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29 処女杖



 自慢の空中庭園。

 マーリンを前にして、フィリアとティーファは二人並んで耳を傾ける。


 いつもより早い、朝からの授業。


 今日はフィリアの逃亡劇もお休みだった。


 当然理由は授業内容に対する期待が大きいためだが、ティーファに情けない姿を見せたくないというのも大きな理由の一つだった。


 今更そんなこと、何の意味もないが・・。

 城内はもちろん最近では市井でも知られ始めている。


 知らぬは当の本人のみ・・。




 さて、そんな残念な幼女の思惑など放っておいて。


 朝早くから始まった、マーリンの授業。

 教科は魔術。



 いつもならば陽が高くなり始めてから行う授業。

 この時間、日課としてはティーファと畑を世話するのがフィリアの毎日。


 だが今日はそれをマルスに任せ、ついでにティーファも参加だ。


 フィリアのワクワク。そしてティーファの自主参加。

 今日の授業はフィリアが待ちに待った。

 『処女杖』。その加工および完成だ。




 「十分に素材が染み込ませ、よく乾燥できたか、手に取って確認してみなさい。軽く魔力を流す程度でわかると思いますから」



 マーリンはそう言って淡紫の布を開き、中から包帯のようなものでぐるぐる巻きにされた棒を二本取り出した。

 

 棒にはタグが付いてあり、フィリアとティーファそれぞれに間違わないように手渡された。



 「マリア。メアリィの分も出来ているから後で取りにいらっしゃい」


 「何から何まで。ありがとうございます」


 

 輝く瞳で杖を見つめる二人。その傍でマーリンはマリアの言葉に少し申し訳なさそうになった。



 「こちらこそごめんなさい。・・まさかあの非常識の権化のせいであなた方にいらぬ遠慮を抱かせることになるとは思わなかったの」


 「いえ・・ゼウス様のせいでも、ましてやマーリン様のせいでもございません。・・ただ、気後れする戸惑いは許していただきたく思います・・」


 「・・そうねぇ。・・下手をすれば国宝級だものねぇ・・」


 「ぐっ・・」



 二人が遠い目で恨むのは、フィリアを凌ぐ非常識。

 家族愛が溢れてやまない。ゼウス・レオンハートその人だ。




 先日、枝の採取を終えた後。

 フィリアの体調が回復するのを待って杖の作成は開始された。


 そこには、マーリンが予想していなかった問題が起きていた


 元々リーシャの杖を親木にする事を決めてから、それに合う素材もそれなりの格を必要とされる事はわかっていた。

 その為、少々値が張ったり、手に入りにくい素材も準備していた。


 だが、あの日。落とされた枝を検分した際、冷や汗が止まらなかった。


 リーシャはゼウスの杖を親木としてその杖を創ったと言っていた。

 マーリンはすぐさまゼウスに連絡を取り、その仔細を聞いて頭を抱えたのだった。



 「・・まさか樹齢一万年以上の霊樹、それもその芯を使っていたなんて思わないわよ・・」


 「はい・・。それもその霊樹から湧き出た聖霊水で染めたなんて・・」




 『あぁあの杖。あれは確か・・そうそう。樹齢一万年以上のなんか御神木になってた木を使ったなぁ。特に霊力の高い芯の部分が欲しかったから切り倒して、そしたら水が湧き出てきたから、ちょうどいいと思ってそこで染めて、・・あぁあと、その時の手持ちの素材を使ったな。なんだっけ・・確か、皇帝龍の水晶とか不死鳥の尾羽とか、そんなんだったような気がしたけど、よく覚えてないや』



 これほど自身の兄を殴り殺したいと思ったことはなかった。

 飄々と、何気ない記憶を辿る様な口調は本気で頭が痛くなった。


 しかもゼウスが語った素材はたまたま持つにはあまりに規格外の物。

 献上品にしようものなら上位貴族の爵位をもらえる。

 決して思い出すのに苦労を強いられるような、ありふれた物ではない。



 何故だろう・・。

 それがフィリアの叔父であるというだけですごい説得力。

 一瞬、納得しかけてしまった。



 「素材も、頭おかしいし・・。いくら孫木となって格も下がったとはいえ、それでも国宝クラスよ。流石にそんな素材簡単に用意はできないわよ・・」


 「申し訳ございません。娘のために・・」


 「いや、こればかりは仕方ないわよ。このクラスの素材を集めるのなんて天下のレオンハートでも簡単じゃないほどだもの・・。寧ろこちらの方が申し訳ないわ」



 マリアはフィリアの姉妹杖を娘が賜るという事だけでもえらく遠慮していた。そこにゼウスの奇行があった時には、もはや命を差し出す勢いで断られた。

 それも当然ではある。マーリンももし自分の立場だったなら全力で遠慮したいと思った。

 だが、そこにリリアからの無情な鶴の一声。マリアは泣きすがったがリリアの朗らかな笑みは少しも変わらなかった。


 マリアとリリアの関係は、そのままメアリィとフィリアに継がれていくのだろうか。

 そうだとすれば、マリアの苦労性もまた・・。




 そしてもうすでに、ゼウスの迷惑はそのまま飲み込むしかなく。

 マーリンは急ぎ当初の予定で準備していた素材を全て見直した。


 しかし、それでも。数日の見直しで、国宝級の素材を用意できるマーリンも大概、規格外の域にいる。



 「まっくろです」


 「はい。でもよぞらのようです」



 フィリアとティーファは包帯を外し、現れたそれに魅入られた。

 

