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2-71.すっ飛ばす金曜日4

「アリー。 星がキレイね。

 王都には、空が無いと思ってたけれど、素敵だわ。」


はいはい。そーですね。


王都中心部に戻る途中、ベルたちを休憩させるため、小さな集落に立ち寄った。

もう、ピクシノビッチさんの試合には、間に合いそうもない。


空には、美しい星が、輝いている。 ほんと、ロマンティックすぎてイライラするっ。



[美容師の娘]  【 2-71.すっぽかす金曜日 】



あの後、焼肉の村に戻ると、すぐに、トキニホンウルフの大群について報告。 意外なことに、すぐに狩人が揃った。 なんでも、時々、山狩りをしないと、この村まで 群れがやってくるらしい。


もちろん、私たちが、狩りに付き合うことは無い。 どのあたりに、どのくらいのオオカミが居たかを説明するだけだ。 山火事について・・・と言うより、大量の白煙が、森の方から見えたことについては「山火事を水魔法で消し止めた。」とだけ伝えておいた。 うん。嘘は言っていない。


「アリー。 シャワーが浴びたい。」


無いよ。 こんな村に・・・って、あるの?


焼肉をしたリゾート施設みたいな場所の向こうには、コテージがあるらしい。 そっか、バーベキューできるところがあれば、泊まる所もくっついてるよね。普通。 一泊、金貨1枚。 高っ。 まぁいいけど。 一日単位でしか施設を借りることはできないようなので、金貨1枚を支払って、コテージに向かう。


わぁ。 温泉があるのね。 とりあえず、シャワーを浴びて、温泉につかる。


「アリー。 今日は もう 泊まっていこうか?」


そうだね。 ミラドールのせいで、クタクタだもん。


・・・ん? 何か忘れてなかったかな?


あぁぁぁぁぁ。

試合っ。 ホゥスボールの試合、19時30分からだよ。


慌てて、温泉から上がる。

ミラドール。 急いでっ。 間に合わないよ。


「もぉ。 今、温泉に入ったところなのにっ。

 アリーは、ゆっくり休むことが できない人よね。」


ミラドールを急かしながら、ベルを預けた厩舎へ。


ベルっ。 帰るよぉ。


ちょ・・・ミラドール。 何、飲んでるのよ。


「やっぱり、湯上りのビールは、最高ね。」


馬の鞍に 小さな樽が ひもで くくり付けられている。

手には、木製のジョッキ。

帰りながら飲む気なのね。 信じられないわ。


え? はい。 小金貨10枚?


もういいよ。 おつりとかメンドクサイ。 時間が無いの。

ベルを預かってもらった代金と、ミラドールのビール代、金貨1枚を 宿に渡しておく。


行くよっ。 ミラドール。



******************************



駆ける2頭の馬。


気に入らないのは、ビールを飲みながらの騎乗なのに、ミラドールの方が速いこと。


やっぱり、この人、超一流なのよね。


日は傾き、道は だんだん暗くなっていく。


「アリー。 スピードを落とすよ。」


「ダメ。 急がないと 試合に間に合わない。」


「道が、暗くなってきているからね。

 今からは、月明かりで 走ることになる。

 くぼみや、へこみがあれば、馬が 足を取られちゃうよ。

 私は、対応できるけれど、アリーの腕では、まだ無理ね。」


そっか、暗い道を走るのは、リスクがあるね。 なんか納得いかないけれど、仕方ない。 ベルが怪我したらイヤだ。 しぶしぶスピードを落とす。


あぁ、これだと、試合終了にも 間に合わないかもしれない。 応援するって約束したのに。 ピクシノビッチさん、勝ってるかなぁ。


「アリー。 休憩をとるわ。

 灯りのところで 止まって。」


前方に灯りが見える。 小さな集落みたい。


「うん。 じゃ、これを置いて。。」


ミラドールが、自分の馬の鞍から、4つの小さな桶を 取り出した。


いつの間に、こんなもの用意したんだろう?


