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3-26.勇者草を採取せよ 3

勇者草の採取。


群生地へ たどり着いたのは、その日の夜だった。


「いやぁ、これは無理だね。 暗すぎる。

 今日は、ここで 寝ることになりそうだ。」


あぁ、温泉でゆっくりしすぎちゃった。 でも、帰りも あの温泉に 寄っていきたいな。


小さなテントを2つ張り、わたしは、その一つに潜り込む。


「ん? 教授、何してるの?」


「あぁ、鳴子だね。」


教授は、小さな竹筒を数本板にぶら下げ、それにロープをつけて テントの周りにぐるりと張る 準備をしていたのだ。


このロープに野生動物がかかると、カランカランと、音がするわけだね。


ん? 野生動物?


「うんうん。クマだね。

 この辺りは、人じゃなくて、クマの縄張りだから。

 鳴子がなったら、起きるようにね。」


教授はそう言いながら、周りを2回まわる。 テントを2重に グルリと囲むように、ロープを張っていったのであった。





[美容師の娘]  【 3-26.そして、鳴子が鳴り響いた 】





「ははは。 アリー、そう おびえなくても大丈夫。

 普通は、鳴子の音にビックリして向こうが逃げるから。」


教授は、そういいながら、テントへと潜り込んでいく。


「や・・ヤダなぁ。 おどかさないでくださいよ。

 クマが、襲ってくるかと 思ったじゃないですか。」


いやぁ、ビックリしたよ。 じゃぁ おやすみなさぁい。


山歩きで疲れたせいか、温泉で飲んだワインのせいか、わたしは、すぐに夢の世界に いざなわれた。



ウェンディが、食器を洗う。


洗った食器は、布で拭いて、私が並べる。 1枚重ねるごとに、カチャンっと 小さな音がする。


いやぁ、お家で、お手伝い。


わたしっていい子だなぁ・・・。 ん? お皿洗いのお手伝いなんてしたことあったっけ? うーん。 無いな。 全く記憶にない。


そうだねぇ。 ウェンディの夢を見るなら、もうちょっと 現実味のある夢を 見たかったなぁ。



カチャン、カチャン。



あれ? わたし、お皿なんて、もう触ってないのに 音がする?


「アリー。 起きてっ。」


慌てて、目を覚ます。 テントから顔を出すと、不安そうなセキアキ教授と 目が合った。



カシャン、カシャン。



あぁ、鳴子がなっている。 お皿の音は、これだったか。


「アリー。 気を付けて。

 いつでも動けるように しておきなさい。」


「教授。 クマですか?」


「いや、分からない。真っ暗で月も出ていないからね。」


暗いなら、灯りをつければいい。


手の平を前に出し、火魔法を発動する。


ぼわぁんと、丸い火の塊が、顔の前に浮かぶ。 同時に、その生き物と目が合った。


・・・トキニホンウルフ?


3匹のオオカミ。 2匹は 大きくて、1匹は小さい。 親子かな? お父さんがちょっと大きい。お母さんは、ちょっと小さい。 大きな個体は、どちらも 体を引きずるように・・・ いや、後ろ足は、間違いなく 引きずっているね。 仲間同士で、喧嘩でもしたのかな?


「教授。 オオカミみたいですね。」


「いや、なんで そんなに冷静なんだ。

 手負いのトキニホンウルフなんて、最悪だっ。」


「3匹だけですし、ケガしてるみたいですよ。」


「1匹みかけたら、30匹はいるのが、オオカミだよ。」


いや、それゴキブリだから・・・。


よく見ると、ケガをしているお父さんは、首輪をしているみたい。


火魔法の炎を空中に浮かべたまま、3匹に近づく。 んー。 人に慣れてる感じだ。 飼われていたことがあるのかな?


そうして、頭をそっと撫でる。 どうやら 噛まれるようなことは、なさそうだ。


あっ、お父さんかと思った方は、お母さんだったみたい。 ってことは、ほんの ちょっとだけ 体の小さい方が、お父さんだね。 さすがに子供と比べたら、圧倒的に大きいけどね。


あら? お父さんと、お母さんの首輪には、木札がついている。 名札かな?


お父さんの首には、「ラッシュ」。


お母さんの首には、「パト」。


ずいぶん古い木札だけれども、取れずに残ってるってスゴイね。 ん? 首輪についている金属・・・この紋章みたことある。 あぁ、ヘドファン家の紋章だ。


この子たち、ヘドファン家で 飼われてたのかな?


この子たちのせいで、すっかり 目が覚めてしまったので、1匹ずつ抱きかかえて、テントの方へと連れていく。


「おいおい、大丈夫かっ。

 トキニホンウルフだぞっ。」


「飼われてたみたいですよ。

 ほら、ヘドファン家の紋章も ついているし・・・。」


「ヘドファン伯爵家の?

