2-108.カジノ革命 16
ディーラーの『アップカード』は、『4』。
ボクの手札 合計は『12』。 『10』と『2』に相当する『ルイジカード』だ。
『12』なら、『ヒット』すべきだと思ったのだが、基本戦略表の 羊皮紙の指示は、『S』。 『スタンド』~ 追加不要 であった。
ほんとかよぉ・・・。 『スタンド』を告げ ストップしたものの、不安で仕方がない。 初戦の勝利の勢いの乗って、小金貨5枚を賭けたのは、無謀だったかもしれない。
老紳士は、ボクの前なので、すでに『18』でストップを告げており、ボクのストップの後には、赤毛、 白ズボン、 金縁眼鏡と、順番に それぞれのターンが 終了していく。
『18』、『19』、『20』、『17』・・・。 彼らの札が、キラキラと輝いて見える。 いや、さすがに『12』は 無いだろう・・・。
アップカード『4』の隣に 伏せられていたカードが、表を向く。
『K』
・・・『10点札』だ。 『4』と『K』・・・。 つまり、ディーラーの合計は『14』。
ディーラーは、合計が『16』以下であった場合は 『17』以上になるまでカードを引き続けなければならない。 彼女の美しい指が、カードシューにかかり、次の1枚が 引き抜かれる。
『10』
ディーラーの合計は『24』。 バステッドだっ。
合計の数字が『21』を超えてしまうことを、『バステッド』あるいは、『バスト』と言う。 なんとなく、「バスト」だと「女性の胸」を 思い浮かべてしまうため、ボクは、意図的に『バステッド』を使うようにしているが・・・。 しかし、大切なのは、それではない。
『バステッド』をしてしまうと、無条件、その時点で、『負け』となることが 重要なのだ。
つまり、この回は、全員が、ディーラーに勝ったのだ。 『12』の私を含めて・・・。
そうかっ。 やっと理解できた。ベーシック ~ 基本戦略 の意味を。
ディーラーのアップカードが『4』であるときに、自分の手札合計が、Aを含まない『12』の時。 こういう時は、カードを引かずに、ディーラーの『バステッド』を狙うのが正着。 なるほど。
羊皮紙に書かれた指示に従った結果、私は、勝ちを 手に収めた。 それも、『ルイジカード』入りの手札でだ。 ルイジカードを使った勝ちは、配当が2倍。 今回の場合、賭けた5枚が配当となるのではなく、小金貨10枚分の儲けに なったのだ。
「おう、なかなか、やるなっ。
『12』で止めたのが 良かった。
素晴らしいね。」
老紳士が、親指を立て、ニッと笑った。 こういうのが、絵になるオジさんは、かっこいい。 思わずニヤッと笑ってしまった。
「運が、良かったです。」
「いやいや、『12』で止めるのは、勇気がいる。
どうやら、君は、勇者でも あるようだ。
この後の 勝負が、楽しみだよ。 ははは。」
グイッとワインを飲み干すと、老紳士は、その白いひげを 指で撫でた。
血のような色をした、赤ワイン・・・。
ん-。 老紳士が、白いスーツに こぼさないか 少し心配だ。
[美容師の娘] 【 2-108.バステッド BUSTED 】
「ほら、ライリューン。 当たりっ。
ね、私の予想通りっ。」
次のゲームが、始まるっ。 そう思った瞬間、後ろから、甲高い子供の声が、聞こえてきた。
******************************
「わーい。
これ、当たりでいいよね?
ちゃんと、前話に、人道なき記者団って書いてあるでしょ?」
「アリー、ちょっと、無理がない?
明らかに、国境なき・・・ を予想してるもの。」
「確かに、国境なき・・・ も、予想してたけどね。
でも、記者団って書いてて、同じジャーナリストの受賞!