「こっちに 水を入れてね。」


2つの桶には、水魔法で作った水を入れる。 集落の井戸も見えるけれど、勝手に使うと トラブルになるかもしれないから。


「こっちの桶には、取り置きバックの人参を入れて。」


あぁ、分かった。

私たちの休憩じゃなくて、ベルたちの休憩ね。


私は、「取り置きバッグ」に入れておいた 人参を取り出した。


実は、持ち帰り用のお肉や野菜も、ちゃんと「取り置きバッグ」に入っている。 金貨30枚分くらい。 やっぱり、焼肉は、みんなで 楽しみたいもんね。


「アリー。 星がキレイね。

 王都には、空が無いと思ってたけれど、素敵だわ。」


ミラドールが、あどけない口調で言う。

きれいだけどね・・・。 時間っ。 間に合わないよね、もう。


見上げると、満天に星がきらめく。

ベルも、顔を上げた。桶が空になっている。 この顔は、もっとニンジンを頂戴 って顔だよね。


後は、帰ってからだよ。 ニンジンは、終わり。


「うん。ちょっと いい顔になったみたい。

 連れ出して よかったわね。

 キズカの失格から、ずっと険しくなってたもん。

 アリーの顔。

 気にし過ぎよ。 あれは、あなたのせいじゃない。」


あぁ、ミラドールは、私の気分転換に、遠乗りに連れ出してくれたのか。 分かんなかったや。 いや、ホントに。 だって自分が楽しんでるようにしか 見えなかったもの。


「自分に起こる事柄の結果に責任を持てるのは、自分だけ。

 あれは、キズカの責任。

 そもそも、体調をきちんと整えておけば、良かったのよ。

 体調が良ければ、あんなことにはならない。」


そういって、ミラドールは、木製ジョッキのビールを飲み干した。 うん。説得力が無い。 そもそも、馬で走りながら、ビールを飲み続けている人に説得力なんてものは無いよね。 まぁ、でも、私を元気づけようとしている気持ちは伝わる。 ミラドールなりの って感じね。


「さぁ、戻るわよ。」


小さな桶を元のように、自分の馬の鞍に収納すると、ミラドールが馬に飛び乗った。 ベル、行くよ。 今夜は、月がキレイだねー。


結局、私たちが王都中心部に戻ったのは、0時前。

ベルを厩舎に戻すために、学院に入るのも大変。


学院の門番さん、優秀だわ。 すぐには、入れてくれないもの。


マーガレットの渡してくれた、学生証明の書類が無ければ、入れなかったし、ヘドファン家の紋章の入った羊皮紙の文書を持ってなければ、そもそも王都の中心部にすら 入れなかった。


オリンピュアス大祭の期間中だから、特に 警備が厳しいのかも。


やっとの思いで、美容院ボエロに戻ると、驚かせられた。

いや、裏の学校跡の空き地には、いつもミラドールの馬を繋いでいるんだけど、いくつかテントが建ってたんだよね。 なに? このテントと、いっぱいの馬。


「アリー。 どこ行ってたのよ。

 応援してくれるって 言ってたじゃない。」


あっ。 ピクシノビッチさん。



=== ===== === ===== ===



ってことは、このテント、東ハルサ地域連合の人たちの テントなのかな?



=== ===== === ===== ===

今日、犬の散歩に行った人は、

高評価を押して次の話へ⇒


蛇足1.現場が、鈴鹿って所に、惹かれました。



 アリー。 休憩をとるわ。

 灯りのところで 止まって。



休憩の時のお茶って、おいしいですよね。


そういえば、昔、加藤茶さんは、いかりや長介さんの車に小便をかけ続けてタイヤのホイールを錆びさせたことがあるそうです。


おしっこで、錆びるものなんですね。


2月に、三重の鈴鹿で、信号機の鉄製の柱が、根元から折れて倒れた事件があったそうです。


耐用年数はおよそ50年のところ、23年での倒壊。

そのため、詳しい調査が行われました。


警察の科学捜査研究所などが、地面を調べたところ、信号機の根元の地面からは、42倍の尿素が検出。信号機の柱からは8倍の尿素が検出されたそうです。


警察官を配置して、新しく設置された信号機をじぃぃぃッと見ていると、お散歩中の犬が、おしっこを・・・。散歩をさせていた人は、「途中でやめさせようとすると犬の機嫌が悪くなるので、やめられない」って、もちろんお犬様のご機嫌の方が大切・・・でいいのかな?



蛇足2.日本で製造したワクチン



 2つの桶に、水魔法で作った水を分配して入れる。



面白いことに、日本でアストラゼネカのコロナワクチンが、製造されています。ワクチンを分配する国際的な枠組み「COVAXファシリティ」で各国に配られるもので、1100万回分各国に輸送されるそうです。自国で使わないワクチンを、作って、提供用するって所がユニークだと思いました。そして、提供先に「イラン」の名前を見つけました。これも、アメリカの制裁とかを含めて考えると、興味深い提供先ですね。




蛇足3.びわ湖と大阪の統合



 バーベキューできるところがあれば、泊まる所もくっついてるよね。



「びわ湖毎日マラソン」と「大阪マラソン」が、くっつくそうです。


来年は、第10回大阪・第77回びわ湖マラソンとなって、再来年は、第11回大阪マラソンになるとか・・・。ソウルオリンピック代表選考の話以外で、びわ湖マラソンの名前が出ることは、もしかしたら、再来年までかもしれませんね。って、調べてみたら、1988年なんですね。ソウルオリンピック。コロナ前にテレビでやっていた、ソウルオリンピック代表選考の話って、遠い昔の話だったんだって思いました。

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