表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
101/232

2-65.不愉快な水曜日 3

「その裁定は、無いでしょう。

 あくまで、これは、試合で魔法を使わせないルールのはずっ。」


王都ホゥスボール協会理事コジョーン・キ・ノマートは、ローブ・サチブワ・ケタニオン会長に詰め寄った。


「これは、決定だ。

 魔ーピングで、失格。

 帝国は、金貨1000枚の罰金とする。」


「そんな。あり得ません。」


「魔法の行使には、事前申請が必要。

 その原則は、覆せない。

 Magic Use Exemptionが無いものは、失格だ。」


Magic Use Exemption

MUE。魔法行使免除。


事前申請によって行われる免除は、どうしても、不可欠な魔法の使用を事前に申請するものだ。


もちろん、帝国代表から、キズカの魔法行使についての事前申請は、無い。


事前申請無き、魔法行使は、違反。

魔ーピングとして、失格とされてしまう。




[美容師の娘]  【 2-65.ローブ会長の裁定 】




「何?あの赤いランプ。」


ミラドールさんが、指差した。


「ボク、分からない。

 ミラドールさんが、分からないものを、分かるわけがない。」


アリー、早く帰ってきてよ。

ライレーンは、心からそう願った。


辛そうな おつまみを 口に放り込み、ごくりと ビールを飲み干すと、ミラドールさんは呟く。


「試合が、止まっちゃったな。

 あっ、このおつまみコショウが効いていて、おいしい。」


その時、ドアが開いた。


「ただいまー。試合どうなってる?」


「アリーっ。ライリュ-ン。

 おかえりぃ。」


遅いよっ。


「きゃっ。ライレーンどうしたの? いきなり。」


ライレーンは、アリーに抱き着いた。




******************************




魔マーモグラフィー。


王都でのホゥスボールの大会では、競技場内をこの魔法道具で監視している。

魔法を使用した残滓を、感知し、警報を鳴らすのだ。


王都ホゥスボール協会代表と、帝国ホゥスボール協会代表の試合。


交代復帰した、キズカ・ハ・ナーガが、競技場に飛び出した瞬間であった。


この監視装置が反応した。

魔法道具に繋がるランプが、ピカピカと赤い光を放つ。


即座に、止められる試合。


キズカは、馬から降ろされ、非接触(ひせっしょく)残滓(ざんし) 魔力 計測器で測定される。


非接触式 残滓 魔力 計測器は、大きく針を横に揺らした。

無情にも、魔法行使の証が(あかし )、失われることなく、残されていることを示したのだ。


「交代時に、魔マーモグラフィーが、反応しただけです。

 反応後、プレーをしておりません。

 彼女の試合での、魔法行使は、あり得ません。

 魔法道具が、反応しなくなるまで、ベンチ待機で良いでしょう。

 ローブさん。いかがですか?」


ノマートは、王都ホゥスボール協会会長のローブに尋ねた。

ローブは、MCの委員長も務めるのだ。

Ma-ping Control Committeeは、魔ーピング管理委員会。

通称MCと呼ばれる。


競技者を対象とした、魔ーピング検査。

魔ーピングの調査、情報の収集と管理。

アンチ・魔ーピング教育。


これらを行う王都ホゥスボール協会の機関である。


「黒だな。

 魔法を使ったことは明らか。

 キズカは、失格とする。

 試合も、没収。

 結果は、王都 3-0 帝国 として、処理するように。」


「ローブ会長。

 それは無いでしょう。

 あくまで、これは、試合で魔法を使わせないルールのはずっ。」


口から唾をとばしての問答。

しかし、結論は、変わらない。


ローブ・サチブワ・ケタニオンは、ノマートに背を向け、ドアを指差した。


何も言うな。行けっ。という無言の指示だ。


両足の無い理事は、椅子から浮き上がり、ローブ氏の背中を見つめた。


ひとつ ため息を つく。 彼女は、ふわりと競技場控室へと向かった。




******************************




「あのランプが光って、試合中断になったんだね。」


赤いランプは、既に消えている。

選手は競技場から控室にもどり、誰も残っていない。


観客は、誰もいない芝生を、ただ眺めるだけであった。


「そうなのよね。アリー何か分からない?」


「分かるわけないでしょ。

 私も、ライリューンも医務室に居たんだから。」


「一言、説明があってもいいのにね。」


何杯目かのビールを、ミラドールが、危なっかしい手つきで飲み干す。

ちょっと飲みすぎだよ。


「どうする? 残る?