これは、当たりで いいでしょっ。」
「だめーっ。 そんなズルは、許さないっ。
ほかに材料が、何かあったら 考えるけれど・・・。
さすがに、誰も、当たりって、認めてくれないよ。」
「一応、おーすげーSっくすてくは・・・ってのがある。」
「それ、関係ないでしょ。」
「これが、保険 だったんだよね。」
「保険? インシュアランスのこと?」
★インシュアランス Insurance ~ 保険
★ディーラーの表向きのカードが、『A』の時に、最初の
チップの半額を追加することで、保険をかけることができる。
ディーラーが、引く次のカードが『10点札』で、
『21』が完成した場合、保険としてかけた額の2倍の
保険金が払い戻される。
なお、その他の数字の場合は、かけ金が、没収される。
「ちがぁう。 その保険じゃない。
私がかけた保険は、『Po』るのなみっ。レベル高っ。の所。」
「Po?」
「そう、『Po』。 ポロニウム。」
「ポロニウムなんて、平和賞に関係ないでしょ?」
「リト・・・コ殺害事件の毒が、ポロニウムなの。」
「それと、何が関係あるのよ。
大体、死んでる人は、無理よ。
生存していないと、ノーベル平和賞は、もらえないわよ。」
「ライリューン、最後まで、話を聞いて。。
リト・・ンコが、殺された時、イタリア人と食事してるの。
会食の目的が、ポリト・・・カヤの射殺事件の真相究明。」
「ポ・・・フスカヤって誰よ。」
「アンナ=ポリトコ・・・ヤ。
この人が、ノーヴァヤ=ガ・・・の記者だよ。」
「ノ・・・ヤ=ガゼータなんて、知らないよ。」
「この新聞社の編集者が、ド・・・ー=ムラトフ。
今回の平和賞の受賞者だね。」
「じゃ、何?
アリーは、国境なき・・・を予想してたけど・・・。
それが、外れる可能性も、考えた。
・・・ってことで、二股をかけた。
それが、ドミトリー=・・・フさんってこと?」
「ノ・・・ヤ=ガゼータもあるかな?って。
新聞社自体が、受賞することも あると思ってた。」
「んー。 なんかズルい。
もうちょっと分かりやすかったら、当たりでいいけど。
これだと、ド・・・ー=ムラトフまでたどり着くの難しい。」
「国境なき・・・が、予想1位。
予想2位が、ノ・・・ヤ=ガゼータの新聞社自体。
ドミトリー=・・・フは、3番目の予想だったんだよ。
平和賞は、難しいのよ。
受賞者が、人になるか、団体になるかが、分からないのよね。
ターゲットが『報道』って所は、予想できてたのよね。
で、ロシアの問題か、アメリカの問題か。
2択だったんだけど、ロシアを予想。
ポロニウムでの毒殺は、他にないからね!
ここが、ポイントだよっ。」
「ちょっと、納得いかない所は あるんだけどねぇ。
でも、前回の蛇足でも、Poは、改行で強調してるのか・・・。
そだね。 おまけで、当たりってことにしてあげてもいいか。」
「やったー。 当たりっ!
やっぱり、こういうのは、当てないとダメだよね。」
「いや、おまけだし・・・」
******************************
うるさいっ。 カジノの子供を入れるな。
勝負に集中しようとしているのに、騒がしい子供のせいで、ディーラーが、手を止めてしまった。
これでは、せっかくの流れが、悪くなってしまう。
小金貨10枚分のチップを、ベッティングエリアに置く。 ガブリと水を飲んだ瞬間、ディーラーの指が、カードシューから、カードを引き抜いた。
さぁ、次のゲームの始まりだ。
アップカードは、『6』。
ボクの手札は、『5』と『5』。
合計は『10』。
自分が、Aを持っていない『10』。ディーラーが、『6』の時は・・・。
チラリと、羊皮紙に目を通す。 表には、『D』のマーク。 『ダブルダウン』~2倍賭けだ・・・。
賭け金は、小金貨10枚。 その横に、もう10枚のチップを並べる。 ボクは、追加したチップを 人差し指で指差しながら、ダブルダウンを告げた。
カードシューから、1枚のカードが飛び出す。
『9』
