1-24. 馬刺し ①
< 栗毛 - くりげ - >
色は、黄褐色~薄茶色。
たてがみ・尻尾などの ふさふさとした 長い毛は、
色が濃い馬もいれば、淡く白色に近い馬も おり、個体差が ある。
私の馬は、栗毛。
イメージは、モンブランと 一緒の色。
たてがみや 尻尾も 栗毛。
この子が、夕日を 浴びると 黄金色に 輝く。
かっこいぃ。
ニンジンは、手の上に 立てて、それを 口のあたりに 持っていくと 喜ぶ。
馬に 近づくときは、堂々と。
人間が、不安なそぶりを 見せると、馬も 不安に なってしまう。
「なーんにも 怖くないよ。」
って 言いながら、踏み台の上に のって、馬の 頸を なでる。
「よしよし、いい子 だねー。」
[美容師の娘] 【 1-24. お馬さん 】
私は、馬に 乗ってみたい。
私の 目の前に 居る、老人 クハラーナ・ガネッセは、この村の 代官だ。
ガネッセは、発音が おかしく「ひゃふぃふゅふぇひょ?」が 間に入る。
「ヒャリー様、
ひゅっくりと、ひゅまのひゅびをなででひゃげてください。」
本当に 何を言っているか 分からない。
これ、翻訳しちゃうと、「ゆっくりと 馬の頸を なでて あげてください。」と言っている。
ただ、このガネッセは、1週間も かけずに 西の辺境から 王都に やって来た。
西の辺境から 王都まで、馬を 替えながら 寝ずに 走ってきたとしても 驚異的な スピードだ。
冒険者をしていた イアンより、馬に 乗る技術が 上手なのだ
私は、ガネッセから 騎乗術を 学ぶことにした。
馬の横に 立つ。
ガネッセに、持ち上げてもらう。
左手で 手綱と 馬のタテガミのあたり 両方を片手で 掴んで 持つ。
左足を 鐙に置く。
右手で 鞍の おしり側を 持ったら、ガネッセに、押し上げてもらう。
右手の 位置を鞍の前に かえる。
「とっても軽い」体重は、右手に かける。
静かに 鞍へ座って、「とにかく軽い」体重は、オシリに かける。
右足も 鐙に 置く。
うん。思ったより 面倒。
馬に 乗るのに、10分以上 かかった。
ぴょん。って、飛び乗れると 思っていたのに・・・。
いや、実際、ガネッセは、飛び乗ってるの。
ぴょん!って。
これを、3時間 練習した。
最初は、ガネッセに 手伝って もらって。
手伝ってもらって 乗るのは、簡単 なんだよね。
その後は、踏み台になる 高さの物が ある場所で、自分一人で 乗る。
こっちが 難しかった。
最初なんて、乗ろうと 思ったら、馬が 動いちゃったもの。
ガネッセ、引綱を、ちゃんと 持っててよ。
くたくたに 疲れて、館に 戻ることになった。
ふぅ。
乗れるように なったので、次の日は、馬で 走る!
