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2-93.カジノ革命 1

2人を乗せた馬車は、地下へと下る。


響くのは、ポクポクという馬の蹄《ひづめ》の音だけ。


「アリー、結構、音が反響するね。ここ。」


「そうだねぇ。 ちょっと耳障りだし、安っぽくなるね。

 絨毯を ひいても いいかも。

 ライリューン商会のカジノは、高級感がある方がいいもん。」


ここは、旧アタリ屋商会のカジノ。


アリーとライリューンは、地下にある 馬車駐車場へと 乗り入れたのだ。


「でも、ちょっと、おかしいよね

 アリーが、商会長だから、アリー商会が いいと思う。」


「あっ、もう商業ギルドに登録したって 言ってたから。

 テレサさん、仕事が 早いんだよ。

 だから、ライリューン商会は、決定です。」


「そ・・・そうなの? 登録まで、早すぎない?

 え? あれ、何?」


地下駐車場の 雰囲気に そぐわないお店。


のれんには、アタリヤの 的中マークが、大きく描かれている。


「あぁ、クッキーさんが、地下にうどん店が あるって言ってた。

 それじゃない?」


「はぁ? カジノの地下に うどん屋があっても、人、来ないって。

 何、考えてるんだろう?」


「いや、それが、お昼時は、行列が 出来るんだって。

 打った麺が、無くなり次第終了で、いつも売り切れ。」


「うそっ。 こんなに場所が悪いのに、信じられない。」


うどん店の話をしながら、馬車を降りると、そこには、お出迎えのお二人が、すでに待ち構えていた。


「フロアマネージャーの、ヘラームズです。」


「私は、施設管理のベゲシです。」


マネージャーのJ・ヘラームズと、施設管理者のベゲシ・ジャルミーンだ。


「ありがとう。 どこに行けばいいかな?」


エスコートしてくれる 2人に、礼を言う。


「上階の事務所に、応接室がございます。

 まずは、そちらまで 移動していただけますか。」


階段を、ゆっくりと上る。


んー。 私は、大丈夫だけど、ちょっと年齢が上の人には、階段での昇り降りは、キツいかな? エレベーターみたいなものを 設置できればいいんだけれど。 そんな魔法道具あるかしら?


「今日、休み?」


「いえ、30名ほどの お客様は、入っておられます。

 遊技機で、遊んで いらっしゃいますよ。

 ご覧になられます?」


「うん。 どんなのか 見てみたい。」


カジノフロアには、100台くらいの遊技機が、並んでいた。


「実は、製造メーカーに 遊技機を回収されてしまっています。

 今並んでいるものは、旧型を、倉庫から かき集めた物です。

 ですので、今の状態のままでは、赤字になります。」


ふーん。 ここって、スロットマシンしかない?


カジノって、ルーレットとか、そういうのが あると思ってた。


「アリー、ルーレットって何?」


ルーレットは、回転する円盤に 球を投げ入れ、落ちる場所を当てるカジノゲーム。 もしかして、この世界には、カジノの女王と言うべき、このゲームが、存在しない?


「ん。 後で、説明する。 ちょっと見て回るよ。」


ライリューンを放置して、私は、きょろきょろと、辺りを見渡した。


「ねぇ、これだけなの?

 ほかに、テーブルゲームとかは、無いの?」


ヘラームズさんに、尋ねる。


「ダイスゲームが、ございます。

 上階で、週に2回、サイコロゲームを 行っております。

 こちらは、土、日といった 週末の特別イベントです。」


なんか、イメージと違う。 カードゲーム、トランプもないし、ルーレットもない。 ダイスを使ったゲームも、特別なイベントの時のみ。


これじゃ、カジノじゃなくて、スロットゲーム店だよ。


11階建ての、この建物。


1階は、100台のスロットマシンが 並ぶ。


2階は、特別イベントを 行う大広間。


3階は、ビールなどのアルコールや 食事を提供する 解放空間。


4階5階6階には、何も設置されていない。

どうやら、ここに設置されていた遊技機が、回収されたり、撤去されたりしたようだ。


7階と8階が事務所となっており、9階から上が、ホテルとなっている。



「うん、そうだね。 全面改装しよう。」


「ちょ、アリー。 何言ってんの? いきなり。」





[美容師の娘]  【 2-93.ライリューン商会のカジノ店 】





とりあえず、1階は、しばらく、そのままの営業を 続けてもらうことにした。


今まで通りの スロットゲーム店だね。


改装するにしても、色々用意しなければならないものが多い。 人も雇わなきゃダメだし。


「ヘラームズさん。 魔法を使える人を集めて。

 特に、風魔法ね。

 あと、ホテルも 改装するからねっ。」


カジノの改装と、人の手配は、指示を出して、ヘラームズさんと、ベゲシさんにお任せする。


「ライリューン、急いでっ。

 フラワーカードのキョーテンドウに行くよっ。」


馬車で、キョーテンドウに 向かう。


カジノといえば、テーブルゲーム。

そして、テーブルゲーム と言えば、ルーレットや カードゲームだ。


アタリヤ商会は、スロットマシンを並べて、これがカジノ店!って やっていたみたい。


でも、それだけでは、行き詰まっちゃうよね。


「キョーテンドウ社」は、フラワーカードを作っている会社。


4種 各13枚の 計52枚と、リマオと呼ばれる ジョーカーみたいな カードをいれて、1セットとする トランプのようなカードだ。


この前、ライレーンや、ライリューンと、数字を「21」に近づける「ベインティウナ」で遊んだカードだね。


このカードを、トランプのように使って、テーブルゲームのメインに据えようと思うんだけど、数が足りない。 いかさま防止のためにも、カードは、大量に用意しなければならない。



