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3-63.【閑話】王都液晶ビジョンエイプリル放送局の苦難 後編

「も・・・もちろんっ!任せておいてっ!」


あうぅぅぅぅ・・・


「私は、アリーさんを信頼しています。」


「私は、アリーさんを信じていますから。」


ライアーヌさんに、そんなことを言われて反射的に答えてしまったものの、私・・・というか、エイプリル放送局には、タレントさんからの信用がぜんぜん足りない。


オファーしても、みんな出演を断っちゃうんだよねぇ・・・ほぼ、即答で。


どうしたものかしら?


私が、じりじりした気持ちで悩んでいると、同じフロアの向かいあう部屋が、突然騒がしくなった。


「ようこそおいでいただきました。ケイシーさん。あなただけが、頼りなんです。」


あっ、あいつが、ケイシーね。


やって来たのは、あのエセクタ魔法魔術学院で有名な映像プロデューサー、ケイシー・リィデング・エトガンであった。



[美容師の娘]  【 3-63. 新番組を立ち上げる! 】



っていうか、むこうのスタッフ、こっちより多くない?


私と、待遇が違いすぎるっ!


こっちは、ひとりで何から何までやってるのに・・・


腹立つなぁ。


もちろん、自分の良い企画を作ることは、大切なことだ。


しかし、競争相手がいる時に、自分の良さだけを出して相手を気にしないことは、あまりに傲慢である。


それは、相手へのリスペクトがない行為だ。


そう・・・相手の弱点を突いて上回ることこそ、勝利への近道なのである。


「出番だよっ。パト、ラッシュ、チビっ!」


ここで呼び出したのは、かわいい私の3匹のわんちゃん。


「行きなさい。やっておしまいっ!」


ということで、3匹のわんちゃんにケイシー陣営の妨害工作を命じる。


うんうん。


パトが書類を巻き散らし、ラッシュは、スタッフに噛みつく。


チビは、テーブルの上でうんちをしていた。


いやぁ、いい仕事してるわ。


さっ、これで安心して、自分の企画を練ることができる。


騒がしい相手陣営を尻目に、私は、出演交渉を再開しはじめた。


そうして、私が、断られ続けることに慣れてきた頃、なにやらケイシー陣営にざわめきが起こった。


んん?また、パト、ラッシュ、チビのトリオが、なにか妨害をやってるのかな?


そう思って、顔を上げてそちらを見やると・・・えっ?


なぁんで、パトが、お手なんかしてるの?


よく見ると、チビとラッシュは、すでに骨付き肉にかぶりついている。


あ・・あいつら、エサをもらって寝返ったなぁぁ。


くぅぅぅ・・・なんて卑怯なっ!


私は、ずる賢い手段でパトたちを懐柔したケイシー陣営の姿勢に歯噛みした。


こういうことは、良くない。


対決は、対決なのだから相手を上回るために努力するのは当然だ。


しかし、ケイシー陣営には、相手を尊重する気持ちが足りないっ。


ゲームというものは、誰かを蹴落としたり妨害したりして勝つのでは意味がないのだ。


人を落とすのではなく、自分が上がる。


その心がない人間は、いつかどこかで躓く。


両手で、頬をぴしゃりと叩く。


私は、気持ちを切り替えることにした。


相手が、どれだけズルく卑怯な人間であっても、そこで勝負するのではなく、良い番組を作ることで勝利すること。


それこそが、自分の力を証明するただ1本の道なのだ。


とはいえ、今の私は、出演者すら確保できていない。


そもそも、考えてみれば、こんな状態で番組を作れと言う無理難題を言ってくるライアーヌさんが、悪い。


今のエイプリル放送局は、番組に共同広告機構のCMしか入っていない。


そう考えると、この状態が、悪いのだ。


うん、私は、悪くない。


だから、今回の企画が失敗したって問題ないはずっ!


と・・・そこまで考えて気づいた。



『番組に共同広告機構のCMしか入っていないなら、あの人を出演させても、スポンサーからクレームは、来ないんじゃないのか?』・・・と。



そうと決まれば、善は急げである。


「もしもしっ!」


例のあの人は、きっと引き受けてくれるだろう。




「す・・素晴らしい企画をありがとうございます。」



うーん。なんで、私にお礼を言うライアーヌさんの笑顔は、ちょっとひきつっているのだろう?