予定だったんだけど、
最初は、誰かに 馬をひいてもらって 乗らなければ、ならない らしい。
つまんない。
まずは、リラックスして 姿勢を 整える。
ただ 歩くだけなので、すぐ 終わらそうと 思ってたのに、
ガネッセが、馬を ひいて ゆっくり 歩く・・・
延々 1時間・・・。
「ウォークは 全ての基本です。
これが 出来ていないと、走ることなんて 出来ませんよ。(翻訳済)」
って 言われた。
さぁ、次は、一人で 歩くぞっ。
ガネッセが、引き綱を 外す。
馬に 出発進行の 合図を 送る。
馬のお腹を 足で押しながら、
足首を、さらさらと 上下に 動かして、合図を 送る。
「おーい。おーい。おーい。」
動かない・・・。
ガネッセ。
言った通りに やってるのに 動かないよー。
「もう 少し強く、お腹を 足で 押してください。
足首を 動かすときは、つま先の位置は なるべく 変えないように。
動くまで、お腹を 押す力を だんだん強く していってください。」
おぉ、動いたー。
「その 強さが、この馬に 合図を出すときの力 です。
馬に よって、力の入れ具合が 違うので、覚えて おいてください。」
そなの?個体差が あるんだね。
自転車より 難しそうだ。
馬の 前脚の 肩の部分の 動きを 見ながら、込める 力の具合を かえる。
足に 込める力は、馬に 対する 合図だ。
両足を 同時に使って押す のでは なく、片足ずつ。
うまく 合図を 送れば、揺れが 少なくなり、私の 負担も 少なくなる。
馬の 左前脚の 肩が 前に出たときに、私は、右足に 力を込める。
「右の 後脚を 踏み込むんだよ」って 合図だ。
こうすると、右の 後脚を くいっと 前に 出してくれる。
馬の 右前脚の 肩が 前に 出たときに、私は、左足。
馬は、左の 後脚を 前に 出す。
ポク、ポク、ポク、ポク・・・。
最初は、地味で つまらないと 思っていたけど、
指示通りに 馬が 動き始めると 楽しくなった。
問題は、真っすぐしか 動いてくれて いない事。
ちょっとは、ぶれるけれど、
直線状にしか 歩いて行って くれないので、どんどん 厩舎が 遠くなる。
ガネッセー。
戻りたいんだけれどー。
おーい。
館の 大きさが、かなり 小さく見えるように なった時、
ガネッセが 馬で駆けてきた。
はやっ・・・。
ガネッセは、ぴょん。っと 馬を 飛び降りる。
うーん。無理なのは 分かっているけど、それが したい。
私の 馬の鼻づらを ガネッセが 撫でると、なぜが 馬が 曲がりはじめた。
ぐる~りと、半回転。きっちり 後ろを 向く。
う~ん。不思議だ。
私が、「こっち」って 思っても、横にぶれるくらいで 曲がらないのに。
そうして、帰路も、同じことの 繰り返し。
ポク、ポク、ポク、ポク・・・。
オシリが 痛くなった頃、雲間から、夕日が たてがみに さした。
黄金色。キレイだわ。
さわさわと、撫でる。
今日の レッスンは、終了。
また 明日も よろしくね。
そして、次の日。
走ると 思ったでしょ?
ウオーキングが 続きました。
馬を 曲げる 練習ですね。
手綱を、横に 引っ張ると、
曲がってくれるように なったんだけど、嫌がる のよね。
首をクイクイ振って、痛いみたい。
「曲がる時の 手綱は、補助です。
重心を 移動させながら、足で 合図を 送ってください。
馬の 口の感覚は、繊細です。
引っ張ると、振り落とされますよ。」
足で 合図をしながら、くるくる 回る。
手綱を 引っ張らなくても、曲がってくれるんだね。
これなら イケそう。
クル クル クル。
馬が 目をまわさないように 逆回転も。
歩きながらの 方向転換は、バッチリ。
私、才能 あるわー。
って思っていました。
とにかく、速く歩くのが 難しい。
いや、歩くのは 簡単。
揺れるのよ。これ。
座ったまま、速く歩くと、ぴょんぴょん 跳ね上がるの。
ほら、私、軽いから!
