかし、断る理由も ない。

心の準備が 整う間もなく、

私は、対抗戦代表候補として 選出されることと なった。


そして、代表合宿で、私は、英雄に 会うことになる。



*** **** *** *** **** ***



対抗戦って 言われても、どこと 対抗するの?って 話だよね。


なんと、騎馬民族が お相手。

異民族との 友好を 保つために、対抗戦を 定期的に 行っているらしい。


そもそも、馬上競技を 騎馬民族相手に やるって 無謀な気がする。

想像通り、これまでの 戦績は、1勝59敗・・・。


う・・うん。1回 勝ってるって、すごい・・・ね。


前回、初めて 1勝したらしい。


ディア・エーゴ・ミラドール。

黒い馬に 乗った、165cmの 女性。


この人が、前回の 勝利の 立役者。

英雄、ミラドールだ。


「あぁ、あなたが アリーね。

 よろしくね。」

気さくで 人懐っこい笑顔の ミラドールが、私の 頭を くしゃっとなでる。


「よろしくおねがいします。」

髪が 乱れるから やめようね。

そう、思いながら こたえた。


私が、前。ミラドールが、後ろ。

それが 基本。

だけど、時々 2人で 並んだり、前後 逆になったり。


この人、天才。って思った。

馬の前に 1メートル空間を 確保できれば、ミラドールは、何でも できた。

パスを 送ることも、シュートを 打つことも。


頭蓋骨(ボール)を 「止める」という 技術がある。


「止める」動作で、難しいのは、どこに 止めるか。

今は、相手が ここに居るから、こちら側に 頭蓋骨(ボール)を 置く。

ミラドールは、そこの 判断がすごい。


私は、止めるのが 得意だと 思っていた。

頭蓋骨(ボール)が きた瞬間、(こん)を 引いて 勢いを 止める。

パシュって きれいに 止まる。


ところが、ミラドールを 見ていると、その 自信が 揺らいだ。

(こん)の どこで 頭蓋骨(ボール)を 触るか、

(こん)の 先で 止めるのか、それとも 横で 止めるのか。

頭蓋骨(ボール)の 上を触るのか、下を 触るのか、真ん中を 触るのか。


一度など、頭蓋骨(ボール)

目の穴に ひっかけて 止め、そのまま 回転させて パスを 出した。


神業(かみわざ)だ。


私は、(こん)での 頭蓋骨(ボール)の 触り方を 考えて 触る。

どこを どう触るか を。


でも、ミラドールは、考えながら 触っていない。

それは 遺伝子の中に 組み込まれた、彼女の 感覚だと 思う。

どのような 頭蓋骨(ボール)が 飛んできても、

ミラドールは、瞬時に 反応して 頭蓋骨(ボール)を 止める。


そして、頭蓋骨(ボール)を 「打つ」という 技術が ある。


頭蓋骨(ボール)は、素直では ない。

しかし、ある程度、思った方向に 飛ばすことは 可能だ。


頭蓋骨(ボール)を よく見ることが 大切だ。

そして (こん)の力を うまく伝えることが 次のステップだ。


頭蓋骨(ボール)が 止まったままという 事態は、ほとんど 無い。


「止める」技術と 「打つ」技術は 繋がっている。

止めることの 出来ない人は、打つことも できない。


ミラドールは、いつも 正しい位置に 頭蓋骨(ボール)を止め、

常に、同じ形で ショットを打つ、あるいは パスを 出すことが できる。


私は、止める技術を 身に着けること から、始めなければ ならないみたい。

まさか、代表に 来て、基礎の練習から 始めることに なるとは・・・。


頭蓋骨(ボール)を 打ち込んでもらい、止める。

周りを 見て、正しい 位置に。


私の 遺伝子の中 には、止め方は、組み込まれて いない。

だから、頭で 考えて 丁寧に。


頭蓋骨(ボール)の 勢いを 吸収し、止めて、打つ。

止める 位置が 悪いと、打てない。

打ちやすい 位置でも、相手の場所を 考えていなければ、

頭蓋骨(ボール)を 奪われる。


うまくいった時の 感覚を 忘れないように、丁寧に 繰り返す。


ピーって 笛が鳴る。

馬たちが、監督のもとに 駆け寄る。

迫力が あるんだけど、みんな 操馬が うまい。

怖さを 全く感じない。

さすが 代表だ。


よーし。今日は、練習終了 だね。

私は、グラウンドの 端めがけて、ウルフの 頭の骨を 打ち出した。


カラン、コロン。


基礎練習を 楽しく 感じたのは、久しぶり。

心地よい疲れを 感じながら、私は、帰路に ついた。



*** **** *** *** **** ***



「ノマートさん、こちらには、ミラドールが います。

 今回も 対抗戦は 勝てます。」


ヘドファン伯爵領は、遠い。

やっと 伯爵領に たどり着いたと 思ったら、

練習場は、馬車で 1日かかる場所に あるという。


馬車の中、私は、西部ホゥスボール協会 会長の

つまらない話に、辟易(へきえき)と していた。

いいかげんにしてくれ と 言おう思った時、やっと 馬車が 止まった。


私は、飛翔魔法を 使い、馬車から 降りた。


その時である。

前方から、白く 硬い 物体が 顔面に 向けて 飛んできた。

両手で 受け止める。


牙、2個の穴・・・。

獣の(けもの ) 頭 であることは、明らかで ある。


まさか・・・。

ヘドファン伯爵領では、ボールに ウルフの頭蓋骨を まだ 使っているのか。


「ごめんなさーい。

 そっちに 人が 居ると、思ってなかったんですー。」


ぱっと 顔を あげた。

小さな馬が 駆け 寄って 来る。



=== ===== ===



その背には、息を 弾ませた かわいらしい 女の子が 座っていた。



=== ===== ===

「11人」「5人」「7人」「10人と6人」「6人」

全部の 意味が 分かった人は、高評価を 押して 次の話へ⇒


困りました。

書き始めてから 1チームの人数が、ずっと 決まりません。

5行目を 書く途中で、止まっています。

サッカー、バスケットボール、ハンドボール、ラクロス、アイスホッケー。


全部の ルールを 見ながら・・・ 泣きそうです。

まったく 分かりません。 先が 予想できないです。


人数決定を 次の話まで 持ち越したい。

そう 思いながら、6人に することに。


次話で、人数が 変わっていたら、ごめんなさい。


さて、11月に、

中村さんってサッカー選手が 引退するってニュースを 見ました。

「止める」技術と「蹴る」技術、どちらも すごい選手らしいです。


そのあと すぐに、

マラドーナさんって サッカー選手が 亡くなったって 聞きました。

顔の前に 1メートルの空間があれば、何でもできる 選手らしいです。


マラドーナさんが、世界中で 有名な選手なので、

中村さんの ニュースは、小さくなっていくだろうって 予想しました。


ところが、1月に入っても、ニュースで 中村さんがいっぱい。

さすがに、もう 見ないですけど。


中村さんの ニュースを見ていて、競技を 書いてみたい。

そんな 気に なってしまいました。


そういうことで、予定外に 書き始めたのが、ホゥスボールです。

書いていて、楽しいとも 感じます。

そして、ちょっと 後悔もしています。


この手の話は、私の レベルでは、まだ 難しいのかもしれません。

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