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3-11.フィリップスの魔力が尽きた

―― 飛翔訓練に 出席してもらえないか?


ナカヨシに 打診されたのは、その日の午後であった。


「わたし、そういうの免除されたんじゃ ないの?」


そう。 ナカヨシ研究室に入り、ナカヨシ教授の 個人授業を受けることから、実技であろうと 座学であろうと関係なく、わたしは、講義の受講を 免除されていたのだ。


「オリンピュアス殿が、護衛を 入学させたのじゃ。

 どうやら、飛翔師兵として 育てるのではないかの。」


「え? 護衛?」


オリンピュアスの護衛といえば、エウリュア・・・。


聞いてないよ? エウリュアを入学させたの? 何のために? トラブルにしか ならない気がする。


「その通りじゃ。

 問題が起こってから、火を消すのでは 面倒じゃ。

 火種が、周りに引火する前に 消しておいた方が良い。」


飛翔訓練は、学年を またいで 合同で行われる。 フィリップスと、その婚約者オリンピュアスと、オリンピュアスの想い人であるエウリュア・・・。


同じ空間に 3人がいる。


そんな場所に行きたくない。 考えるだけで、胃に穴が開きそう。 幽門と噴門のほかに何個か・・・。


そんなことを思いながら、それでもわたしは、1年ぶりに 飛翔訓練に参加することになったのであった。




[美容師の娘]  【 3-11.この子を飛ばさなきゃダメ? 】




オリンピュアスは、見てるだけ。


風魔法が使えない子は、飛翔訓練はお手伝いのみ。 凧をつけて飛んでいる学生のロープを持って、どこかに飛んで行ってしまわないよう補助する。 だけれども、オリンピュアスは、飛翔訓練にドレスで来る。 座っているだけだから。


って 思ってたんだけど、動きやすそうな 格好してるねぇ。


もちろん、現役の 飛翔師兵が、指導に来ている。 ちゃんとした訓練。 学生も、飛翔兵師も凧のような 羽と呼ばれる風受けを 背中につけて、空に飛ぶ。


あっ、私は必要ないけどね。


指導する飛翔兵師には、ロープはついていないけれど、学生のみ 事故防止のため 腰からロープが垂れ下がっている。 地上で、ペアを組む相手が 持ってくれているのは、魔法で作り出した風じゃなくて、自然風で 飛ばされてしまわないように。 そして、万が一、落下状態になった場合には、指導している飛翔兵師が、ロープを掴んで 助けてくれる。


そして、目立っているのは、もちろん 王子のフィリップスもそうだけれど、もう一人。 エウリュアだ。 騎士団学校を卒業して、飛翔学院に入るなんて、普通はやらない。 そりゃ目立つよね。 みんなの注目を 集めている。 あっ、アレックスは、もうこの実習には、出てこない。単位取得済みで、履修済みになっているから。 そういう意味では、オリンピュアスも 参加しなくて いいんだけどね。


あっ、オリンピュアスが ペアを組んでいる。 もちろん相手は、エウリュア。 そりゃ、動きやすい服装で来るはずだわ。 イチャイチャしたかった だけだよね。 あれは。


あぁあぁ、フィリップスが、じぃぃっと見てる。 やだよ。 コレから 何が起こるか 考えたくないわ。


「あら、アリー。 久しぶりね。」


その時、わたしに 声をかけてきたのは、赤く小さい風受け一つで、自在に 空を飛ぶ 赤き飛翔師兵、イヴァナフレート・マエロヴァ・リヒトホーフェン。


「イヴァナさん。 お久しぶりです。」


「1回 受けたっきり、この授業に出てないわよね?

 いったい、どういう 風の吹きまわしかしら?」


「あっ、2年になったので、顔を出しておこうと思いまして。」


うん。 オリンピュアスと、エウリュアが、問題を起こしそうなので、止めに来ました とは、言えないです。


「ふぅん。 まぁ、あなたに教えることなんて無いけどね。

 私より飛べるんだから、王国でトップと言っていいわよね。」


まぁそうよね。 飛翔の細かい技術については、イヴァナさんのほうが 上だろうけれど、魔力量の差が大きいので、スピードや航続距離といった 基本性能が、圧倒的にわたしが上だ。 瞬間的に、わたしと同じスピードを出して飛んでしまうと、イヴァナさんであっても、魔力がもたない。 おそらく、3分も飛べば、尽きてしまうだろう。


「どうする? やることないなら、教師の真似事でもする?

