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2-98.カジノ革命 6

オープニングスタッフ募集!

ただし、魔法の使える人っ。


って、募集したんだけれど、これが 良くなかったのかな。


土魔法しか 使えない人・・・。 いらない。


基本的に、私の、カジノスタッフには、風・火・水魔法が、求められる。


土魔法が必要なときは、それを使える人を、その時臨時で雇えばいいし、そもそも、風・火・水の魔法を使える人に、土魔法を使える人が、少なくない。


と、いうことで、面接。


端っこに、パーテーションを立てて 隠れてたんだけど・・・、なんで土魔法しか使えない人が、こんなに来てるのよっ。


あー、使える人が、居ないよ。 どうしよう。


とりあえず、風・火・水が使える人は、どんなレベルでも、採用っ。 メインが、土魔法でも、風・火・水が、ちょっとでも使えたら、採用っ。


魔法要因として、使ってみて、ダメならホールスタッフとして、再教育だねぇ。


ホント、土魔法使いって、使えないわぁ。




 

[美容師の娘]  【 2-98. Re Open after Re novating 1 】




って、思ってたんだけど、予定を大幅に変更っ。



土魔法使いって、最高だわ。



いや、私、気づいてなかったんだけど、ほとんど進んでなかったみたいなんだよね。 改装工事。 危なかった。


ということで、面接で、落とそうとした 土魔法使いさん 全員を 採用です。



さぁて、カジノの外観って言うと、派手なライティングのイメージなんだけど、ライトの魔法は、光魔法。 光魔法は、血族魔法なので、帝国の皇族しか使うことのできない・・・。


一応、そういうことになっている。 私と、ナカヨシは、光の魔法を使えるけどね。


王国では、灯りを取る場合は、火魔法を使って、火を使うのが 一般的。


例外は、カエルスモッグ博士が開発した、雷魔法を使った 電気魔法。


炭素棒に 雷による電流を流すことで、放電により、炭素棒が 加熱され、白熱し、強い光を 出すことが出来る。


ただ、あれを使うには、音が問題ね。 バチバチバチって、ものすごい音が しちゃうのよね。


なので、光魔法はもちろん、カエルスモッグ博士の炭素棒ランプも却下。 ド派手に、カジノをライティングすることは、簡単には、できない。


と、言っても少しでも、明るく見せたいので、外壁は、真っ白に仕上げよう。



はーい。 土魔法使いの皆さん 出番ですよー。



土魔法で、石灰を作り出す。 水酸化カルシウムと、ちょっと炭酸カルシウムも混じってるみたい。 まぁ、どうでもいいや。


足場も、土魔法で、ドーン。


あっ。ドーンって言ったけれど、ドーンって スピードでは、出来なかった。


ゆっくり ゆっくり 組み上げる。


魔力が切れたら、サラサラと砂になって・・・というのでは、大事故が起こってしまうので、下から隆起させる形で、丁寧に 組み上げてもらったのだ。


外の施工が、完成したら、解体するんだけど、それが惜しく感じるくらい 立派な足場が出来た。


出来上がりが、ドーンだね。


外壁の表面を、汚れ落としの意味も含めて、壁に やすりを かけて削り、下地だけにする。


穴があれば、きれいに 粘土で 埋める。 んー、真っすぐな 壁が出来上がった。


さぁ、本格的な 外壁工事だ。


石灰塊結晶と、粘土に、鉄を製錬する際に出る不純物と、二酸化ケイ素やガラスを 混ぜる。


クズ鉄と、二酸化ケイ素やガラスは、ほんの少しで良かったので、クズ鉄は、精錬所の廃棄物からもらい、二酸化ケイ素やガラスなどは、珪石を砕いて 代用した。


石灰塊結晶と、粘土は、土魔法。


全ての材料を 細かく砕くのも、土魔法。


丁寧に混ぜるのも土魔法。


焼くのは、火魔法。


便利だわぁ。 火魔法も使える土魔法使いって。


窯の中に、混合物を放り込み、1500℃程度まで 昇温焼成したあとに 急冷。


で、これに、約3%弱の硫酸カルシウムを混ぜる。


これで、セメントもどき完成。


硫酸カルシウムも、そこまで量を必要としなかったから、溶岩から取ることも考えたんだけど、内装をやるときは、石膏ボードが欲しいのよね。 どうせ必要なら、作っちゃえってことで、土魔法で ある程度の量を作ってもらう。