やって来たのは、キョーカミトバ州ホコタテ市。 馬車で4時間もかかる盆地だ。 キョーテンドウの本社は、ここにある。


「ってことで、カードを、たくさん作って欲しいんだ。」


応対してくれたのは、キョーテンドウの社長マチ・ヤロシ・ヒウと、その技術クリエイター、ヨーグ・ペイ・イコン。


「あっ、無理です。」


社長のマチさんに、あっさり断られてしまう。 どうにも、大量生産には、工場を 拡張する必要があるみたい。


ところが、工場の新設や拡充を行う事業者に対して、用地の使用許可を、市長のムーラン・オカア・サエモが、簡単に認めてくれないらしい。


「景観に、配慮する必要があるんです。」


ホコタテ市は、観光産業が盛んな土地。 そのため、景観保護の条例が存在するのだ。


んー。 時間がないんだけどね・・・仕方ない。


「ヘドファン伯爵家が、キョーテンドウの土地を買い取ります。

 今、工場のある土地と その周辺です。

 今ある工場を、そのまま拡張してください。

 土地を、無償貸与という形にします。

 今まで通り、工場を使っていただいて 構いません。

 そこで、カードを 作っていただけますか?」


伯爵家の土地は、治外法権。


私が、買い取るので、実際は、ライリューン商会の所有になるんだけれども、そんなのは、気にしなくていい。 文句をつけることは、ヘドファン家にケンカを売る行為。 市長レベルでは、手も足も出ないだろう。


「ライリューン。 次は、アンターナッハ商会だよっ。」


「アリー。 無理っ。 夜になるよ。」


そっかぁ、馬車で 4時間かかることを考えると、アンターナッハ商会につく頃は、真夜中。


よしっ。 ここは、魔法で解決しよう。


 ~ カイネースっ ~ 増えよ酵素


 ~ ファスファアレェションっ ~ リン酸化


馬が、暴れそうなので、スニップスのリン酸化で、おやすみいただくことにする。


待つこと、30分。 2頭の馬が、眠りについた。


準備完了。 私は、地面に 風魔法を当てる。


馬と、馬車が、ふわりと 浮き上がった。


馬車の前に、水の 膜を張る。水魔法、ウインドシールド。

透明の水の膜を 張ることで、飛行風や 自然風から 視界を 守るのだ。


じゃ、行くよっ。 中で、ライリューン、舌を噛まないように気を付けて、しっかり、つかまってるんだよ。


ライリューンと、御者のおじさんは、馬車の中。

私と、お馬さんは、お外を飛ぶ。


それじゃ、GOっ!


ウインドシールドの魔法で、丸みを 帯びた水のシールドを作る。

もちろん、シールドの 上面を、下面より 膨らませるのを忘れない。


上側を通る気流と、下側を通る気流は、同時に シールド後方に 到達する。 膨らませて長さを変えたことで、同時に空気が到着するには、上側の気流の方が スピードが速くならなければならない。


そう、上と下の 気流の速さの 違いで 馬車が、空に浮き上がる力が、発生するのだ。


そして、高速飛行に 移行する。


びゅーん♪


30分もせずに、王都中心部、飛翔師学院の敷地まで到達。


馬車が、傷つかないように、そして、馬がケガをしないように、そぉっと 着陸。


ふぅ。 疲れた。


「ライリューン。

 馬が寝てるから、違う馬に、替えてもらって、出かけるよ。

 そのまま、馬車に乗ってて。」


「う・・・ぷっ。 アリー。 ちょっと待って。 酔った。」


ライリューンが、馬車から、ふらふらと、倒れそうになりながら 降りてきた。


御者さん、プロだな。

足元が フラフラになりながらも、ライリューンを、エスコートしている。



=== ===== === ===== ===



仕方ない。休憩。


ライリューン。馬を替える間だけだよー。



=== ===== === ===== ===

今日が、何月何日か、知っている人は、高評価を押して次の話へ⇒



 蛇足1.ごめんなさい


 投稿は、【2021/09/06 09:00】を、予定しております  

 火曜日の朝の投稿です


 6日の火曜日の朝? えーと、6日は、月曜日ですが・・・?



 きっと、大丈夫。


 活動報告なんて、きっと、だれも読んでない・・・。




 日付間違いました ごめんなさい




 蛇足2.代理人


 アーン・テレムさんは、NBAとメジャーリーグを中心に手がけていた、アメリカ合衆国で最も影響力を持つスポーツエージェントの1人。


松井秀喜選手や、井川慶選手、前田健太選手の代理人を務めたり、ダルビッシュ有選手の代理人だった団野村さんと提携されていました。ほかにも、岩隈久志選手や藤川球児選手の時も提携していたようですね。


 スコット・ボラスさんは、メジャーリーグを中心に手がけるスポーツ・エージェント。


とんでもない高額な契約を結ばせることで知られており、「ボラスとは交渉しない」と決めているチームがあるほど悪名が高い代理人。アレックス・ロドリゲス選手の移籍時にまとめあげた資料は、メジャーリーグ史上に残る巨額契約を支えた歴史的価値があるものとして野球殿堂に寄贈されたほど。

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