3-30.【閑話】今年のあなたの運勢は・・・ 1.
パトと、ラッシュ。そして、チビを引き連れて、夜の王都をお散歩する。
右手には、恵方巻が4本。良く分からないけれども食べると縁起がいい食べ物らしい。
ん?・・・お腹がすいた?
ワンちゃんたちが、あまりに恵方巻を気にするので、1本ずつ与える。えーと、北北西ってコッチかな?
パクリと、巻きずしを口にし、モグモグモグ。うーん。美味しい。マーガレットは、いい仕事するね。
パトとラッシュは、食べるのが早い。けれども、チビにとっては、1本食べるのは、大変みたい。ちょっと時間がかかっている。
チビを待つ間に、ぐるりとあたりを見渡す。歩いているのは、ほとんど酔っ払い。まぁ流石に、この時間だと仕方ないか。
と、その時、路地の片隅に白い布をかけた机の後ろに座る男を見つけた。
机の上には、灯篭が置かれている。
『 易 ~ えき 』
そう、易者・・・占い師である。わたしは、ワンちゃんたちを引き連れて、その男の方へと歩いて行った。
[美容師の娘] 【 3-30.辻占い 】
ほう。本年の運勢を鑑定して欲しいと言うのですな。
分かり申した。
それでは、この風水八卦の年盤をご覧くださいませ。
1年の始まりは、立春からでございましてな。
え?立春でございますか?2月4日、本日でございます。つまり、今日から新年が始まったということですな。
「 五行 ~ ごぎょう 」は、ご存じですかな?
大自然は、「木」「火」「土」「金」「水」の五つの気によって構成されております。
「木」と言っても、木そのものではなく、木に象徴されるような木の性質を言うのですな。「木」は、成長・発展を意味しており、東、春をあらわします。
「火」は、南・灼熱の夏を象徴し、「土」は、中央に位置し、季節でいえば四季の移り変わりの土用を象徴します。「金」は、充実、結実を象徴し、西の方角、季節では秋の象徴です。「水」は流れを意味し、北の方角・冬を象徴しておりまする。
そうして、木から火、火から土、土から金、金から水、水から木へと、循環していくのです。
この5つの「木」「火」「土」「金」「水」を、兄と弟の2つに分け、10分類したものが、「 十干 ~ じゅっかん 」というものになります。具体的に言いますと、「木」のお兄さんが「 きのと ~ 甲 」。「木」の弟が「 きのえ ~ 乙 」と言った具合ですな。
今年の十干は、「水」のお兄さんに当たる「 みずのえ ~ 壬 」となります。ほら、上の「年盤の右下」に茶色で「壬」とあるでしょう。そうです。北の文字と北西の文字がございましょう。その間・・・北北西にございます。
さきほど、恵方巻を食べてございましたな。
本年は、壬 ~ みずのえ の場所に、歳徳神 ~ としとくじん という神様が、おられますので、節分には、そちらを向いて食べるのでございます。
さて、「 十干 ~ じゅっかん 」 が「天」でございますれば、「 十二支 ~ じゅうにし 」は「地」でございます。この2つ・・・天地を合わせたら「 干支 ~ えと 」というわけですな。
昨年の十二支は「ウシ」。今年は「トラ」でございます。
ほう?漢字が分からない。「 丑 うし 」「 寅 とら 」ですな。これは、上の「年盤の左下」に黒い文字で書いておりましょう。そうそう、それでございます。
それでは、本年の話をして参りましょう。
「十干」の「壬」は、女をつけると「妊」。陽気を下に宿すという意味を持ちまする。妊娠と同じで、孕む、身ごもる、宿すといったところですな。
「十二支」の「寅」は、虫をつけると「螾」。春の始まりで、草花が生じるさまをあらわします。うごめき、蠢動、といった生命が誕生して伸び行く始まりを意味します。
そして、上の八卦年盤をご覧ください。中央は、中宮と呼ばれる場所ですが、この位置に「五黄土星」が入っておりまする。この星は、「九星」の中でも大変強い特別な星で、他の8つの星を支配いたしまする。
こちらの星が、中宮に配座したということは、本年が、大事件・・・例えば、革命、戦争、災害などの事象が起こりやすい、創造の年となることを意味しております。
創造には、破壊がつきものでございまする。創成は「吉」ともなりますれども、破壊は「凶」ともなりまする。くれぐれも、ご注意くださいませ。
「壬」「寅」、「五黄土星」の中宮。これらを鑑みますと、本年は、新しい時代への生命の始まりの年となりましょう。新たなことに向かって動き出す変化の年となるようです。多くのことが明るみに出て、極めて速い速度での発展が、みられることと、なり申す。
それは、物質的な話だけれはござませぬ。
精神的なもの・・・価値観と言ったものについても大きな変革の始まりが起こりまする。
お気を付け下さいませ。周りを良くご覧くださいませ。流行を気になさいませ。いつになるや分かりませぬが、ふと、気が付いたときに、破壊されるべき古いものに囲まれていることもございます。
その始まりが、今年であるかもしれませぬ。
え?方位でございまするか?