これ、大事。
「速歩は、鐙を 使って 立ってください。
馬の動きに 合わせて、立って 座って 立って 座って。
イチ、ニ、イチ、ニ。」
座ったままで 速く歩くと、ぼこぼこと、オシリが 鞍に 当たる。
かなり 痛い。
言われた通り、左に回りながら、立って 座ってを 繰り返す。
馬の 前脚の 肩の部分の 動きを 見ながら、右の 前脚が 前に出たら 立つ。
左の 前脚が 前に 出たら 座る。
「足は、左右に 動かさない。
膝の力は 抜いて、足の力も 抜いて。
跳ね上がる 反動を 使って、立って ください。」
うるさいよっ。
反動を 使わなくても、ぴょんぴょん 飛んでるよー。
1週間 みっちりやって、速歩、出来るように なりました。
座ったまま でも。
立ったり 座ったり 出来るようになると、オシリは、痛くなくなる。
でも、次は、座ったまま 速歩で、って なった時が キツかったよ。
オシリが、また痛くなる。
揺れは、大きいのに、膝と ふくらはぎの力は、抜け。
って、ガネッセは、言うし・・・。
力を 抜いたら、上下に 揺れて、ホントに、痛いのっ。
オシリが、鞍の 硬い所と ケンカ してる。
そして、ガネッセ・・・鬼。
鐙を|のけちゃった。
足を 置くところが ないよー。
「はいっ。足に 力が 入っていますよー。
馬の 胴を 締めないで ください。」
うるさいっ。何 言ってるか わかんないよ。
これ、翻訳済みだから、分かりやすいけど、実際は、
「ひゃい。あしにちからがひゃいってますよー。
ひゅまのどうひょしゅめひゅけないでひゅださい。」
だからね。
うまく 乗れないし、痛いし、何 言ってるか わからないし・・・。
やめようかと 思っちゃったもの。
解決策は、1つだった。
とにかく 乗り続ける。
足の 力を 入れずに、痛くない方法で 乗ることが 出来るまで。
やっと 出来るように なった。
コツは、頭の てっぺんから 1本の棒を 刺した イメージ。
馬に 跨ったら、この 1本の棒だけが、鞍と 接触するように する。
バランスが とれるように なると、速歩が、出来るように なった。
ふぅ・・・疲れた。
*** **** *** *** **** ***
そうして、夕食は、お肉。
そういえば、この前は イノシシ食べたなぁ。
今回も、イアンと、ガネッセと 料理する。
ガネッセが、布に 包まれた 氷漬けの お肉を 取り出した。
布ごと、お水につけて 解凍する。
魔法で、温めようとすると、止められた。
お肉の 質が 悪くなるらしい。
えぇ? お刺身?
お肉の お刺身なんて 初めて 聞いた。
盛り付けが 終わっても、私はちょっと 様子見。
食べるの?
イアンも、ガネッセも パクパク 食べている。
え? なに? その馬正宗って お酒?
辛口 純米 冷酒 って ラベルが 見える。
2人は、お酒ばかり 飲み始めた。
勇気を 出して お肉を食べてみる。
ぱくぱくぱく。
うん。この 甘口の お醤油も あってて、おいしい。
これ、いける。
ぱくぱく。
おなか いっぱぁい。
おいしゅう ございました。
って? これ・・・ 馬肉?
さっきまで、馬に 乗ってたのに・・・。
=== ==== === === ==== ===
ふぇぇ、食べちゃったよ。 先に 言って おいてよー。
=== ==== === === ==== ===
既に、週末の 敗け馬投票券を 購入した人は、
高評価を押して次の話へ⇒
JR というのは、電車の会社。
JA というのは、農協の団体。
よく 似た名前で JRAというのが あるそうです。
電車と 農協を足すと、答えは、馬になる みたいです。
昨日、ニュースで、笠松という 競馬場の人が、
馬券で 得た利益の 税金を 払っていなかったという ニュースをました。
いっぱい 儲けていたらしいです。
ニュースでは、「勝ち馬投票券」って 言っていました。
ほとんどの人には、「敗け馬投票券」なのに・・・って思いましたが、
笠松という 競馬場の人にとっては、勝ち馬なので、間違っていない
って 思いなおしました。
私は、勝ったことも、買ったことも、無いですけどね。
さて、今日は、アリーが 馬を全力疾走で 駆けさせる 予定でした。
うん。無理。
馬に 乗るのって難しいみたいですね。
時間が、ちょっと かかりそうです。