さぁ、後の結果は、ディーラーのカード しだいだ。
白ひげの老紳士は、『3』『4』で合計が『7』。 すでに、ここでストップをかけている。 彼は、『7』の手札で、勝負するつもりなのだ。
赤毛は、『A』と『6』で、ボクと同様、『ダブルダウン』を告げる。 持ってきたのは、『4』。 合計は、『21』だ。 やるなっ、コイツ。
白ズボンは、『J』と『8』。 『18』で、ストップ。 ベーシックから考えても、これは、正解だ。
最後は、金縁眼鏡。『6』『6』。 合計は『12』。 コンコンと、人差し指で、テーブルを叩く。 『ヒット』だ。 シュッと、カードが、流れるように飛んでいく。
『Q』。 合計は、『22』となり、バステッド。
先程、述べたように、合計の数字が、『21』を超えてしまった場合、『その時点』で、『無条件』で『負け』ることになる。
『その時点』『無条件』『負け』というのが、重要で、ディーラーの引くカードは、関係ない。 例え、この後、ディーラーも、『21』を超え バステッドとなっても、引き分けとは ならない。
つまり、この時点で、負けが決定してしまう。 金縁眼鏡が賭けたチップは、容赦なく、取り上げられることが 決まったのだ。
この回の、アップカードは、『6』。 下を向いているカードが、ひっくり返される。 ・・・『K』。 『10点札』なので、合計は『16』。 すぐさま、次のカードが、引かれる。
『5』。
おぅ・・・。 なんと『21』になってしまった。 ダブルダウンしたせいで、小金貨20枚分のチップが、取り上げられてしまう。
「チッ・・・。」
ん? 赤毛が、金縁眼鏡を、にらんでいる。 赤毛は『21』だから、引き分けで、次の勝負に、チップは持ち越されただろう。 なぜだ? なぜ、金縁眼鏡を にらむ?
「眼鏡の女が、引かなければ、ディーラーは、バストだ。」
老紳士が、そっと 耳打ちしてくれた。
あぁ、なるほど。 金縁眼鏡が、ヒットせず、カードを引かなければ、彼女が引いた『Q』は、ディーラーが、引いていたことになる。 つまり、ディーラの手札は、『6』+『Q』+『K』。 合計は『26』となり、バステッド。
そこから 逆算すると、もし、金縁眼鏡が、追加カードを引かなければ、彼女は『12』のまま。 しかも、ディーラーは、バステッドなので、金縁眼鏡を含めて全員が、勝っていたという訳だ。 なるほど、このゲームは、奥が深い。 周りの状況を考えて、全体として どっちが得になるかも、考えたほうが いいのかもしれない。
その後も、次々と、カードが配られる。 通算ゲーム数は、26回。 勝ちは、4回。 引き分け2回。 負け20回。 なかなか勝てない。 チップだけが、ドンドンと減っていく。 が、しかし、これは、忍耐のゲーム。 忍耐が 必要であることは、始まる前から 分かっていたはずだ。
そして、27回目のゲームが始まる。 今回の、カードも、あまり良くない。
自分の手札は、『9』と『5』。 ディーラーのアップカードは、『5』。 えーと、自分がAを含まない『14』・・・。 ディーラーが・・・なんとなく感覚でも、分かってきたが、念のため、チラリと羊皮紙を見る。 『S』・・・スタンドだ。 ここで、ストップをかけるべきなのだ。 勝負所ではなく、まだ、耐えどころ。
『スタンド』
ボクは、カードのストップを 告げた。
皆のターンが終わると、ディーラーが、伏せていた顔を上げるとともに、伏せていた1枚のカードも開けた。
『Q』・・・。 合計は『15』。 彼女は、17以上になるまでは、引き続けなければならない。 ・・・1枚さっと引き抜く。 ここで、開始前に差し込んだ 赤い札が現れた。 ということは、このセットは、ここで終了。 最終戦だ。
ディーラの3枚目のカードは『J』。
合計は『25』。 バステッドだ。
やはり、耐えどころでは、我慢をした人間が勝利をつかむ。 最終戦で、やっと勝利を手に入れた。 5勝20敗2引き分け。