 光沢のある黒色。だが、ただ真っ黒というわけではなく、角度を変えれば赤紫に見えるところもある。

 フィリアの言う通り、夜空の色。

 星は無いが、コスモや満天の星を幻視する事も容易い程に美しい。


 その棒はまだふたりの小さな手には太く、ちょっとした薪にさえ見える。


 だがそれを抱える腕には、重さをあまり感じない。

 軽いわけでも、重いわけでもない。

 そこにあると認識できる程度の重さ。




 数日前フィリアとティーファは揃ってマーリンに呼ばれた。

 いつものフィリアの自室で授業ではなく、魔術師塔への課外授業。


 と言っても寄り道ひとつなく真っ直ぐと向かった一室。


 そこは絵に書いたような魔術師の部屋。

 錬金釜があり、資料が散乱し、壁や天井からは様々な乾燥物が垂れ下がっていた。


 フィリアの爆発しそうな興奮もよそに、マーリンは流れるように錬金釜の中に素材を入れていった。そして特に説明もないまま、魔力を注ぐ事だけを伝えられ。

 絵本の中の魔女みたいに、ぐるぐると鍋をかき混ぜ続けた。


 ちなみに「ねるねる」言ってかき混ぜ始めた時は本気でド突きたかった・・。


 フィリアとティーファ。二人は別々の鍋をかき混ぜ続けたが、その間マーリンの説明はあまりに少なく簡潔だった。

 素材には言葉を濁し、工程は箇条書きののような説明のみで投入は全てマーリンが行った。


 事情を知ってる身としては苦笑を漏らすだけだが、フィリアは拗ねたように口を尖らせていた。



 悪いのはゼウスなのに、なんだかフィリアに腹が立つのは仕方ない。きっと既視感のせいだ。



 なんとなく鉱石や鳥の羽、乾燥植物を入れられたのは分かったが、それ以上は目の前で全く濁らない水をかき混ぜるだけ。

 フィリアの目には様々な色に弾けては消える様も見えたが、何が起きてるのかについては全くわからない。


 流れ作業のような工程は最後にあの切り取った枝を入れると同時に終わった。


 そして、それと同時に魔術塔を後にした。

 不思議体験はたくさんあったし面白くはあったが、消化不良のフィリア。


 マーリンは後日、改めて座学にて教えると言ってくれたが、何とも腑に落ちないフィリアだった。


 そしてそこからあの煮込んだ素材に杖を浸し、よく浸透させ、さらに乾燥させて加工しやすくしてから杖の続きをすると教えられていた。




 そして、その姿がこの黒木。


 本来の青々とした若木はもう無く。

 重厚で硬質的な見た目。

 だが、手触りは滑らかで、石のような冷たさではなく確かな木の暖かさを感じる。


 そして、少し魔力を注いぐと驚いた。なんの違和感や抵抗もなく。

 まるで風がトンネルを抜けたかのような感覚と爽快感。

 背筋がゾクゾクする程に高揚感が駆け上る。



 「では、それをこの短刀を使って加工していきます。加工といってもあれこれ考える必要はありません。少しずつ削るようにしていけば、杖が自ずと導いてくれます。無理をせず気長に、少しでも疲れたり集中力が乱れたりしたら、休むこと」