骨材に、砂が欲しい。


川砂を取ってくれば、いいんだけれど、スグに欲しいし、とにかく量が欲しい。 なので、これも、土魔法に頼ることにする。


大切なのは、適当な硬度があって、有機物が 入っていないこと。


そして、塩分は、ほぼ ゼロにしたい。


ナトリウム・カリウムなどのアルカリ金属イオンも、ゼロに近くしておきたい。


まず、塩分は、鉄を痛めてしまう。 鉄は錆びるとその強度を失うけれど、塩が含まれている場合、柱となる鉄筋を 錆びさせてしまうのだ。


アルカリ金属イオンは、異常膨張のもとになる。 鉱物と、ナトリウムイオンやカリウムイオンが反応することで、膨張するのだ。 これにより、外壁にひび割れを起こすことになる。 まぁ、壁に穴を開けて、亜硝酸リチウムを注入するとかすれば、なんとかなりそうだけど、そんな面倒なことをするより、最初から きちんと 対応しておいた方が いい。


そして、大きさ。


粒の大きさに偏りが無く、粒径が均一であることも大切。


これらの条件を、土魔法使いの皆さんに伝えて、協力して 砂をつくってもらう。


砂の密度は、小さいものにして、出来るだけ 軽くする。 軽い方が、建物の負荷も小さくなるもんね。


この骨材=小さな砂粒を、先程つくった、先ほどの セメントもどきと 合わせる。


水をいれ、骨材を入れ、セメントもどきを丁寧に練り合わせる。 これも、土魔法。 ホント、なんて 便利なんだろう。 不採用にしようとした人の 顔が見てみたい。


こうしてできた材料を、壁の下地の上に塗っていく。 丁寧に、真っすぐに。


乾いたら、きれいな下塗りが、完成だ。



さて、次だ。中塗りっ。


たしか、ヨーロッパで使われているようなものは、消石灰に、水と砂を混ぜてたよね。


用意したのは、0.3mmくらいの大きさの 石英の粒。


これは、さっきセメントもどきを作るのに使った、珪石を土魔法で粉砕。見事なまでの微細粒化。


これで、石英の粒を、必要量 確保できた。


割合は、石灰が「1万」に対して、石英の粒は「1万1千」って所かな?


貝殻とかも、潰して混ぜたいけれど、集める時間がもうないし、不純物を除く時間も、もったいない。 せっかく土魔法が、使えるんだから、消石灰、水酸化カルシウムで行きましょう。


これに、海藻でつくった糊を「300ちょっと」。

これは、木魔法で、メチルセルロースを作り出すことで代用する。 不純物も入らないし、こっちの方が楽でしょ。


木魔法も使える土魔法使いが、ある程度の人数いたことに、ホッとする。


いや、最初、風・火・水の魔法を使える人しか、眼中になかったからね。 海藻糊の代わりに、メチルセルロースを作るなんて これっぽっちも、考えてなかったんだよ。


あと、大麻草の繊維を 細かくほぐして切った 麻スサを「20」。


いやぁ、飛翔師学院に、大麻草の葉を乾燥させたものを、燃やして、煙を吸う習慣が、蔓延していたのは、ラッキーだった。 材料が、すぐに集まったから。


と、いうことで、混ぜる割合は、1万:1万1千:300ちょっと:20。


さて、これは、練置きしなきゃだめだから、一夜放置。 しばらくの間、寝かせて置いとかなきゃダメ。 朝になって、丁度よくなっいたら、ちょっとずつ水を混ぜて、塗っていくことになる。


よしっ。 砂混ぜ消石灰プラスアルファは、一応完成。


これ、運ぶのが大変だった。 3階くらいまではいいんだけれど、5階くらいから上になると、時間をかけずに、運ぶのが、もう・・・。 高い場所まで、一気に行くには、エレベーターが、やっぱり欲しい。 内装工事の時は、魔法でどうにかできないか、検討しよう。


