3-51.あの鐘の音を鳴らすのは 1
チャリーン・・・
学院の厩舎へと続く道。派手な音と共に、金貨がコロコロと転がっていく。
「あぁ、もぉ。ただでさえ時間がないのにっ。」
鳴り響く金の音に、イライラしながら、わたしは、慌ててそれらを拾いあげ、小さな巾着袋へと放り込む。
ゴールドアート号は、前よりも体が大きくなっており、わたしの姿を見つけて、ぶひんと、声をあげた。
「怒こらないでよ。わたしが、悪いわけじゃないだから。」
ゴールドアートの鼻づらを撫でる。
そう。今朝は、マーガレットが居なかった。だから、わたしが、起きることが出来なかったのを責めるのは、間違いだ。
その上、朝の鐘も鳴っていないのだから、むしろ、鐘を鳴らさなかったその人が、怒られるべきだと思う。
私は、手綱をとり、馬房の外へと引っ張り出すと、ゴールドアートにぴょんとまたがる。そうして、風を切るように彼女を走らせ、アレックスとの待ち合わせ場所へと向かうのであった。
[美容師の娘] 【 3-51.金の音 】
「アリーが、遅かったから、ちょっと飛ばすか。」
遅れたのは、わたしのせいではない。鳴らなかった朝の鐘が、悪いのだ。
アレックスが、ブースケパレーの腹を軽く蹴ると、一気にスピードが上がる。わたしも、慌ててゴールドアートで後を追った。
うん。ちょっと速すぎるね。
ベルだったら、ついていくのは、簡単だけれども、ゴールドアートは、まだ、成長しきっていない。ブースケパレーの全力疾走についていくのは、まだちょっと無理みたい。
「アレックス。ちょっと速いっ。この子じゃ、ついていけないよ。」
アレックスの背中にそう声をかけると、心持ちスピードが遅くなった。
そうそう、遠乗りの、回数を重ねるにつれ、いつの間にか、アレックスの呼び名は、イスカンダルでは、なくなっていた。もちろん、わたしのの呼ばれ方も、エンドーではない。
そう。最初に決めたイスカンダルと、アンリ・エンドーと言う呼び方は、いつも間にか無くなっていたのだ。
どうして、偽名を使うのを止めたのかをアレックスに聞いてみようとも思ったこともあったけれど、それを尋ねて、また、イスカンダルと、エンドーで呼び合うことになるのは、あまりに面倒。たぶん、忘れてた。って言われそうだし・・・。そんな、やぶへびを恐れて、いまだに、なぜ?を聞くことは、出来ていない。
つまらないことを考えながら、風を切り、そのモヤモヤを吹き飛ばす。そうして、あのリンゴの木の下。わたしと、アレックスは、あの場所にたどり着いた。もちろん、護衛は、置いてけぼりだね。ついて来られていないから。
「で、わたしが、待ち合わせに遅れたって、わざとらしく理由をつけて、護衛を引き離した理由は?」
「あぁ、やっぱり気づいていたか。」
うん。アレックスは、わたしに甘い。ちょっと遅れたくらいで、そんな言い方をすることは、まずない。と、なれば、そこには、何か理由があるはずなのだ。
わたしが、じっと、顔を見つめると、少しためらった後、アレックスは、口を開いた。
「アリーに頼みたいことがある。自治都市セミノボヨから、鐘打ちを借りてきてもらいたい。」
「鐘打ち?」
「あぁ、王都の鐘打ち職人の最後の一人が、昨日、亡くなったんだ。」
アレックスによれば、どうやら、今朝の鐘が、鳴らなかったのは、魔力を通して、鐘をならず鐘打ちが、亡くなったのが原因らしい。そう、朝、起きられなかったのは、私のせいではないのだ。
ゴールドアートとブースケパレーが、足元の草をはむ。他には誰も居ないリンゴの木の下で、説明をはじめたアレックスの言葉が、小さく響いた。
「王子、姫、速すぎますっ。」
「仕方がない。ついて来られないお前たちが悪い。」
一通りの説明を終えたころ、護衛の人たちが追い付いて来た。っていうか、いつから、わたしは、姫になったのだろう。
もぉ、護衛の人たちが来ちゃったから、アレックスに、文句も言えない。
そもそも、鐘を打つくらい誰でも出来るんじゃないかとか、連れてくるのは、わたしじゃなくてもいいだろうとか・・・。
色々言いたいことがあるのだが、なぜか前を駆けるアレックスは、目を合わせようとしない。
シンデルラララ城というか、寮の前でパっと下馬すると、ゴールドアートの手綱を厩務員にあずける。
あれ?アレックス降りないの?
「アリー。これが、紹介状だ。鐘打ち職人の件、頼んだっ。」
ちょ・・・っ。わたし、やるって言ってないし・・・。
私の手に、封筒が1つ。地図が1枚。
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この封筒に入っている羊皮紙が、きっと紹介状ね。う~ん、面倒だし、ポイしちゃってもいいかなぁ?
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蛇足1.W杯・・・谷は?
サプライズは、谷晃生選手の落選ですねぇ。
川島永嗣選手じゃなくて、谷選手を選ぶべきだった
気がします。
ほかは、順当ですね。
ただ、アーセナルの冨安健洋選手がケガしたみたいです。
守備的な選手を思い浮かべると、
遠藤航、板倉滉、吉田麻也、冨安健洋、谷口彰悟、伊藤洋輝
この中で、板倉、冨安、遠藤の3選手が、ケガしたときだけは、
代わりに呼ぶ人が思いつきません。
うーん・・・長谷部さん呼びます?
どうでもいいことですが、自国リーグの優勝チームから、1人も
選手を招集していない国って、日本以外にあるのかなぁって
ちょっと気になりました。
蛇足2.戦争が下手。
たぶん、戦争が下手なんだと思います。
インフラを壊されて、居なくなるのは、移動できる人たちです。
てろ組織とか、イスらム国とかですね。
移動しない人たち、現在、住んでいる住民で、
そのまま住む人たちは、インフラを破壊されても、恨むだけ。
占領して、全員をほかの地域に移動させ、その場所に、新たに
都市を作るなら別ですけれども・・・。
とにかく、ウクライナは、秋はぬかるみ、春もぬかるむ。
ついでに、冬は凍る。
ぬかるんでいる秋は、街道とその周辺以外は、
簡単には、移動が出来ないんだから、主要な道を破壊して
おけば相手は動けなくなるのに・・・。
なんで、ミサイルで、都市部を攻撃したんでしょうね。
まぁ、おかげで、ウクライナが反攻できたんだから、
らっきーということでいいですけれども・・・。
都市の破壊に使ったミサイルやドローンを使って、
秋に入る前に、主要な街道と、鉄道網をボロボロに
されていたら、ロしア有利のまま冬に入ったと思うので、
運が良かったですねぇ。
蛇足3.円安
150円くらいまでは、読めてたんですけれども、
ここからが難しいですね。
突き抜けるのか、留まるのか。
まぁ、今の段階では、円高に行く要因が無いので、
大きく戻るの選択肢は、なさそうですけれども。