 西では、トキニホンウルフを ペットにするのかい?」


「いや、それは、知りませんけど。

 向こうで飼ってた人を見たことは、ないですね。」


水魔法を使って、ぬるめのお湯を出し、1匹ずつ洗ってやる。


こらっ。 冷たいっ。 プルプルするなっ。 風魔法で温風を出し、毛を乾かしたら終了。 3匹を洗い終わったころには、東の空が明るみ始めていた。


「教授、明るくなってきましたね。」


「あぁ、朝食の準備をしよう。

 あっ、手伝わなくていい。オオカミの相手をしていてくれ。」


どうやら、教授は、まだ3匹のワンちゃんを 警戒しているようで、わたしに 見張っていてほしいらしい。



しかし、そう思い通りに行くわけがなかった。 なぜなら、教授は、食事の支度を始めたのだから。



ジューと、ベーコンの焼ける匂いが漂う。


ん? 匂いが漂う? なにか、思い出すな。 なぁんだったかなぁ。 あっミラドールだ。 一緒に、焼肉を食べに行ったね・・・。


「ちょっ。教授っ。 だめっ。 肉を焼いちゃダメだよ。」


「ん? アリーなんだね。」


「この子たちが居るってことは、他にも居るはずだよ。

 この子たちをケガさせた、トキニホンウルフの群れがっ。」


「あっ・・・。」


教授は、慌てて焼いているベーコンに水をかけ、調理を中止。 息をひそめて 辺りをうかがう。


「大丈夫だろうか? アリー、分かるかね?」


分かるわけないでしょっ。


そんな獣の気配とか 感じ取れるなら、この3匹が近づいてきた時に、気づいてるよ。



カシャン、カシャン、カシャン。



あぁ、やっぱり。 鳴子なんて役に立たない。 誰だよ。 普通は、鳴子の音に ビックリして 逃げるなんて言ったのは・・・。


ベーコンの焼ける匂いに惹かれた、オオカミたちは、わたしたちの テントの周りを取り囲んでいた。


「教授っ。 テントの中に入ってください。」


教授が、テントの中に飛び込むと同時に、わたしのテントに、3匹を放り込む。


風魔法っ!


飛翔魔法を発動。 テントを わたしが、両手で吊り下げるイメージで、浮かび上がる。


うぅ・・・ 重いっ。 なかなか テントが 持ち上がらないっ。


トキニホンウルフたちが、飛び掛かってくるのと、テントが空に浮かび上がるのは、ほぼ同時だった。


ふわりと浮いた 片方のテントからは、ヒャァァという、セキアキ教授の小さな悲鳴が・・・。 そして、片方のテントからは、キャイン キャイン という 子供の鳴き声が聞こえる。




=== ===== === ===== ===



こら、暴れちゃダメだよ。


下は、野生のオオカミで埋め尽くされてるんだからっ。 落ちちゃったら、助けられないんだからねっ。



=== ===== === ===== ===

「パト」と「ラッシュ」が、誰の飼い犬か知っている人は、高評価を押して次の話へ⇒



蛇足1.ダニエル太郎


 ビックリしました。


 マリーに日本人選手が勝つなんて。


 まぁ、故障後は、1度引退宣言したくらいですから

 全盛期より一段も二段も落ちるんですけれども、

 ネームバリューが違いますよね。


 そして、ダニエルは、

 ジョコビッチと、マリーのビック4

 2人に勝利したことのある選手にっ。


 よしっ。次は、ナダルとフェデラーに勝ちましょう。


 急がないと、2人とも、引退してしまいそうですけれども。



蛇足2.カタジナ ピーター


 ジョコビッチの名前を出しましたが、

 セルビアに強制送還になりましたよね。


 アレルギーが無いならワクチンを打てよ。

 と言いたくなりますが、


 悪いのは、ウイルス疾患であって、

 ジョコじゃない。というのも分かります。


 そして、本当の被害者は、レナタ・ボラコバ選手ですね。


 この ボラコバ選手。

 ジョコビッチ同様、ワクチン未接種で

 オーストラリアから退去となりました。


 騒動の、とばっちりですね。

 すでに、オーストラリアで、大会に出場してましたから。

 

 ちなみに、直前の大会でボラコバ選手とペアを組んでいた

 カタジナ ピーター選手は、どうなったのかな?

 って気になって見てみたところ、

 エジプトのマヤル シェリフ選手と組んで出場してました。

 

 じゃ、まだ良かったのかな?

 ボラコバ選手が居なくなったので出れないとか

 ならなくて・・・。



蛇足3.大坂なおみ


 なんか優勝しそうですね。


 ネットプレーで、ポイントを稼いるので

 展開が早くて、試合時間が短いんですよね。


 例えば、錦織選手の試合は、ベースラインでの打ち合いが

 多いので、時間が長く、消耗が激しいんです。


 これは、かなり優勝が期待できそうだなって思いました。



蛇足4.CO2削減証書


 二酸化炭素の排出が少ない代替燃料を

 飛行機が使うことで、それを使った

 出張をした企業が、CO2削減証書を

 受け取ることが出来るように、

 ANAがサービスを始めるようです。


 思っていたより進んでいるんですね。



 第165部分 3-05.二酸化炭素を吐き出さない11/21

 蛇足1.Sustainable Aviation Fuel


https://ncode.syosetu.com/n6487gq/165/



蛇足5.コインハイブ


 サイトを閲覧した人のパソコンを無断利用して、

 仮想通貨を得る作業を他人のPCにさせるプログラムを

 自分の運営するサイトに埋め込むのが違法かどうか。


 コインハイブ裁判の判決が出ました。


 無罪だそうです。


 これが違法で刑事罰にあたるとなると、

 勝手に広告を出して利益を得る、

 他のプログラムは、どうなるのか?


 と、いうことですね。


 昔、Winny裁判というのもあったそうです。

 同じような経過をたどったようです。


 その、Winny開発者こそが、仮想通貨ビットコイン

 開発者ではないか?と噂されていることは、

 とても面白いです。


 歴史って繰り返す上に絡み合っているんですね。



蛇足6.電子カルテや会計システム


 日本歯科大学附属病院のシステムが

 ウイルス感染したそうです。


 きちんとバックアップをとっていたのか、

 次の日からは 通常運転できたとか。


 さすがですね。


 ただ、保険証をマイナンバーカードに

 くっつける人は、減りそうな気がします。


 流石に、徳島の病院の時とは、人数も衝撃も

 影響力が、ちょっと違うでしょう。


 第154部分 2-118.

『鉱山の邪精霊』は『青く』、『月の女神』は『赤い』 11/01

 蛇足4.電子カルテのシステム


https://ncode.syosetu.com/n6487gq/154/

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