砂混ぜ消石灰プラスアルファを 中塗りとして、下地の上に丁寧に塗っていく。


これも、丁寧に、丁寧に。


そして、乾燥までは、ちょっとお休み。ぐぅ・・・。



中塗りが終わったら、いよいよ、本塗り。これが一番大切。


これは、石英を入れないパターンで、同じようなものを作って、塗る。


この、純白の塗りが大切。


だから、このタイミングで、土魔法使いを 厳選する。


ここまでの、下塗りや中塗りを観察して、土魔法の使い方に 丁寧さがある人と、風魔法も一緒に使える人に分ける。 どちらにも当てはまらない人は、内装工事に移動してもらった。 いや、向こうも、大変なんだよ。


3階までの下層階は、丁寧な塗りが 出来る人たちに、きれいに塗ってもらう。 土魔法の精度が高い人ほど、やっぱり仕事が丁寧だね。


上層階は、風魔法を使った吹付けも使う。 羽と呼ばれる凧を背中につけた、飛翔魔法も使ってもらって、均一に均一に、吹き付けて塗るのだ。


この方法は、広範囲を一気に塗り上げることが出来るから、時間短縮にもなった。


乾いたら外壁は、一応、完成なんだけどね。 ライトアップの代わりに、火魔法を使う予定なの。


火を使うということは、(すす)けるし、()げる。 せっかくの白壁が、黒くなるんだよねぇ。


そこで、ライトアップのための、火魔法を使う場所は、焦げや、すすの黒色が、目立たないように、青い外壁にしようと思う。


まずは、瑠璃(るり)石を砕いて、青の顔料を作ろうと思ったんだけど、この石が、貴重すぎて、数が足りない。


瑠璃石、どっかに落ちてないかな。


仕方がない。 土魔法で作るか。


意外にも、これが、とっても難しかった。


雇った土魔法使いさんたちでは、到底、無理。


そして、私も、作ることが、出来ない。


仕方がないので、秘密兵器ナカヨシにお願いした。



「瑠璃石か。 方ソーダ石じゃな。

 ケイ酸・・・。 アルミニウム。 ナトリウム。

 三次元網目構造を作るか・・・。

 これは、難しい。」


サンジゲン・・・なに? それ、呪文? ナカヨシでも、難しい?


「切頂八面体のアルミノケイ酸塩の構造を作る。

 それを、四角に三次元上に連ねる。

 うむぅ、結晶構造がのぉ・・・。」


出来そう? できる? ってか成功させてよね。


ときどき、作業を確認しに、カジノに戻りながらも、様子を見守る。


「これは、無理じゃ。」


えー。 ナカヨシに無理なら、誰にも作れない。 青色は、あきらめなきゃダメか・・・。


「作るのは、出来なくもない。

 結晶化の維持が、難しいのじゃ。

 すぐに、崩れて粉になってしまう。」


いや、崩れていいんだよ。


「ん? おぬし、ラピスラズリ石が、欲しいのではないのか?」


ラピスラズリは、瑠璃の別名。


深い青色を持ち、しばしば 黄色い石粒を含んで、夜空のような輝きを放つ宝石だ。


ちょっと、宝石が欲しいだけなら、購入するって・・・。


青色の顔料が、欲しかったの。


「なんと、それなら、崩れた青い砂でも、問題あるまい。

 あれを、持っていけばよい。」


おぉ、失敗作の山が、研究室の裏に廃棄物として、出されていた。 さすが、ナカヨシ。この短時間で、こんなに失敗作を作っていたなんて。


と、いうことで、ありがたく受け取る。 荷馬車は、ゴトゴト揺れるんだよー。



カジノまで、青砂を荷馬車で運んでもらったら、作業開始。


青砂を、蝋、樹脂、油と混ぜ合わせる。


できた塊を布に包み、うすい灰汁の中でこねると、青色の粒子が容器の底に沈み、不純物や無色の結晶は塊の中に残る。


これを5回ほど、繰り返す。

あとから滲出してくるものほど、色は落ちるので、初回の青色の粒子は、貴重。


別にして、高彩度の紫青色発色成分顔料として保管する。 きれいなフェルメール・ブルーの顔料として使えそうだもの。


2回目以降の滲出物を、カジノの外壁用に使おうと思う。



もう一つ、必要なのは、松を燃やしたスス。

樹脂の多い松の根元を集めて、不完全燃焼させて、煤を作る。


この松由来の炭素黒色顔料は、和墨の原料にもなるものだ。


この松炭素黒色顔料と、瑠璃の青砂顔料を使って、青壁を作る。


黒の量が多いと、青色を飲み込んで、まっ黒になってしまいそうなので、さっきの割合で言うと、2万1千+約400:黒1000:青600で混ぜる。


混ぜると・・・えっ?灰色?

