1-26. 馬刺し ③
2人で 出かけるのは 久しぶり。
イアンが、馬を 走らせる。
普通の 馬で、父を 追う。
イアンの 馬は、汗血馬と 呼ばれる 特別な馬だ。
あれ? 足で 馬に 合図を ほとんど 送っていない。
拳も ほとんど 動かしていない。
手綱も、ほとんど 引っ張って いない。
そもそも、体が 揺れていない。
足を おろしたまま なのに、空中を 優雅に 水平移動している。
ん? なんで??
[美容師の娘] 【 1-26. 8歳のプレゼント 】
最初は、ちょっと 練習を したら 出来ると 思っていた。
「馬の 骨格と 自分が 繋がって、人馬 一体として 動ける イメージが
出来までは、タイミングを 合わせる 練習を 繰り返して ください。」
ガネッセが 言った この言葉、すごく 難しいこと だった。
そだね。
骨格が繋がるって、あり得ないもの。
それでも、ずっと 練習していると、コツは、分かってくる。
馬との 動きの 一体化には、
後脚を 馬が 跳ね上げる 動きと、自分の 動きを 合わせることが 重要。
出来ることは、出来る。
続ける のが、難しい。
ふくらはぎと 大腿、腰の 筋肉が パンパン。
ちょっと 力を 抜いた 瞬間、弾き 飛ばされそうに なる。
それでも、今日は、1回も 落馬を しなかった。
うん。
やっぱり、私、天才だね。
*** **** *** *** **** ***
朝日が、今日も 馬を 照らす。
ガネッセが、特別な 馬を 出してきた。
汗血馬と いうらしい。
「今日は、この馬を、全力で 走らせて みてください。(翻訳済)」
おっけー。
上鐙に 足を 乗せ、全力疾走!
って、何、これ?
馬の 後脚からの 押し上げが 強すぎる。
馬から 跳ね 飛ばされた。
空中を 舞い、風魔法で、着地を 緩やかにする。
ぱしっ。ごろごろごろ。
受け身 成功。
んー。この馬、パワーが 違う。
「この馬で、駆けることが できたら、合格です。」
ガネッセは、ニコニコしながら 言う。
*** **** *** *** **** ***
今日は、イアンの、調子がいい。
お昼に、汗血馬の 話を してみた。
「じゃぁ、昼からは、特訓をやめて、一緒に 遠乗り してみるか。」
わぁ、久しぶりに イアンと デートだ。
イアンの 馬は、汗血馬。
私は、普通の 馬。
イアンが、私の 前を 疾走する。
ちょっと 追いつけない。
空中を 優雅に 水平移動。
うまいな。
ガネッセ みたい。
って? 足を おろしている。
体を 起こして、胸を 張って 疾走している。
汗血馬で??
ガネッセも、私も 全力疾走させる時、上鐙に 足を乗せ 前傾姿勢に なる。
なのに、イアンは、
汗血馬を 疾走させているのに、胸を 張って 足をおろして 座っている。
分からない。
一体、どうやって 馬を 操っているのだろう?
そもそも、あんな 姿勢だと、落馬してしまう はず。
馬を 止め、私を 待つ イアンに 尋ねる。
「アリーも 出来るよ。
飛翔魔法の 応用だ。
風魔法と 水魔法を 使って 体を 支えるといい。」
あぁぁぁ。 ずるい。
そんなの 思いつかなかった。
ガネッセも、言って くれなかったし。
「ガネッセは、魔法を 使っていない からね。
あれは、騎馬民族の 騎乗術だから。」
それで、ガネッセの方が、 イアンより、上手って 言っているのね。
風魔法を 優しく 放って、ほんの 少し 体を 浮かせる。
馬は、動きを 邪魔されないし、衝撃もない。
腕と 体の間に 水魔法で 泡の膜を 張って 風を 受ける。
飛翔魔法を 使うより、魔力を 込めなくていいし コントロールも 楽だね。
よし、これで 挑戦だ。
私は、もう一度、ガネッセの 汗血馬に 挑戦した。
わぁ。
体を 起こして、胸を 張って 疾走しても 揺れない。
でも、ちょっと 目が 痛い。
顔の 前にも、水魔法で 泡の膜を 張る。
よし、これで 大丈夫。
ガネッセを、どう?って 顔で 見ると、笑っていた。
「カンニング されましたかな?