そうですな。サルの位置、西南西にご注意くださいませ。
これは、上の八卦年盤、今年の「寅」の反対側でございます。「 申 さる 」の文字がございましょう。
「歳破」と申しまして、八将神の一つ。 古暦で方角をつかさどる凶神が、この位置にございまする。この方向に向かっては、転居、移動、舟乗、旅行などを忌むべきでございすな。
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全体的な話は、ここまでに致しましょう。
それでは、いよいよ、それぞれの生まれ持った「九星」ごとの運勢を見てまいります。
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自分の「九星」を知っている人は、高評価を押して次の話へ⇒
蛇足1.風水
先日、台湾にルーツを持つ風水を学んだ先生と
お話をする機会がございましたので、その時に
お伺いした話を、私なりに書いてみました。
勝手な解釈があるかもしれませんが、まあ
当たるも八卦。当たらぬも八卦でございますれば、
ご容赦くださいませ。
蛇足2.立春
1年の始まりは立春から
太陽が春分点から出て、再び春分点に達するまでの
黄経360度を24等分して、それぞれ節入りと中気が
配置されています。
つまり、2022年に入っていたとはいえ、1月1日から
昨日2月3日までは、まだウシ年だったということですね。
ということで、本日2月4日から新しい年。
寅年の始まりでございます。
蛇足3.恵方巻き
珍しく、3日の午後2時ごろに、スーパーの食品売り場に
行く機会がありました。
お弁当コーナーと書かれた場所に、山盛りの巻き寿司。
おーい。お弁当はどこだ?
そんな光景を見ることが出来ました。
4日は、20%~50%OFFの巻き寿司が楽しめそうです。
蛇足4.「木」「火」「土」「金」「水」を、兄と弟の2つに分け、
通常は、「陽」と「陰」の2つに分け、と表現します。
陰陽師の陰陽ですね。
お兄さん、弟のほうが親しみやすそうですから、私は、こっちの
表現が好きです。
蛇足5.歳徳神
「歳徳神」は、その年の福徳を司る神様。
この神様がいる方向を恵方といいます。
本文に書いてある通り、今年の「十干」の「壬」の方角ですね。
京町家には回転する神棚があって、神棚をその年の恵方に向け
お供え物を供えるとか・・・。
恵方巻きの原点ですね。
初詣は、自宅から見て恵方の方角の寺社に参るというのが、
本来のもので、恵方詣りとも言われます。
蛇足6.歳破神
8つの方位神のうちの一人。凶神です。
太歳神が在位する方角の逆に存在します。
つまり、その年の十二支の反対側に居るということ。
本文にあるように、寅の反対側に居るのは、申。
実は、気学における方位学での歳破とは、別物とされ・・・
けれども、そこまで、気にしなくていっか・・・。