手元の残りチップの枚数を数える。 賭け金を工夫したことで、負けは、小金貨30枚分程度の チップで済んだ。 負けたのは、ほとんどが 小金貨1枚で 賭けた時だからだ。
「うん。 やはり思った通りだ。
君は、やるね。
それほど勝ったように見えないのに、チップが減らない。
正しい戦略で、勝負に挑んでいる証拠だ。
私の名は、カネール。よろしくな。」
ディーラーが、カードシューに入った古いカードを破棄し、新しいカードのシャッフルに入った。 その休憩と言っていい合間の時間に、白いスーツで、白いひげの老紳士が、再び 話しかけてきた。 カネールさんと言うらしい。
「あっ、ツツ・ゴー・ヒロミンといいます。
よろしくお願いします。」
こちらも名乗っておこう。 この老紳士の積み上げられたチップは、27回のゲームで、高さを少し増している。 ボクよりは、勝ちが多かったものの、それほど勝っていたようには見えなかった。 増えているのは、やはり、ベーシックを使って、正しく戦っているのだろう。
ディーラーが、カードをシャッフルしている休憩の間に、カジノスタッフに、水を頼む。 老紳士が 頼んでいるのは、赤ワインのようだ。
「んー。 この椅子が空いてるねっ。
よーし、ロナウド、頑張っちゃうぞ。」
甲高い声。 黄色い服に、赤い縞模様のシャツ。 赤いアフロの髪型。 赤い鼻。 白く塗られた顔。 道化師か? こいつは・・・。 しかも、自分のことを「ロナウド」なんて、名前で呼んでいる。 あまりにも奇抜な恰好だったため、思わず、ジロジロと眺めてしまった。
そして、このテーブルで空いていた 最後の椅子に、「ロナウド」と名乗るピエロみたいな男が、腰かけた。
「うーん。 みんな、よろしくね。
赤色を探せば、どこに居ても、見つけられる。
赤髪アフロの ロナウドだよっ。」
場の空気を読まない 珍妙な自己紹介。
「ロナウドは、おしゃべりが 大好きなんだ。
一緒に、お話しようよ。
それにね、ロナウドは、今、ダンスに夢中。
ほらね。 自然に 体が動いちゃうんだ。」
おいっ、カジノで椅子の上に立って、踊るなっ。
うーん。 別のテーブルに座ってくれたらよかったのに・・・。 メンドクサイ男が、乱入してきた。
「ステッキで、殴り倒してやろうか・・・。」
白スーツのカネールさんが、持っていたステッキを少し持ち上げた。 えーと・・・殴らないでくださいね。 このロナウドと言うピエロは、白スーツに 白ひげの カネールさんと、特に 相性が、悪そうだ。
シャッフルが 終わった後、赤い札を ディーラーが 取り出した。
「あぁ、それは、ロナウドに任せてっ。
ロナウドが、素敵に差し込むよっ。 フルッフー。」
カードを差し込むだけに、素敵も何もあるかっ。 なにが、フルッフーだ。 お前は、鳩かっ。 うーん。 調子が狂う。 新しいカードが収められた カードシューが、テーブルにセットされて、ゲーム開始。 なにか、居心地? 座り心地が 悪い。
とりあえず、ボクの賭け金は、小金貨1枚分にしておこう。 残りのカードに、どんなものが残っているか予想できないゲームの前半は、少ない賭け金で勝負したほうが、損をしにくい。 コトリっと、チップを1枚 テーブルに置く。
ブツブツと声が聞こえるので、見てみると、テーブルの端っこの椅子で、ロナウドが、自分の思考を 声に出しながら、チップを積んでいる。
「そうだねー。
最初の 賭け金は、いくらにしようかなぁ。
うーん、これくらい。
ハンバーガーが、4個分ぐらいかな?」
そう言って、積まれたチップは、小金貨40枚。
=== ===== === ===== ===
おい、どこの世界に、1個が、小金貨10枚のハンバーガーが、あるんだよ。
行かねーよ。そんな高い店っ。
=== ===== === ===== ===
うわぁ、平和賞当てたって、ドヤ顔がウザいって思った人は、高評価を押して次の話へ⇒
蛇足1.答え合わせ
答え合わせをしていきましょう。
2-107.カジノ革命 15
https://ncode.syosetu.com/n6487gq/143/