 そう言ってマーリンが手渡したのは枝を採取した時と同じ黒のナイフ。

 一瞬フィリアはあの時の切れ味を思い出し戸惑ったが、今は腕の中にある黒木に好奇心が勝っていた。



 「あとフィーはリアに魔力を繋がないよう言っておきなさい。従魔と言っても全く同じ魔力ではないから、混じらないようにね」


 「はい!じじ!」


 『・・・』


 「・・・ふぃーあ」


 『リアの方が可愛い』


 「・・りあ・・」


 『なんだい?』



 どうやらまだ諦めていなかったようだ。

 本当に賢い黒猫だ。賞賛ものだ。


 寂しげに事情を説明するフィリア。だがリアは内容だけをしっかりと理解し了承するだけでフィリアの願望にはノータッチだ。



 「ティーファも従魔に伝えなさい。離れていても従魔になら届くでしょ」


 「え?」


 「え!?てぃーにも、じゅうまがいるのですか?」


 「は、はい。・・でもなんで」



 誰にも言った事はなかった秘密をマーリンに言われ驚くティーファと、あたかも当然のような顔で首を傾げるマーリン。


 手をワキワキさせるフィリアは置いておこう・・。

 これは魔術オタクの、一種の病気だ・・。



 「なんでって。貴女の魔力を見ればわかるじゃない」



 あたかも当然のように言うが、フィリアが改めてティーファを見ても全くわからない。

 暖かでぽわぽわした緑とオレンジの光があるだけ。


 どこにわかる要素が・・。



 「・・マーリン様。精霊視は誰でも持っているわけではありませんし、魔力視はまだ教わってもいないと思います。ましてや従魔の有無など、その二つを併用た上での高等技術です」


 「あら。そうね。レオンハートならば当たり前の事だけど、それは同時に世間の非常識だということを忘れていたわ」



 えー。とはフィリアの心情。

 自身の不出来に落ち込むのと同時に、自分に求められる物の理不尽さに辟易し、そっと視線を逸らした。現実から・・。


 空が綺麗だった。



 「てぃーのじゅうまはなんですか?わたしみてみたいです」


 「んーそれはまだ早いわね。今はまだ家族の従魔で少しずつ慣れるのが先ね。最近ようやくアーサーには慣れてきたけど、ルシアンにはまだでしょ?実技で魔力が乱れているも理由の一つだろうけど、一番はフィーもリアもまだ慣れが足りないからよ。まずは魔力の近い家族で慣らして、その後は普段からフィーの傍にいる者たちの中でも練達の、そして、ティーファのような傍にいる者。それから全くの他人。と徐々によ」


 「むー。さきはながいです・・」



 可愛く唸り、顔を顰める。その姿は愛らしい。

 ティーファも少し残念そうではあるが、フィリアを想えばこそ。



 「では、そのときをたのしみにします」


 「はい。そのときはフィーアさまともなかよくしてほしいです」



 小さな天使二人が手を取り合う姿はなんと微笑ましい。



 「きっとメアリィもよろこびます!」


 「「え?」」


 「あ・・」



 内緒だったと慌てて口を手で押さえるティーファだが、二つの声は重なって響いたまま、あんぐりと開かれていた。



 「て、てぃー。めありぃってどういう・・」


 「ないしょです!!」


 