 先に帰るなら馬車を用意するけど?」


オリンピュアスが居ないので、ライレーンとライリューンは、ヘドファン家の馬車で移動している。


「そうだね。ボクは、寮に戻ろうと思う。

 ライリューン?」


「うん。私も先に戻るよ。」


2人とも、先に寮に戻るみたい。

じゃ、馬車を用意させなきゃ。


「ミラドールは、残るよね?」


「うん。アリーは、最後まで見ていくんでしょ?」


「最後までかどうかは、分かんないけどね。

 もうちょっと様子は見ておきたいな。」


「うんうん。私もアリーと一緒に行動するわ。」


ドアが開き、新しいグラスがミラドールの前に置かれた。

ビール来るのが、早い。


ほんと、大丈夫かしら? ミラドールが、飲み過ぎて潰れちゃいそう。


「もし、控室に入れるようなら、行ってみる?」


ミラドールが、飲み過ぎないようにするには、ここから離れたほうが良いかもしれない。


私は、帝国代表の控室へ行ってみることを提案した。


「そうね。

 私、帝都のゴン・ケラ・ムカナのプレー好きなのよ。

 会ってみるのもいいかもね。」


あっ、そこキズナじゃないんだ。

グイっと、ビールを飲み干すと、ミラドールが立ち上がった。


いや、まだ 控室に入れるとは、限らないんだけど。

あぁん。もう行く気満々なのね。 仕方ない。


「ライレーン。ライリューン。

 馬車は、もうすぐ来ると思う。

 案内が来たら、2人で寮に戻ってもらえる?」


「うん。アリーありがとね。」


「ミラドールさんも、またねー。」


すでに、ミラドールは、ドアに手をかけていた。


「ちょっと、ミラドール。急ぎすぎだよ。

 待ってよ。」



=== ===== === ===== ===




ライレーンと、ライリューンに手を振り、私はミラドールと共に、帝国代表の控室に向かった。




=== ===== === ===== ===

ビールのおつまみは、辛いものがいい人は、

高評価を押して次の話へ⇒



蛇足1.次のページに


 ドアが開き、新しいグラスがミラドールの前に置かれた。

 次のビール、来るのが、早い。


この、サイトの小説管理ページを見たことがありますか?


今回、書き終わって気づきました、どうやら美容師の娘、101話目のようです。


新しい話を書くたびに、管理ページでどんどん下に新話の項目が作られていっていましたが、101話から、次のページに変わる仕様です。


一番下の話をクリックしても、前話にしかならず、投稿した話が消えてしまったのかと思ってビックリしました。


次のページが来るのが、早かったのかそうでないのかは分かりませんが、なんとか100話突破。うん。次は1000話突破したいですね。



蛇足2.クリミア半島と、危なっかしい匂い


 何杯目かのビールを、ミラドールが、危なっかしい手つきで飲み干す。

 ちょっと飲みすぎだよ。


6月28日から、アメリカとウクライナとNATOが、黒海で、大規模な軍事演習をしています。翌29日、ロシア軍が、黒海に面するクリミアで訓練を実施したことを発表しました。


先日の、英駆逐艦への警告爆撃といい、ボスポラス海峡運河の問題といい、危なっかしい匂いが充満してます。


まぁでも、2019年に、プーチンさんは「谷で虎たちが戦っているとき、賢い猿は座って、それがどのように終わるのか見ている」って言ってましたから、きっと、直接ぶつかることは無いでしょうね。


蛇足3.ペッパーくん


 試合が、止まっちゃったな。

 あっ、このおつまみコショウが効いていて、おいしい。


コショウは、ペッパー。


と言うことで、6年前に発売されたソフトバンクのロボット「ペッパー」くん、販売伸びないので、製造停止だそうです。台湾で作ってたんですね。


価格は19万8000円?思ったより、安い気がします。

なんで売れなかったんでしょうね。


あっよく見たら、本体19万8000円で、月額費用もかかるんですね。これは、個人では買わない可能性が高い。つまり、企業受けが思ったより良くなかったってことですか。なるほど。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