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2-94.カジノ革命 2

アンターナッハ商会は、主に木材を扱う商会。


「ねぇ、テレサさん、金属や、ガラスは、扱ってないの?」


商会のテレサさんは、飛翔師学院のナカヨシ教授の奥様。


そして、私の、ライリューン商会も、経営してくれている。


「どっちも、あるけど、原材料が必要なの?

 それとも、加工?」


「原材料も、必要だけれど、加工は、必要。」


「うーん。 ウチで、出来るかしら?

 大きな 加工だと、無理だと思うわ。」


「あっ、それは、大丈夫だとおもう。

 大きくても、ダイニングテーブルくらいだから。」


「それと、難しいものも ダメよ。

 難度が高い 加工は、たぶんできないわ。」


「外注は、できる?

 難しい部品だけ、外に頼んで、ここで組み立てるの。」


「組み立てに、技術が必要なければ、たぶん 大丈夫ね。」


「じゃ、明日、制作するために、ここに来ればいいかな?」


「ここじゃ 無理よ。アリー。

 あっちの建物が、製作所になってるから、そっちね。

 話は、通しておくから、向こうに行けばいいわ。

 それに、まずは、材料が、そろってからね。

 明日では、そろわないと思うわ。」


んー。 じゃぁ、テレサさん、今言ったやつが、揃ったら、ナカヨシ経由でいいから、知らせてねーっと。


「じゃ、ライリューン。 戻ろうか?」


「えーと、私、何のために、ココに、来たんだっけ?」





[美容師の娘]  【 2-94.アレを作ろう 1 】





さて、試作機の 制作開始だ。


結局、アレ1個につき、1枚必要になる ガラス板は、外注することになった。


技術的に、作ることが 出来ないのだ。


「私の商会の ガラスでは、割れちゃうわ。

 アリーが、必要なのは、鉄が当たっても割れないガラスよね。」


「透明で、ヒビが入らなければ、ガラスでなくても いいよ。」


「私たちでは、無理ね。

 透明の薄いゴムを、ガラス板に 張り付けている商会があるわ。

 それだと、割れにくいし、割れた場合も、飛び散らないの。

 そちらを、作ってもらって、購入しましょう。」


釘も、外注。


と言うか、真鍮製の小さな釘は、普通に 量産されているものが、販売されていた。


「わざわざ 作るより、購入したほうが 安いわ。」


木製の板や、小さな木の細工は、アンターナッハ商会と、その関連商会が、得意とする ところだ。


だいたいの形を、紙に書いて、作ってもらう。


「でも、アリー、これは、設計図とは 言えないわね。」


「仕方ないもん。 実物が 存在しないんだから。

 1個、試作品を作ってみて、それから 設計図を 作るよ。」


「正直、この絵を見ても、どんな物になるか、想像できないわ。

 大丈夫かしら?」


「あっ。 それと、鉄球っていうか、鋼球は、作れる?」


「作ってもらって、購入しなきゃダメね。

 大きさは、1メートルくらいで いい?」


「大きすぎだよ。

 直径が、1センチくらい でいいよ。

 このくらいっ。」


私は、指を小さく広げて、大きさを 示してみせた。


「ああ、それなら、飛翔師兵用のものが、売られているはずよ。

 直径 11ミリ メートルの 鉄球が あるわ。

 1ミリ 大きいけれど、大丈夫かしら?」


「うん。 問題ない。

 でも、そんなもの 何に使うの?」


「飛翔師兵が、上空から、バラまいて、投げ落とすの。

 小さな鋼球だから、普通に投げても、そこまでの威力は無いわ。

 でも、上空から 火薬に火をつけて一緒に落とされると、別ね。

 ある程度の殺傷力を 持つらしいわ。」


「兵器なのね。

 でも、それなら、釘を入れたほうが、いい気がする。」


「釘をばらまくと、その後、土地を使う時に、ケガ人が出るのよ。

 でも、後のことを考えなければ、釘の方が、威力が高そうね。」


ふぅん。 そんなものなのね。


結局、鋼球は、飛翔師兵学院に 物品を納入している商会から、仕入れることになった。



 ガリガリ トントン テケテケ タタタンタン



木製の板に、たくさんの 真鍮の釘を 打ち込んでもらった 木盤を、垂直に立てる。


えーと、ハムスターの運動用のクルクル回るやつ。

あれ、「ハムスターの回し車」って名前でいいのかな?