そう、白21400、黒1000と、青600を混ぜると、青みのかかった灰色になる。


大丈夫なのかと、不安になりながら、水をちょっとずつ混ぜいく。


あっ、水を多く加えたところから、徐々に青色に。


うん。これなら、行けそう。


しかし、結果から言うと、1回目の作業は、失敗。


大量に作ろうとしたため、白21400の量を用意した。 これが、顔料と、うまく混ざらないのだ。


素手で混ぜたら、荒れて大変なことになるので、土魔法で、くるくる回そうとするんだけれど、キレイに混ざらない。 上から水を入れても、上だけが、ジャブジャブになってしまい、下が固いままで、色も変わらない。


仕方がない・・・。 このマダラ模様の何かは、廃棄。


白214、黒10、青6で、再度やり直す。


今度は、黒10、青6を、少量の水に溶かしきってから、白214に混ぜて練っていく。 色は出来ているので、溶けて 全てが、ムラなく混ざったら、終了。


前と一緒で、一夜放置の練置きだね。


塗るのは、火を使う所だけだから、そこまで、場所は多くない。 1か所につき、白214、黒10、青6が、5セットあれば十分。


土魔法の精度が高い、丁寧な塗りが出来る人たちに、塗ってもらう。 面積も、そんなに多くないからね。


よぉし。乾いたら、なんか上品な色合いになった。



=== ===== === ===== ===



これ、いいな。


内装も、この色の部屋を 作ろうかな?



=== ===== === ===== ===

外壁塗装を、自分でやったことがある人は、高評価を押して次の話へ⇒



 蛇足1.ラピスラズリ石と、麻薬と鉱物と寄付



 第120部分 2-84.アタリヤショック 6 蛇足1.学生

https://ncode.syosetu.com/n6487gq/120/

 田舎を基盤とする政権というイメージで、

 麻薬と鉱物と寄付なんかで、活動を支えている



 ラピスラズリは、瑠璃の別名。

 

 深い青色から藍色を持ち、しばしば黄色い石粒を含んで、

 夜空のような輝きを放つ宝石だ。

 

 ちょっと、宝石が欲しいだけなら、購入するって・・・。

 青色の顔料が、欲しかったの。



アフガニスタン、山岳地帯。

ここでは、多くの鉱物が、産出されます。


ラピスラズリ石は、新石器時代から、アフガニスタンで採掘され、ヨーロッパ地中海世界と南アジアに輸出されました。古代エジプトも、ラピスラズリを高く評価し、ファラオ、王族、神官などの祭司階級しか、この石をつけられない時代もあったようです。1271年に、マルコ・ポーロが、アフガニスタンのラピスラズリの鉱山を訪問したことなども有名です。


ウルトラマリンブルーは、このラピスラズリ石を砕いて作られる天然顔料です。ウルトラが「超」。マリンが「海」なので、『アフガニスタンから、地中「海」を「越」えてやって来る青色』と言う意味ですね。



 蛇足2.ラピスラズリ石と、麻薬と鉱物と寄付 2



 大麻草の繊維を 細かくほぐして切った 麻スサを「20」。


 飛翔師学院に、大麻草の葉を乾燥させたものを、燃やして、

 煙を吸う習慣が、蔓延していたのは、ラッキーだった。

 材料が、すぐに集まったから。



麻薬といいますが、アフガンの特産は、ケシ栽培。

これは、アヘンになります。


三日月地帯とよばれる麻薬製造地域は、アフガニスタンから、パキスタン、そして、イランの国境が連なる場所で、まさに、タリバーンの生まれ広がっていった地域です。


ケシの栽培は主に東部のジャラーラーバードで、2000年に入るごろには、年間4000トン近くが生産されていたそうです。そのあと、どこかの国と、戦争があったらしいですが・・・。

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