あっ、キャスティングが決まってからの私の仕事が、あまりに早かったからかな。


まぁ、私が敏腕プロデューサーなんだから、仕方ないことだ。


そう、私は、出演交渉に成功したその週のうちに撮影まで全てを終えたのだ。


私がしたこと。


まずは、王都に蔓延していた「飛翔兵の糖」中毒で、王都液晶ビジョン地上波から追放された、小説家のタロシ・マシサをメインキャスターに据えた。


もちろん、内容は、「飛翔兵の糖」中毒の問題を深くえぐる映像ドキュメンタリー。


飛翔兵の糖の製造から、密売、中毒者のインタビューまで盛りだくさん。


その上、パト、ラッシュ、チビのトリオもこちら側へと戻って来て、再度、ケイシー陣営の妨害を再開した。


パトラッシュ・・じゃない、パトやラッシュの活躍もあったし、企画した撮影も大成功。


たぶん、私の勝利は、間違いない。


いやぁ、苦労した分、終わった時の達成感は、なんともいえないものだ。


しかし、気を抜きすぎては、いけない。


新番組を、1回限りの特番で終らせるわけにはいかないのだ。


次々と、見たこともないくらい興味深く惹きつけられる映像を作っていかなければならない。


しかし、まぁ、次もだいたいの構想は、できている。


タロシ・マシサのMCはそのままで、次回は、盗撮被害についてのドキュメンタリーでいいかなぁ?


あの人、前に、盗撮で捕まったことあるから、詳しいだろうし・・・


 そして、新番組放送の前日・・・3月31日。


私は、優雅に紅茶を飲みながら、制作室の一角で紅茶をすすっていた。


いやぁ、エイプリル放送局は、良い茶葉を使っているねぇ。


そんなことを思いながら、液晶ビジョンのスイッチを入れる。


 えっ?何それ・・・・


私の目に映ったのは、番組放送中の液晶ビジョンの画面上部に入ったテロップ。


  ニュース速報 【タロシ・マシサ、馬車で盗撮、現行犯逮捕】


私は、思わず口に含んだ紅茶を噴き出した。


 はぁ???・・・どういうこと?


 っていうか、私の新番組の放送は、どうなる?


私が、新しい紅茶を淹れて、パニックを押さえようとした時、バタンッと部屋のドアが開いた。


「まだ、ここに居付いていたのですか?さっさと出て行ってください。」


えっ?


それは、いままでの丁寧な対応が嘘のような冷たいライアーヌさんの態度。


しかし、私が驚いたのは、それだけではない。


なんと、ライアーヌさんの頭髪が、さらっさらのストレートから、アフロヘアに変わっていたのだ。


「失礼しました。オリヴィア様。このゴミくずプロデューサーが、まだこんなところに居付いていまして・・・すぐに片付けてきれいにしますので。」


 えぇぇぇぇぇぇ?一緒にライリューンも居るっ?どういうこと?


ライアーヌさんの後ろから入ってきたのは、ライリューンとオリヴィアという名前の女の子。


何が起こったのか理解できぬまま、部屋というか・・・エイプリル放送局からつまみ出された私の目に映ったもの。


それは、同じように放送局からつまみ出されて地面に転がるケイシーさんと、その周りを嬉しそうに走り回るパト、ラッシュ、チビの3匹・・・


こうして、何が何やら分からぬまま、私は、失意のままとぼとぼと、帰路につくのであった。


私と、ケイシーさんのどちらも放り出して・・・いったいどうやって番組を作る?


 * * * * *


「ちょっと、待ってぇぇぇぇ。一体、何が起こったの!?この文章だけじゃ、何が起こったか、ぜんぜん分かんない!」


叫んだ 瞬間、目が覚めた。


寝汗がひどい。


「アリー様、ずいぶん、うなされておりました。大丈夫ですか?」


マーガレットが、心配そうに 声を かけてきた。


夢・・・。 ずいぶんと ひどい内容の夢だった。


そもそも、3つの小説を全部読まないと、この話を読んだだけでは、何が起こっているのかすら分からない。


しかも、3つ読んでも、あんまり面白くないような気がしてきた。


これなら、一昨日、途中まで書いていたエセクタ魔法魔術学院文芸部の話のほうにしておけばよかった。


気が変わって、この話を1日で書き上げたりするから、こんな結果になるんだよ。


もし、これが小説なら、読まされる読者が、かわいそうなレベルだ。


いいよっ、もう・・・蛇足で頑張るからっ!