あれの 小さいやつを いっぱい作ってもらって、木盤に 取り付ける。


んー。 クルクルクル。


手で回してみると、思いのほか スムーズに回った。 いい感じ。


盤面に、いくつか穴を開けてもらい、木製の入賞口を 取り付けたら、前面は、完了。


前面を「透明ゴム付ガラス板」でカバーして、留め金を ネジでとめる。


裏面には、板とバネを取り付けて、鋼玉が通過すると、板が動くように調整してもらった。


ここを、玉が1個 通過すると、前面に取り付けた 受け皿に、鋼玉が、数個出てくる。


鋼玉を弾くための、スプリングレバーは、右下に 取り付けられた。


「出来たっ。 パチンコ台っ。」


やったことないから、良く分からないけれど、きっと、これでOKなはず。


「どう? テレサさん。

 こうやって、スプリングレバーを はじくの

 そうすると、鋼玉が、弾かれて 打ち出されるんだ。

 で、木製の入賞口に玉が入ると、玉が いくつか貰える。

 こういう遊技機を、いっぱい 作ろうと思うんだ。」


「んー。 見ても、私には、何が面白いか分からないわ。

 いっぱい作る前に、カジノの人に見てもらったらどうかしら?」


んー。

私も、何が面白いか分からないから、そう言われたら 少し弱い。


よし、カジノの事務室で 検証してみよっと。




******************************




やっぱり、こういうのは、男の人に 聞くべきよね。


「そうですね。 このままでも面白いと思います。」


ベゲシ・ジャルミーンさんは、高評価。


「もうちょっと、手を加えても いいかもしれませんね。」


手を加える?


マネージャーのJ・ヘラームズさんは、改造を 提案してきた。


「このままのものも、設置していいと 思います。

 ただ、1種類では、飽きられます。

 スロットマシンと 合体させましょう。」


えっ? 合体させるって言っても、向こうは、コイン。

でも、こっちは、鋼玉を使うんだよ?


「いえ、この新遊技機の真ん中に、回転輪(リール)を入れます。

 スロットマシンと、同じリール(回転輪)を使います。

 ですので、費用は、それほど かかりません。」


真ん中の入賞口に玉が入ると、玉をもらえるのではなく、回転輪が、回り始める 構造にするらしい。


そうして、スロットの回転輪の絵柄が揃うと、玉が、大量にもらえる構造にする。


「その方が、面白いの?」


「面白いかどうかは、好みだと思います。

 元の新遊技機は、入賞口に玉が入ると、数個の玉がもらえます。

 スロットマシンと組み合わせた方は、大量の玉が手に入ります。

 どちらかを、お客様が、選べるようにするのです。」


なるほど、ハイリスク・ハイリターンを好む人は、組み合わせた遊技機。


ローリスク・ローリターンで長く遊びたい人は、元の新遊技機ってことね。


「分かった。 それも、作ってみる。

 でも、回転輪を作ってもらわなきゃ ダメなんだよね?」


「いえ、今回の騒動で、多くの製造メーカーが、潰れました。

 おそらく、その廃棄品が、多くあります。

 タダのような値段で、手に入るはずです。」


遊技機を製造していた ほとんどの中小メーカーが、倒産してしまっているらしいが、その倉庫から、遊技機を集めることが 可能ならしい。


「じゃ、200セットくらいで いいかな?

 集めて、アンターナッハ商会まで、届けてくれる?」


「いえ、500セット 集めておきましょう。

 どうせ、費用は、ほとんど かかりません。

 アンターナッハ商会ならば、保管できるでしょう。」


うんうん。 まかせたっ。 じゃ、おねがいねっー。


こうして、私は、新しい遊技機、2種類の、パチンコ台を 作ることに成功した。


よし。 次は、アレ作らなきゃだめだよねっ。




=== ===== === ===== ===



「じゃ、ライリューン。 戻ろうか?」


「えーと、私、何のために、ココに、来たんだっけ?」



=== ===== === ===== ===

パチンコをしたことがある人は、高評価を押して次の話へ⇒


 蛇足1.アンヌ・イダルゴ


 ロトロカデ広場では、オリンピュアス大祭の旗が、

 オリンピュアスから、ファン・アントニオ・モーツァルト会長へ、

 

 マルタマクロン・アンヌダルゴ・フランソワへと 渡された。


https://ncode.syosetu.com/n6487gq/114/

 2-78.スニップスのリン酸化


 パリのアンヌ・イダルゴ市長(62)が、

 来年のフランス大統領選に出馬する意思を固めたそうです。

 12日に北部ルーアンで正式表明する可能性が高いと言われています。


 今の大統領は、エマニュエル・マクロンさん。

 39歳で、仏史上最年少の大統領となった方です。


 40歳で大統領に就任したナポレオン3世の記録を塗り替えたことで話題になりました。


 ナポレオン3世って、ナポレオン・ボナパルトの甥で、

 シャルル・ルイ・ナポレオン・ボナパルトが本名。

 シャルルとか、ルイとか、ナポレオンのイメージとは逆です。


 大統領就任が 1848年。

 大政奉還が行われたのが1867年ですから、丁度その頃ですね。


そんな、アンヌ・イダルゴ市長や、エマニュエル・マクロン大統領ですが、作中の、マルタマクロン・アンヌダルゴ・フランソワ氏とは、まったく、全然、これっぽっちも関係ありません。

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