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3-19.子爵家の令嬢たち

「アリー。 久しぶりですわね。」


「うんうん。 ホントに久しぶり。」


「ナカヨシ研究室の 研修って、大変ですわねぇ。」


け・・・ 研修?


地下の強制労働を、いつから研修って 言うようになったんだろう?


そう思いながら、オリンピュアスの後ろを見ると、そこには4人の可愛らしい少女がいた。


誰だろな?


「アリー様、お久しぶりです。」


お・・・お久しぶり? 誰だよ・・・。 まったく全然これっぽっちも 知らない子だ。


「そうでしたわね。

 2人は、クラスメイトですものね。」


オリンピュアスが、思い出したかのように言う。


えぇーえぇぇぇ? 同級生? 知らないって。 こんな子。


そう思いながら、わたしは、ニコっと笑い、こういった。


「ほんとうに、お久しぶりですわ。」




[美容師の娘]  【 3-19.君の名は・・・ 】




「あぁ、そうだ。 オリンピュアス。」


「あら? 何ですの?」


「ライレーンのことで、聞きたいことがあるんだ。

 ちょっといい?」


わたしは、令嬢たちと離れ、オリンピュアスとだけ 話す必要があった。


「アリー。 ライレーンがどうかしましたの?」


「いや、ライレーンは、どうでもいいんだけど。

 あれ、誰?」


「えっ? お久しぶりって・・・。

 どなたか 分かってなかったのです?」


「だって、わたし、ずっとナカヨシの研究室に居るから。

 まともな授業なんて、数回しか出てないもの。

 ホントに会ったことあるかどうかすら、分からないよ。」


「分かりましたわ。

 うまく、ご紹介します。」


内緒話を終えたわたしたちは、令嬢の元へと向かった。


「えーと、ロレーヌ子爵家のマリーは、ご存じでしたわね。

 同級生ですもの。」


オリンピュアス。 ナイスッ。 マリーさんだね。 覚えたっ。


さっきのマリーさんは、ロレーヌ子爵家という 王都の貴族の令嬢らしい。


そして、他の3人は、オリンピュアスと同じ学年。


ナバラ子爵家のコンスタツァ。


アルバ子爵家のマリア。


ベルジック子爵家のジョゼフィーヌ。


みんな、王都の貴族。


ロレーヌ子爵家を含む いずれの家も、エイペロ伯爵家の傍系で、一応、血の繋がりもあるらしい。


すごーく、薄いけれども。


まぁ、王都の貴族ほとんどは、多かれ少なかれ、血族関係にあるため、遠い親戚どうしであるのは、珍しいことではない。


「まぁ、オリンピュアス様。

 みな、飛翔訓練の時に、お顔を合わせております。」


「あら、そうでしたかしら?

 では、ご紹介は、必要ありませんでしたわね。」


わぁぁぁ。 全員、挨拶したことあったんだ・・・。 ヤバっ。


こうして、背中に冷や汗をかきながらの、紹介が済んだら、ティータイム。


ふぅ。 寒いから、あったかい紅茶がおいしい。


あっ、わたしミルク頂戴ね。


「アリー様は、講義には出られないのですか?」


マリーは、同級生だから、わたしが 講義に全く出席していないことを知っている。


「ん-。 わたしは、研究室に所属してるからね。

 講義と試験は、免除。

 だけど、普通に 授業を受ける方が、楽なんじゃないかな?」


ナカヨシ研究室でやってることは、たぶん、講義より内容が高度だ。


それに、間違いなくハード。 特に、テレサさんからの依頼が入った時のスケジュールなんかは、ブラックすぎる。


「生徒が、研究室に所属するなんてないのですよ。

 普通は、卒業してからのことになります。」


えっ? そうなの?