立ち上がり、窓を 開けた。


窓枠に、へばりついた 桜の花びらを、指で そっと払う。


舞う 花びらが、ひらひらと 飛び去った。


=== ===== === ===== ===


今日は、4月1日。

春の 夜の夢は、短く そして 儚い。


=== ===== === ===== ===

もし、これが小説なら、読まされる読者が、かわいそうなレベルだと思った人は、高評価を押して次の話へ⇒


【蛇足0】たぶん他の人を傷つけない嘘!


『わたくし、人生、全てが順調です!!!』


 今日は、エイプリルフールです。



【蛇足1】感謝の気持ち 1


 いつも私の小説を読んでいただいてありがとうございます

 感想をありがとうございます


 面白かったです

 続きが楽しみです


小説家になろうの感想には、こんな言葉がよく飛び交います。しかし、この言葉が無くなったならばどうでしょう?


もしかすると、この気持ちのいい空間が、ギスギスしたものになるかもしれません。少し、頭の中で想像してみました。


 そうですね・・・


副大統領が、大統領を記者の質問から守るため、詭弁を弄してごまかしている最中に、海外から来た首脳が、その副大統領に噛みつくシーンのお話は、どうでしょうか?


首脳会談の後の会見で、記者に言い訳っぽい説明をしている真っ最中の副大統領。そこに噛みつくのは、会談相手のとある国の首脳。


いきなり、記者と副大統領の会話に横入りで、入っていきます。


それも、「おい、J・D。」などとイニシャル呼び!


公式の場で、JDヴァンスさんに、J・Dと呼びかけるのは、とても失礼なこと。


しかし、このシーンでは、まだ、その国の大統領は、抑制的に我慢して動きません。とある国の首脳のメンツも考えてあげたのでしょうか?じっと動きませんでした。


これについては、思った以上に、あの方は我慢したと思います。


けれども、とある国の首脳は、まだまだ副大統領に噛みつきます。


副大統領側が、礼を失せないように「敬意をこめて、とある国の首脳にお答えする」と前置きしながら、とある国の首脳をなだめようとしているにも関わらず、とある国の首脳は、「今は、戦争中で外交の時間ではない」「お前は、ウくらいなに来たことがあるのか?」と次々にこの副大統領を責め立てます。


金額にして兆をゆうに超える援助をしてもらっていることから、とある国の首脳は、「私の小説を読んでいただいてありがとうございます」とお礼を言う立場です。


しかしながら、彼は、マスコミの前で副大統領・・・つまりは、大統領にとって自分の部下を失礼な物言いで、責め立て続けています。


ついに大統領は、とある国の首脳に対し、キレました。


そりゃ、けんか別れで決裂しますよね? トランプ・ゼれんすきー会談・・・


ということで、皆さま、


【私の小説を読んでいただき、本当にありがとうございます。感謝しかございません。厚く御礼申し上げます。】



【蛇足2】感謝の気持ち 2


戦後、日本は、米国に助けてもらっています。差し引きで、残高は、借りているものの方が圧倒的に多いでしょう。


今回、トらんぷ関税に関して、腹が立つ部分は多いですが、総理大臣が色々と何か言う前に、「今まで日本は、米国に助けてもらっており、今も助けてもらっている。ありがとうございます。」という気持ちを相手に伝わるよう、「私の小説を読んでいただいてありがとうございます」と口にしてから、不服申し立てをオブラートに包んで述べて、双方の得になる解決策を提案するほうが、良いと思います。


とある国の首脳と同じ失敗をしないためにも・・・


※これは、人によって「それはダメ」って思うことでしょうが、私なら、推薦するだけならタダなので、ア倍さんと同じように、ノーベル平和賞に推薦するぐらいのことはします。どうせ、選ばれないでしょうし・・・



【蛇足3】エイプリルフールなので、下の内容は、きっと嘘のはず!