それで よろしゅう ございますが、
魔法を 使わない 乗り方も 練習して おいてください。
魔力が 切れた時に、困ることに なりますので。」
あぁ なるほど。
魔法を 使う方法を 教えてくれなかったの、そっちの 理由も あったのね。
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でも、汗血馬って、なんで こんなに パワーが あるんだろう?
イアンに 尋ねてみた。
「汗血馬は、寄生虫による 出血で、血の汗を 流しているに 見える。
だから、汗血馬って 呼ばれるんだ。
あの馬は、寄生虫が 居なくなるまで、強くて迅い。
寄生虫の 吸血による、痛みと 痒みで、馬が 暴れているからだ。
汗血馬は、興奮して、スグ 暴走する。
それを コントロール して 乗りこなすことが 出来たら、
騎馬民族のように 走れる。
それが、彼らの 強さの秘訣だ。
アリーは、魔法を 使って 出来るように なった けどね。
普通の 人間が、あの馬に 乗ることは、難しいんだよ。」
なぜか、イアンは、少し 遠い目を した後、教えて くれた。
それって 寄生虫 いらなくない?
競馬の お馬さんが、ずっと ムチを 当てられて いるような ものでしょ?
ムチを使うと、馬の 後脚が 痛むし、私も 片手が ふさがってしまう。
何か いい方法 ないかな?
風魔法、水魔法、土魔法、木魔法、火魔法・・・。
思いつかない。
魔法で どうにかしようと せず、他の 方法が いいのかな?
あっ。
水魔法で 水滴を 作り、火魔法で それを 冷やす。
小さな 氷の 出来上がり。
これで、ちょっとだけ、チクチク 刺激を してあげる。
もちろん、血が 出るほど 刺さないよ。
静電気で、軽く ピリっ とするくらいの 刺激 かな?
わっ。
馬の 後脚からの 押し上げが 強くなった。
魔法で、バランスを 制御して、
手綱と 拳でと 足を 軽く 使って 方向を 指示する。
気持ちいい。
汗血馬と 同じ レベルで 走ってる。
すごく、迅い。
あら、ガネッセが、驚いている。
「このような 魔法は、見たことも、聞いたことも ございません。」
やった。新しい 魔法、開発 できたー。
飛翔魔法の時は、開発した と思ったら、すでに あったもんね。
名前、何に しようかなぁ。
小さな 氷で チクチクと 馬を 刺激する 魔法。
うん。魔法名は「馬刺し」に 決定。
イアンに、教えて あげよう。
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出来なかった。
どうも、制御が 難しいみたい。
イアンの氷だと、馬が 氷で 串刺しになる。
立派な 氷柱が、地面に ザックリ 突き 刺さっていた。
イアンは、冷酒に入れようって 呟やきながら、ナイフで 氷を 削っている。
あきれた顔で 見ていると、イアンが、こっちを 向いた。
「今日は、帰ったら ビックリ するぞ。
ガネッセが、手配くれている。」
いや、冷酒と 一緒に 手配って 言ったら、アレでしょ?
うぇぇ、お馬さんに 乗った後、馬刺しは、ちょっとねぇ。
おいしいんだけどね・・・。
夕日が 傾き、草原を 照らす。
ガネッセが、歩いて 馬を 引いて やって来た。
小さい。
ポニー かな? あっ 仔馬 だね。
栗毛の かわいい馬。
たてがみと 尻尾が、日に 照らされて 美しい 黄金色。
かっこいぃ。
「アリー、誕生日 おめでとう。この仔が、プレゼントだ。
可愛がって あげなさい。」
そう。今日は、私の 8歳の 誕生日。
私は、栗毛の馬 サイレントベルディアン号を、手に 入れた。
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そうして、夕食は、予想通り 馬刺し でした。
う・・うん。おいしかったよ。
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朝、鏡を見たら、馬面の人間が立っていた人は、
高評価を押して次の話へ⇒
「聖徳太子は、馬面で生まれた伝承がある」そうです。
そのため、別名を厩戸皇子といいます。
そう考えると、その馬面の人は、
聖人の生まれ変わりである可能性があるやもしれません。
見かけたら、鏡に向かって、拝みましょう。
あっ「聖徳太子は、馬小屋で生まれた伝承がある」の間違いでした。
困ったことが、いっぱい。
感想をいただいた方に、違う人の話題をコメントして、返信しました。
修正した話を、修正版を消してしまい、もう一回やり直しました。
馬を引くが、馬を挽くって変換で、馬をミンチにしていました。
・・・失敗ばかり。
今、気付いている以上に、人に迷惑をかけていませんように。
投稿は、ミスしていないことを確認して、寝ます。
ぐぅ。