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2-78.アタリヤショック 1

「お主の魔法は、危険じゃな。

 ワシの魔法より、警戒されるじゃろう。」


いや、どう考えても ナカヨシの魔法の方が 危険でしょ。

種類は多いし、発効までの時間も早いし・・・。


眠りの魔法なんて 5分だよ。5分。


「そうではない。

 距離の問題じゃ。」


距離?


「まぁ良い。

 今度は、2匹 同時に 魔法を発効させて見るがよい。」


 カイネースっ ~酵素を増やせ


続けて、


 ファスファアレェションっ ~リン酸化


30分間、魔力を放出し続けるのが、面倒なのよね。


2匹のネズミが、眠りにつく。


「ナカヨシ。出来たよ。」


「うむ。 危機感が 無いようじゃの。

 複数であっても、魔法が効く。

 まぁ、これは、わしと同じじゃ。

 ただし、ワシの眠りの魔法が、発効するのは、5cm程度じゃ。

 お主のモノは、15メートル離れた場所で、使うことが出来る。

 訓練さえすれば、100メートル離れても、可能かもしれんの。

 これが、戦場であったら どうかの?

 あるいは、城門であったら どうじゃ?

 警備など、あって 無きようなもの。

 相手にとっては、恐ろしいものとなる。」


ふーん。 そういうことにも使えるんだねぇ。


「これが、王家や、軍に知られたらどうなるか。

 婚約者の第一王子であっても、教えてはならぬ。

 分かるな。アリー。」


なるほど、アレックスに教えたら、王家にバレちゃうってことね。


オッケー。理解した。


たかだか、魔法一つでこんなに警戒しなくてはダメなのは、ストレスが かかるけれど、これ以上、王族絡みの 面倒はイヤだもんね。




[美容師の娘]  【 2-79.カジノの地下駐車場で 】




回胴式遊技機のカジノを運営する、アタリヤ商会。

オリンピュアスマシンは、オリンピュアス大祭を 記念して アタリヤ商会によって 60年ほど前に開発されたマシンだ。


硬貨を 投入し、回転輪=リールを回す。

このリールが、停止した時の絵柄の組合せで、アタリ・ハズレが決定される。


絵柄が 揃ったら、アタリ となるわけだ。


この商会が、ピンチに陥っていた。

支払い不能の恐れが出てきたのだ


「大祭の支払いが、致命傷になるかもしれないな。」


クッキー・オマヌータは、呟いた。


オリンピュアス大祭での賭けは、おおむね好調。 儲けは順調であった。 途中までは・・・。


しかし、大口のお貴族様の賭けの配当が、あまりに 大きかった。


クッキーは、ズズズっと うどんをすする。


アタリヤ商会の カジノの地下には、馬車をとめるスペースがある。


この馬車駐車場に、小さなうどん店がある。

アタリヤ商会のうどん店とよばれる、隠れた名店だ。


麺の強いコシと、苦味を残したいりこダシ。

このうどんを味わうためには、カジノに入らなければならない。


この、うどんを食べたくて来たのに、カジノに入り浸っているように思われるのが、このお店の欠点である。


それでも、客は多く、客足が途切れることは無い。


「クッキーさん、その逆も あるんですよ。」


いつの間にか現れた、アリワーヌ・アント・ジェミニが、私の席の向かいに座り、声をかけてきた。


「お好きですな。ジェミニ教授。

 また、カジノですか?」


ジェミニは、王立 飛翔師 学院の教授である。


この教授、カジノに入り浸っていることが有名で、学院で生徒を教えている時間より、カジノに居る時間が長いのではないかとも言われている。


「うどん目的で来たのに、カジノに入り浸っていると思われる。

 逆に、カジノに来たのに、うどんを食べに来たように思わせる。

 これは、どちらも真実であると思うのです。」


あぁ面倒だ。 この教授の相手をしていると、イライラする。


こちらは、資金繰りで頭を悩ませている というのに、このカジノ狂いの教授は、呑気に言葉遊びを楽しいんでいるのだから。


「しかし、いけませんな。 ここのうどんは。

 小麦粉の塊。まるでゴムを噛んでいるようです。」


なんと、この教授、アタリヤ商会の絶品うどんを、小麦粉の塊だとか、ゴムだとか失礼極まりない。


文句を言うなら、食うな。

そう思いながら、うどんを最後まですすると、私は、椅子から立ち上がった。


その時・・・。


「お金、必要なんですよね?」


ジェミニが、呟いた。


「何の話かな?教授。」


「私も、必要なんですよ。クッキーさん。」


カジノで負け続けているジェミニが、借金まみれであることは、有名だ。


「ほう。相変わらずですな。」


「私は、そちらの原因である小娘を知っています。

 どうでしょう? 協力しませんか?

 私は、小娘たちに 影響力がある。

 あなたは、カジノに 影響力がある。

 私たちが、握手するのに十分な条件が整っているでしょう。」


小娘たち・・・。

そうか、飛翔師学院の生徒であったな。


私は、貴賓室での土下座を思い出した。


まだ、支払いを終えていない白金貨。

根こそぎ持っていかれた魔法道具。


もしかすると、ジェミニを使うことで、有利な条件を引き出せるかもしれない。


「なるほど、どうなるかは分かりませんが・・・。

 お話をお伺いする価値はあるかもしれませんな。」


私は、立ち上がったばかりの椅子に、再び腰かけ、ビールを注文した。

ジェミニは、手早くうどんを食べ終えると、コップを手に取る。



=== ===== === ===== ===



コポコポコポと音が鳴る。

そして、ジェミニのコップには、泡一杯のビールが注がれた。



=== ===== === ===== ===

薬袋 月見里 神々 小浮気 

全部読める人は、高評価を押して次の話へ⇒



蛇足1.戸籍に読みがな


 あぁ面倒だ。イライラする。


戸籍の氏名に読みがなを付けることになるそうですね。

今、漢字しか記載されてないため、デジタル保存できないそうです。

これから生まれる子どもは出生届などをもとに戸籍に読みがなを記載。

現在の戸籍については、読みがなを新たに届け出てもらうそうですが、なんか面倒で、イライラする作業になりそうな気がします。


国勢調査の時に、調べて、そのまま登録するとか出来ないでしょうかね。



蛇足2.先取点


 有利な条件を引き出せるかもしれない。


スペインとサッカーをするみたいですが、先に点を取ったら勝てるかもしれませんね。有利な形で、戦えそうですから。


ニュージーランドとの準々決勝で、前半11分、遠藤選手が、フリーでシュートを、思いっきり外していましたが、もし、負けていたら、トラウマになるレベルだった気がしました。あれを決めていれば、普通に90分で勝っていたと思いますので、先制点が欲しいですね。

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