2月28日10時、1ドルは、149.31円であった。これは、いいネタになりそう。そう思ったあるなろう作家は、ドル円で遊ぶことを考えた。


2月28日、その人は、1ドル149円台で、おいくら万円か分からぬが、ドルを購入した。


その根拠はこうだ。


関税、関税って言っているので、米国は、インフレが進む(とみんなが思う)。ならば 、FRBは、利下げをやりにくい。


日銀は、利上げを少なくとも6月までしない(だろうと私が思っている)。なぜなら、関税、関税って言っているので、株価の動向が読めないから。予想できないなら、3月に利上げはせず、無難な回答を出す=据え置くに決まっている(と私が思っている)。


とすると、円安ドル高になる。買っておこう。損しても、蛇足で書くいいネタになるから!


3月3日10時、1ドルは、150.96円の円安へと移行。予想通りの動きである。


しかし、ここである国の大統領がとんでもないことを言い出した。


「中国とともに日本が通貨安を誘導してきた」「こうした問題を解決する手段として関税が必要になる」


 えっ?やめてよ。そういうの・・・


この口先介入もあり、3月11日9時には、 $=¥146.73。


円高になっちゃった・・・


あっ・・・でも、その間に、ちょっとドルを買い増しました。それでも、円安になると思ったので・・・


そして、放置して3月28日9時30分頃。$=¥151.20・・・


売りたい。売りたい。ここで、売りたい。絶対、円高方向に少なくとも1回は、振れる。


しかし、4月1日までは、売らないと決めています。だって、利益が目的じゃなくて、この【蛇足】に書くためのドル買いだもの。


予想通り、3月29日5時30分、$=¥149.73


米経済にスタグフレーションの兆候で、景気悪化と高インフレが共存する可能性が示唆され、3月31日12時過ぎには、$=¥148.75となる。


仕方ない・・・買い増すか。


さらに、ドルを購入。


手数料分を入れても$=¥150超えたら、また新しい本を適当に買うお金ができるなぁ。


なぁんてことを思いながら・・・


(あっ・・先に、繁殖して勝手に増えたのか、床に平積みされてしまっている本を入れる本棚を買うべきかもしれない。)


さて、4月1日に、おいくらになってるか?


あっ、4月3日より後に、いろいろ動きそうな気がします。こわっ!


※なお、これは、エイプリルフールのネタなので、(なぜか相場を見る私は、お金がかかっているかのようにドキドキしていますが)もちろん嘘のはず!


4月1日8時過ぎ・・・$=¥150.09!!!


【蛇足4】アメリカの貿易赤字


1位 中国2954億$

2位 メキシコ1718億$

3位 ベトナム1234億$

4位 アイルランド867億$

5位 ドイツ848億$

6位 台湾739億$

7位 日本684億$

8位 韓国660億$

9位 カナダ633億$

10位インド456億$。


日本の年間10兆円が、多いとみるか、少ないとみるか。


多いと見られているならば、ジャイアンに、いじめられるんだろうなぁ・・・


【蛇足5】お米


大統領報道官が3月11日の記者会見で、「日本は、米国から輸入する米に700%の関税を課していると名指しで批判しました。


これは、嘘であり、本当でもあります。


 一体どういうこと?


なぜなら、米にかかる関税は1kg当たり341円だから。米価格が安ければ、%は高くなり、米が高ければその割合が低くなる理屈なので、700%になる場合もあっておかしくないからです。


今、短粒種米の国際価格は、ある程度値上がりしていますので、この%は低くなっており、基本的に関税率は、700%もありません。


ということで、嘘であり、本当でもあるのです。


さて、日本のお米の販売価格が値上がりしたら、この関税の意味が、ほとんど無くなります。関税は、1kg当たり341円なので、5kg1500円ほど。小売価格5kg2500円の元販売価格の輸入米ならば、関税込みで4000円で販売できることになります。


あれ?


備蓄米の放出って、消費者のためですよね?輸入米とお値段が逆転しそうだから、放出するんじゃないですよね?って言いたくなりますが、さて、どうでしょう?


まぁ、円安になれば、輸入米は高くなり、円高になれば安くなるので、関税だけでは、ちょっと輸入米価格については、予想しにくいですね。


それはともかく、ジャイアンが、いじめを行うときに狙うのは、きっとお米と車なんでしょう。


ってことで、蛇足・・・頑張りました。


『裏では、何が起こっていたか?』 

【かわいい 風と水の魔女】  ! 本日投稿予定 ケイシー視点

https://ncode.syosetu.com/n9635hm/80

【冒険者の娘 ライリューン 】! 本日投稿予定 ライアーヌ・ライリューン視点

https://ncode.syosetu.com/n6384gw/5

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