思わず、吹き出しそうになってしまった。
さすがに、『レッツゴー』は、無い。
まぁ、『人道なき記者団』と呼ばれる
ゴシップ報道集団『パパラッチ』に、
常に狙われるような 生活は したくない。
ボクには、芸能人は、無理だろう。
報道関連だとは、思ってたんです。
予想は、国境なき記者団か、弾圧されている報道の団体です。
2-107.カジノ革命 15
https://ncode.syosetu.com/n6487gq/143/
蛇足8.ノーベル賞予想より
おーすげー Sっくす てくは
Pるのなみ れべるたかっ・・・
O酸素、S硫黄、Seセレン、Teテルル、
Poポロニウム、Lvリバモリウム・・・。
ほら、『Po』で改行してるでしょ。
『ポロニウム』の初出は、2-102.カジノ革命 10
https://ncode.syosetu.com/n6487gq/138/
唐突に、元素の周期表を出したのは、『Sr』と『Po』、
『ストロンチウム』と『ポロニウム』を出したかったんです。
蛇足2.ドヤ顔
10月5日。
ノーベル平和賞に、報道の自由を掲げ
政権の強権的な姿勢を批判してきた
フィリピンのメディア「ラップラー」の
「マリア・レッサ」代表と、
ロシアの新聞「ノーヴァヤ・ガゼータ」の
「ドミトリー・ムラートフ」編集長の、
2人の報道関係者が選ばれました。
フィリピンは、ドゥテルテ大統領の副大統領選挙の
立候補の問題があったので、無いと思っていました。
これは、これっぽっちも予想できませんでしたね。
(ドゥテルテ大統領は、副大統領選に出ないと発表し、
10月2日に、政界引退の意向を示しました。
これも、ちょっとは、影響したのかもしれません。
分かりませんけれど。)
それは、ともかくとして、ロシアです。
ドミトリー・ムラートフ氏は、ロシアの独立系の新聞
「ノーヴァヤ・ガゼータ」の創設者の1人。
24年間、編集長を務めています。
プーチン政権に批判的な報道で知られ、記者が殺害されたり
脅迫を受けたりしてきました。
その「ノーヴァヤ・ガゼータ」の殺された記者の一人が、
「アンナ・ポリトコフスカヤ」さん。
2006年年10月7日、ポリトコフスカヤさんは、
モスクワ市内の自宅アパート建物エレベーター内で
射殺体で発見されました。
ロシア連邦大統領プーチンへの批判と、
彼の行った第2次チェチェン紛争の批判をしていた
彼女の殺害は、いろいろな憶測を生みました。
そんな中、起こったのが、
アレクサンドル・リトビネンコ殺害事件です。
ソ連国家保安委員会(KGB)で働き、ロシア連邦保安庁(FSB) の
職員も務めたことのある、このロシア人は、当時、イギリスに
亡命していました。
第2次チェチェン侵攻の内幕を暴露するなど、
プーチン政権の裏側を暴露するなどの活動をしていたため、
ロシア国内に居られなくなったんですね。
さて、事件は、今はもう存在しない、イギリスのお寿司屋で
起こりました。
そう、すしチェーン店なんです。
そのせいで、特に印象的なんですよね。
2006年11月1日に、彼は、プーチン政権に批判的な
報道姿勢で知られたロシアの新聞社「ノーヴァヤ・ガゼータ」の
「アンナ・ポリトコフスカヤの射殺事件」の真相を究明するため、
イタリア人教授マリオ・スカラメッラと名乗る人物と、
ロンドンのピカデリーサーカス周辺の寿司チェーン店「itsu」で
会食後、体調が悪化させ、病院に収容されました。
リトビネンコ氏は、すぐに、集中治療室に収容されましたが、
同年11月23日に死亡。
そして、彼の体内から、放射性物質のポロニウム210が
大量に検出されます。そして、すし屋やその周辺では、
放射性物質の痕跡が確認されたそうです。
210Poが、崩壊して放出されるアルファ線は、
電離作用が強いので、透過力(突き抜ける力)は小さいため、
紙や数センチの空気で止めることが可能です。
しかし、そのせいで、体内に取り込んだ場合の内部被曝は、
恐ろしいものになります。