 そう言って駆け出したティーファは、そこし離れた位置まで行き、腰を下ろして瞼を閉じた。おそらくはマーリンが言っていた念話的なものだろう。



 「確かに最近何処かに出かけている事が増えましたが、まさか、従魔を・・。仕事以外にも視野を広げられたのかと安堵していましたのに・・」



 ブツブツと呟くマリア。そして複雑な心情と衝撃をもらったフィリア。


 未だ会えないフィリアに先んじてティーファはメアリィと会っている。

 それもあの感じ。絶対にめっちゃ仲良しだ。


 親友と親友(予定)の会合。しかもかなり良好な・・。

 複雑・・。






 フィリアはとぼとぼと木陰に移動し、腰を降ろした。

 ため息が漏れ、涙がこぼれそうだ。


 しかし、今は気持ちを切り替えよう。


 フィリアは大きく息を吸って、顔を上げた。


 気合は十分。やる気もみなぎっている。


 黒木を睨み。ナイフを構える。



 そして、そーっと削り始めた。



 魔力を注ぎ過ぎないように。注ぎすぎれば、このナイフ地面すら豆腐のように切り裂く。

 木はもちろん、怪我も怖い。だからこそ集中して。



 この杖さえ出来れば、フィリアの楽しみは大きく広がる。


 今の魔術の授業は座学だけで実践はほとんどない。

 それこそ杖関係の課外授業かリアの契約くらい。


 あとは、魔力の制御や鍛錬。

 座学でも行うが、ゼウスによる実技で動きながらも行う。


 だが、マーリンにしてもゼウスにしても、それ以上は杖が出来てからだとして教えなかった。


 その為、実技の時間はほぼ基礎鍛錬。

 フィリアとしてはそれでも魔力を動かせるし、魔法だって使うことが許されるので大きな不満は抱かなかった。


 座学も同じ。

 魔力の基本操作以外は、理論や現象の講義。一見とても退屈な物。

 だが伸之の記憶を持つフィリアにとってはそんな授業さえ、最高の娯楽。

 史実はファンタジーな物語でしかないし、理論の教科書はゲームの攻略本のよう。



 そんな楽しい魔術の授業だったが、やはりそれ以上を望むのは必然だろう。

 フィリア風にいえば『ロマン』。


 魔法は使えるが、魔術が使いたい。

 魔法と魔術が違うと習った日から抱く想い。


 呪文を唱え。術式を構築し。杖を振るう。


 魔法であれば一瞬で済むことだが、それではダメだった。


 魔法は『ロマン』に溢れてはいたが、魔術もまた『ロマン』に溢れていた。


 この杖が完成さえすればそれが叶う。

 フィリアの浮き足立つ気持ちも少しばかりはわかる。


 それにこの杖を作る作業だって、フィリアにとっては楽しい授業。



 「・・ィ・・・・・フィ・・・。フィー!!」



 大きな声に驚いた。


 フィリアも肩を跳ね上げ、その声に反応した。


 顔を上げた先、そこにはマーリンが焦りを込めた表情でこちらを見ていた。

 その後ろではマリアとミミが祈るように手を組み。ティーファは泣きじゃくって、祈るマルスに抱かれている。

 アンネとロクサーヌは剣を地面に突き立て、額を柄に当てて祈る。


 何が起きたのか、まるでわからない。



 「フィー!!大丈夫!?」


 「・・えっと、なにがあったのですか?」


 「「「姫様!!」」」



 なんとなく自身が原因だとは流石にフィリアもわかるが、それだけ。

 今回は間違いなく何もしていない。

 杖を削っていただけなのだから。



 「あ、できてる」



 手の中の杖。何故かそれが完成していることがわかった。


 小さな呟きはマーリンにも届いた。

 マーリンはフィリアの視線を追って、その手に握られた杖を見て深い息を漏らした。



 「フィー。なんともない?気持ち悪いとか頭が痛いとか。些細なことでも何か違和感はない?大丈夫?」



 フィリアは再び問われた質問に首を捻って、自身の身体に意識を向けた。

 魔力は少し減っているが、ガス欠を起こすほどではない。

 少し身体が強ばっているようだが、座り続けていたせいだろう。


 杖が完成するほどに長く集中していたのだ仕方ない。



 「とくには・・。すこしからだがこるくらいです。ところでいまなんじですか?けっこうしゅうちゅうしてしまっていました」



 お腹も空いたし、お昼の時間も近いかも知れない。

 もしかして、食べ損ねただろうか。


 そんな事を考えながら視線を巡らす。

 皆泣きそうな顔。いや、何人かは泣いている。


 何故・・。


 そんな疑問を抱きながら、西日に目を細めた。



 ・・・・・。



 「・・・・・」



 西日・・。



 「・・え」



 フィリアは空を見た。


 太陽は低く傾き、東の空は深い帳を広げている。

 季節は冬。日の入りは早い。

 だが、そうは言っても夕方の時間帯。



 「今はもう夕刻前。フィーはずっと朝から杖を削り続けていたわ。呼んでも反応はないし、杖の作成中は他の人間が触れることもできない。せめてどこかで魔力に切れ目があれば引き離せたけど、フィーはずっと途切れることなく魔力を注いでいたから、何も出来なかったわ」



 唖然として口が開きっぱなしになってしまう。

 

 幼い子供が微動だにせず只々枝を削り続ける。

 傍から見れば、そりゃぁ心配であろう。



 「ビベぇー」



 鼻水と涙でぐちゃぐちゃな顔のティーファがフィリアに抱きついた。

 フィリアはそれを受け入れ背中をさするが、現状の驚きは抜けきらない。



 「本来は、何日かに分けて行う作業なのよ。というより、こんな長時間、集中できないわ。身体も強張るし、お腹も減る、なんだかんだ飽きるしね。それになにより、魔力がもたないわ。ずっと一定以上の魔力を流し続ける、それも何時間も。・・その点はやはり、さすがは『ティア』って事ね」



 安堵と呆れを織り交ぜたマーリンの声。



 「てぃーは?」


 「・・一時間ってとこかしら。その歳でそれはかなり優秀だわ。・・まぁすぐそばにもっと上がいたけど」



 泣きじゃくって返答できないティーファに変わりマーリンが答えてくれたが、それに対して乾いた笑みでしか返せない。



 「しかも、完成させてしまうし・・初日で」



 フィリアとマーリン。

 その場の全員がフィリアの手元をみた。

 ティーファ以外は。



 黒木から削られた杖は、その色を更に磨かれ神秘的な雰囲気を持った。


 黒杖。


 装飾は洗礼され美しく、無骨ささえも魅力を持っている。

 フィリアの小さな手には大きく、男性的なデザイン。


 しかしそれがまた力強さを持って、フィリアとの対比に調和がとれている。


 黒曜石を磨いたような表面は、角度によっては淡いコスモを内包する。

 その美しさは視線を魅了してやまない。



 「きれい・・」


 「えぇ。とても綺麗だわ。フィーに相応しいわね」





 「国宝・・」



 マリアの小さな呟きはフィリアへの祝辞よりも、これから背負う我が家の重責。

 その確かな証拠を目の当たりにした嘆きだった。





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