わたし、ナカヨシの最初の授業が終わった瞬間、勧誘されたような気がするんだけれど・・・。


「アリーは、特別ですわ。 わたくしの親友ですもの。」


いやいや、オリンピュアスの親友だからって、学院内で特別扱いってことは、ないし。


「そうなんですね。

 やはり、オリンピュアス様は、すごいです。」


おーい。 なんでそういう着地になるの。 変な宗教にハマってる人みたいだよ。 えーと・・・マリーは、オリンピュアス教の信者? 後で、メモしておこう。


「飛翔訓練でも、ほとんどお見かけしません。

 風魔法は、使われるのですよね?」


コンスタツァは、1つ年上。 オリンピュアスと一緒だね。


「んー。飛ぶのは、1回目の訓練で、合格してるんだよね。

 ボジャナさんと、イヴァナさんにOKを貰ったから。」


ボジャナさんと、イヴァナさんは、現役の飛翔兵師。


特に、イヴァナさんは、飛翔兵師の中でも別格の存在だ。


「えっ? 1回目の飛翔訓練で?」


「さすが、ヘドファン伯爵家ですね。」


マリアとジョゼフィーヌは、風魔法は、使えないので 飛ぶのは無理らしい。


っていうか、オリンピュアスもそうだけれど、風魔法使えない段階で、飛ぶのは無理なのに、なんで 飛翔師学院にいるんだろう?


・・・これは、口に出さないほうが 良かったみたい。


そんなことも知らなかったのですの? と言ったようなあきれ顔のオリンピュアス。


そして、ほかの4人は、どうしていいか分からない といった顔。


「アリーは、西の辺境 育ちですわね。

 知らなくても、仕方がありませんわ。」


ぜんぜん、仕方ないと 思ってなさそうな顔で、オリンピュアスが言う。


そうだね。 そもそも、王都生まれで、王都育ちだもん。


どうやら、王子が入学する前後の年齢であれば、王都の貴族は、男女問わず、飛翔師学院に入学するらしい。


日本で、皇族が学習院に入学すると、元華族とか大会社の子供とかが入学するのと、たぶん同じなんだろう。


ただ、この話題を続けると、最終的にアレックスと、フィリップスの話題に行きつくことは間違いない。 さすがに辻斬りの話題は出ないにしても、下手をしたら、オリンピュアスとエウリュアの話題くらいは出かねない。


わたしは、話題を変えることにした。


「そういえば、ハゴイタを持ってきたんだけれど・・・。」


ぱっと、オリンピュアスが顔を上げる。


「アリー。これに名前書いておいてくださいね。」


出された1枚の紙。


そこに書かれていた文字・・・。



  新春ハゴイタ選手権出場申し込み書。



=== ===== === ===== ===



そこには、すでにオリンピュアスの名前が書かれており、あとは、ペアとなる人物が名前を書くだけの状態になっていた。



=== ===== === ===== ===

年越しそばを食べた人は、高評価を押して次の話へ⇒



蛇足1.あけましておめでとうございます



 すみません。 まだでした。


 美容師の娘を書き始めて、1年が過ぎました。

 2回目の大晦日です。


 遅筆のため、大変苦労しております。


 また、パソコンも、言うことを聞かず、


   びようしのむすめをかきはじめて、1ねんが・・・


 と打ち込むと、


 美容師の娘を掻きはじめて、1年賀・・・


 と変換したりします。


 これは、ある小説に書いた、


   こんにちわと挨拶をしても、

   お尻を掻いている。失礼だな。

https://ncode.syosetu.com/n7237hj/1/


 の部分のせいでしょう。


 そんなこんなで1周年と十数日。


 皆様に読んでいただけることで

 なんとか続けられております。


 どうぞ、来年もよろしくお願いいたします。 

 


蛇足2.ビデオテープ



 昭和63年から映画監督の対談を記録した

 シリーズ作品が、ビデオテープで記録されている

 そうです。


 国立美術館で作品をデジタルデータとして保存するため

 3月末までクラウドファンディングで資金を募るとか。


 集まった寄付金は、データに変換するための費用

 プラス

 映像DVDを各地の図書館に寄贈するための費用

 にする・・・


 ん?DVDなの?


 データそのものを渡して、向こうの都合の良い形に

 保存してもらえば、もうちょっと安くなるのでは?


 と思ったのですが、


 著作権などを守るために、いろいろあるでしょうね。

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