半減期が短い210Poは、極めて強い放射能を持ちます。
これを、取り込んでの、体内被曝です。
彼の死は、おそらく紅茶ではないかと言われている、
Poの入った、食べ物か飲み物を、口にした段階で、
決まってしまっていたのでしょう。
これが、世にも珍しいポロニウム210を使った暗殺事件です。
なお、2004年に死亡したパレスチナ自治政府アラファト氏も
210Poが、暗殺目的で使用されたと、疑われています。
ってことで、平和賞。
ちょっとずるい、二股をかけましたが当たりです。
ドヤ顔っ(*'▽')。
蛇足3.ノーベル化学賞
ノーベル化学賞の発表は、6日でした。
受賞は、有機触媒の分野。
触媒は、化学反応を進めるための物質です。
実は、小説本編で、この後、アリーは、「ハナジデル触媒」などを
使って、魔王草研究物質33号を合成させる予定でした。
ナカヨシ教授に、教わりながらです。
ところがです。
ノーベル化学賞を受賞した、リスト氏とマクミラン氏の
功績は、化学反応を促す「新たな有機触媒」。
「金属を使わずに有機合成をする」という分野の研究が
評価されています。
とくに問題なのが、
これまでの「古い触媒」は「パラジウムなどの金属」を使う
ことが一般的だったが、この触媒は金属を使わないことから、
医薬品などを作る際にも、より安全に作ることができるし、
安価に作れることも特徴・・・
・・・「古い触媒」そして、「パラジウムなどの金属」・・・
金属を使わずに有機合成をすることは、
金属を使わないことで、薬を作るときに不純物が入らない
といったメリットがある。
きぃぃぃぃ。
「ハナジデル触媒」を使うナカヨシの手法が「古いっ」・・・。
そして、安全じゃない・・・。
うぅぅ・・・悔しい・・・。
しかも、です・・・
天然触媒である「酵素」の場合は、使い道が限られており、
化学反応を促す新たな有機触媒は、「第3の触媒」として、
反応を効率化できる・・・。
2-78.スニップスのリン酸化
https://ncode.syosetu.com/n6487gq/114/
~ カイネースっ ~ 増えよ酵素
~ ファスファアレェションっ ~ リン酸化
まさか、ナカヨシの魔法「スニップスのリン酸化」にまで
ケチを付けられてしまうとは・・・。
うぅぅぅ・・・重ねて、悔しいっ!
蛇足4.後継者作り
2-89.アタリヤショック 11
https://ncode.syosetu.com/n6487gq/125/
「ハイヴェ、こちらは、アリー。
ヘドファン伯爵家の令嬢で、ワシの後継者じゃ。」
後継者を育てるのは大変です。
野球の、原辰徳監督の後継者の話です。
その昔、巨人のヘッドコーチをしていた原氏。
2001年シーズンの後半戦、将来の監督就任を見据え
コーチでありながら、当時の長嶋監督から指揮を任されて
いたと言われます。
さて、10月5日、阿部慎之助二軍監督が。
一軍作戦コーチに配置転換となりました。
原監督は今季が3年契約の最終年。
クライマックスシリーズで、
日本シリーズ進出を逃した場合、
監督勇退も予想されます。
(さすがに、日本シリーズに行ったら
続投しそうですが・・・。)
それは、ともかく、この時期の、阿部慎之助
二軍監督の一軍への移動です。
勇退の可能性を考えて、実は、現在、阿部慎之助
コーチに、指揮を任しているのではないでしょうか?
2001年に、長嶋監督から自身が指揮を任されたように。
と、言うことで、
「10月5日、もしくは、6日から、
ジャイアンツの指揮は、阿部慎之助が采配している。」
ノーベル賞予想を当てたついでに、予想しておきます。
しかし、現役続行を希望していた阿部選手を、
将来の指導者への道を、具体的に示して、
このように育てているジャイアンツをに比べて、
現役続行を希望していた鳥谷選手に、
将来の指導者への道を、抽象的にしか示さず、
ロッテに移動されてしまった阪神が、悲しいですね。
鳥谷選手の打席が見れるのは、嬉しいですけど。