 あなたなら、飛翔兵師と一緒に教える側に回っていいわよ。

 そうだ、フィリップス殿下の 指導をしてちょうだい。

 今日は、パオラが 来ていないから。」


第二王妃であるパオラは、来ていない。 まぁ、毎回、妃殿下が、飛翔指導に来ていたら 学院側も大変だろう。


どうしようかな。 フィリップスの相手をするのは、面倒だけど、あっちに、わたしが 付き添っていれば、オリンピュアスと エウリュアが、フィリップスと、ぶつかることは 無くなるかな?


「そうですね。 じゃぁ、フィリップス王子の所に行きます。」


こうして、わたしは、フィリップスの飛翔訓練を 指導することになった。


「あ・・アリー。 アリーが、教えてくれるのか?」


「うん。 イヴァナさんが、そうしてくれって。」


フィリップスのペアとしてついているのは、学院生ではなく お側仕えの人。 わたしが、教えに来たら、ビックリしたような顔をしていた。 そうだね、普通はビックリする。


「で、どのくらい飛べるの?」


「10メートルくらいの場所に浮くくらいなら、簡単にできる。」


おーい。 浮くだけなの? パオラ妃も 飛翔兵師だったんだよね。 才能って 遺伝しないのかなぁ。


「そっかぁ。 じゃぁ、一緒に浮いてみようか。」


フィリップスのお側仕えに、ロープを持たせる。


「アリーは、羽は、使わないのか?」


「邪魔だもん。 飛ぶのに、絶対必要なわけじゃないから。」


地面に 風を打ち付け、ふわりと 浮く。


「じゃぁ、フィリップスも、浮いてみて。」


フィリップスの場合、地面ではなく、羽に風をぶつける。 こうすることで 最初の揚力を得るのだ。 5分ほど、風魔法を 当て続けたところで、フィリップスの体が、ちょっとだけ 浮いた。


んー。 これは、風をぶつける出力が低すぎるかも・・・。 そういえば、さっき、10メートルくらい浮くくらい簡単にできる って言ってなかったっけ? 数十センチ浮くのに、何分かかってる? って言いたいわ。


「うん。 OKだよ。じゃぁ1度、地面に降りてみようか。」


OKでも 何でもなかったけれど、こんなやり方していて、飛べるようになるわけがない。 風魔法の出力が、全く足りていないのだから。


「手から、向こうに向かって、風を発生させて見て。」


フィリップスは、素直に風を発生させ、人が居ないほうに そよ風を吹かせる。


「うん。いい感じだよ。 ただ、ちょっと力が弱いよね。」


そよ風 だもんねぇ。


「じゃぁ、その風の力を 目いっぱい強くしてみようか。」


そよ風の力がアップした。 うん。ドライヤーの弱くらいに・・・。 ダメだわ。


「どうだ? アリー、こんな感じか?」


「うんうん。 良くなってきたね。

 もうちょっと 強くなれば、もっといいんだけど。」


うわぁ。 全然ダメだわ。 なんかいい方法ないかな? そうして、風魔法の出力を揚げようとしたんだけれど、ここで 大問題が発生。



フィリップスの魔力が尽きた・・・。



=== ===== === ===== ===



困った。 わたし、この子を飛ばさなきゃ ダメなの? 無理だって。 こんなの・・・。



=== ===== === ===== ===

クリスマスプレゼントに、日本刀を貰ったことがある人は、高評価を押して次の話へ⇒



蛇足1.クリスマスプレゼントとして


 却下。あんまりよい話ではない気がします。



蛇足2.実験で出火


 12月4日、都立大で火事 実験中誤って出火。


 この前、東大でもあったような・・・


 

あっ・・・8月。夏でした。


 2-85.アタリヤショック 7 2021/08/17

 蛇足3.45台

https://ncode.syosetu.com/n6487gq/121/



蛇足3.白書


 小説は多様なものであり、作家によって形態が異なるのは必然。

 小説が良いかどうかは、その小説の読者が判断することで、

 外部が口を挟むことではない。


 うんうん。


 ある国の政府が、4日、記者会見を開き「ある国の民主」と

 題する白書を公表しました。


 白書では「ある国の近代化では、西洋の民主主義モデルを

 そのまま模倣するのではなくある国式民主主義を創造した」

 と主張しているそうです。


 そのうえで「民主主義は多様なものであり、国によって

 形態が異なるのは必然だ」として「国が民主的かどうかは、

 その国の国民が判断することで、外部が口を挟むことではない」

 などと主張しているとか。


 ある国は独自に質の高い民主主義を実践してきたそうです。



 うん。わたしも、独自に質の高い小説を提供していると・・・


 ・・・ごめんなさい。


 眠くて頭が、ほとんど働いていません。


 ちょっとした寝言です。忘れてください。


 (- -)zzz

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