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3-44.本当に日本刀もどきで良かったかな?

 出来上がった 日本刀もどきを持って、アレックスの所へ行こうっ。 そうと決まれば、まず面会予約だ。


 マーガレットにお願いして、アレックスに ご連絡っ。


 すぐに会える!って、思ってたら、なんと2日後・・・。 んー。 それだと、ライリューン、来ちゃうな。 まいっか。 王都につくの夕方って、言ってたから。


 研究室に顔を出したけれども、ナカヨシも不在。 特にやることも無いから、久しぶりに ワンちゃんと 遊ぼうかな?


「パト、ラッシュ、チビっ。」


 戸締りをして、3匹を呼ぶ。ネコたちを、足の下に敷いて、可愛がっていた ワンちゃんたちは、わたしの所へと 駆け寄って来た。


「じゃ、お散歩に行こうか。」


 楽しそうに走る3匹。 しばらく歩くと、子供たちが遊んでいるのが見えた。 どうやら、この辺りの空き地は、子供の遊び場になっているようだ。


 剝がれかけの芝生が見える。 そんな空き地の一角に、あまりきれいだともいえないベンチに、小さなお婆ちゃんが 座っているのが 見えた。


「おや、かわいいワンちゃんたちだね。 食べるかい?」


 お婆ちゃんが、手に持っていた 殻付きのエビせんべいを 3匹に与えると、パト、ラッシュ、チビは、むさぼるように、それに飛びついた。


 うーん。 そんな食べ方されると、わたしが、ご飯あげてないみたいじゃないのっ。 あれ? そういえばあげてないな。 じゃ、仕方ないか。




[美容師の娘]  【 3-44.武器と被害者 】




 おばあさんの持っていたせんべいを、全て食べ終えたワンちゃんたちは、子供たちの方へと走って行った。 うん。 飼い主だと思われないように、ちょっと 距離を取っておこう。


「あら、お嬢ちゃん。 向こうで、みんなと 遊ばないのかい?」


 え・・・? 向こう? みんな?


「ほら、向こうで、みんな遊んでいるだろう? 行かないのかい?」


 あっ、わたし、子供だと思われてる? えーと・・・ わたしが、返事に困って、戸惑っていると、お婆ちゃんは、座っていたベンチを 少し横に移動して、ポンポンと、叩いた。


「じゃぁ、こっちにお座り。」


 うーん。 まいっか、この後、何か用があるわけでもないし。 お婆ちゃんに促され、ベンチに腰掛ける。


「よく、この空き地に 来られるんですか?」


 会話がないと、気まずくなりそうだったので、当たり障りのないことを聞いてみた。 すると・・・ なんとお婆ちゃんは、目に 涙を 浮かべたではないか。


「・・・大丈夫ですか?」


 心配になって 声をかける。


「あぁ、すまなかったね。 娘のことを 思い出して・・・。」


 顔を上げたお婆さんの顔色は、元に戻り、少し赤い目でわたしを見つめた。 お婆さんは、娘が辻斬りに合ったという。 その時の 帰って来た 娘のことを 思い出してしまったらしい。


「あの子が戻って来たのは、いなくなって5日目の夕方。 もう あの子は、小さな箱に 入っていたんだよ。」


 そうして、すでに火葬され、骨となって帰って来た 娘のことを話し始める。 っていうか、お婆ちゃん? さっき、わたしのことを 子供扱いしてなかった? 子供にそういう話を するの おかしくない? とは思ったけれども 空気を読んで 何も言わないでおく。


 しかし、辻斬りってアレだよね。 たぶん、フィリップス王子のやつだね。 こうして被害者の関係者を見ちゃうと、ちょっとフィリップス王子と 普通の顔をして付き合いをするのが、キツくなっちゃうよね。 今まででも、キツかったけれども。


 そうこうしながら、話をするんだけれども、やっぱり気分良くないね。 内幕が、分かってるもの。 わたしが、悪いわけじゃないのに、妙な罪悪感が、胸に沸いて来るし。


 お婆さんは、わたしに まだまだここに居てほしそうな顔をしているけれども、居心地は良くない。 それに、ワンちゃんのお散歩に来ただけだ。 うん、帰ろう。 ちょっと、憂鬱な気分で、ベンチから 立ち上がる。


 声をかけなくても、たぶんついて来るだろうと、学院への道を歩く。 足元を見ると、チビが 口に 鳥をくわえて歩いて来た。 あぁ、食べ物あげてなかった間は、ちゃんと、自分で たんぱく質を 摂ってたんだね。 まぁ、元々、山で自分たちだけで生きてたんだし、そのくらいできるか。


 うーん。 いいものが出来たと、自信を持っていたけれども、辻斬りの話を聞くと、日本刀もどきを 作ったのも なんか良くなかった 気持ちになって来る。 ワサビニコフさんに褒められて、わたし ちょっと、浮かれ過ぎていたたかなぁ。


 研究室の前で、獲物をもてあそぶ チビを見ながら、魔力を鍵穴に通す。 ぐるりと中のシリンダーが回り、カチャリという音がした。 ドアを開け、ナカヨシ研究室に入ったら、すぐに自分の実験室へ。 実験台の上には、白玉鋼の塊。 ツンツンとつつきながら、ひとつため息。 んー。 これ作った時は、すごくウキウキだったのに。


 明後日・・・ 明後日 アレックスに会いに行くのまで、ちょっと憂鬱。


 よしっ、気分を変えよう。 奥の空き部屋へと移動して、ライレーンのネコのエサを 引っ張り出す。 大きな袋を1つ、よいしょと持ち上げると、外の屋根のある場所・・・ つまり窯のあるネコちゃんの縄張りへ。


 袋を破り、ザラザラと、大きなお皿に盛ると、トントントンと、置いていく。 音に気付いたのだろう。 さっと、あの子たちが駆け寄って来た。 パト、ラッシュ、チビは、食欲旺盛だね。


 3匹が満足したら、ネコちゃんたちの番。 昔より、ちょっとだけ 大人しくなった ライレーンのネコのお食事を終わらせたら、もう一度、お皿を満杯にしておく。 よし、これで、しばらくご飯は用意しなくても大丈夫。 水も満杯にし、袋は、口を開けたまま置いていく。


 よしっ、ウジウジ考えても仕方ない。 いいものは出来たんだし、喜んでくれるって 信じて持っていこう。



=== ===== === ===== ===



 馬車に乗り、シンデルラララ城へ。 ポクポクと揺られていると、プレゼント用意する前に、オリンピュアスに 相談すれば、良かった 気がしてきた。



=== ===== === ===== ===

鬼ヶ島のバスに乗ったことがある人は、高評価を押して次の話へ⇒


蛇足1.鬼ヶ島の乗り物


 鬼ヶ島の乗り物は、どうやら、バスのようだったみたいです。


 というのも、鬼ヶ島観光自動車に業務停止命令が出たとか。


 四国運輸局の発表では、4月5日に事業停止122日間の

 事業停止命令の行政処分。


 バスの点検や、運転手への点呼が出来ていなかったそうです。



 と、いうことで、久しぶりですが、アレです。


 この、鬼ヶ島観光自動車が存在する女木島は、


 セトーナイン海に浮かぶオーガたちが居住している


 メーギアイランドとまったく全然これっぽっちも


 関係ございません。

 

 3-43.【閑話】海に浮かぶ島で、鬼は、鉄を守る

 2022/04/01

https://ncode.syosetu.com/n6487gq/204/



蛇足2.円安


 なんか、大変なことになりそうな気がしますけれども、

 言うのも怖いのでやめときます。 

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