第六話 抑える
前回の最後の辺りを少し直しました。
タイトルつけました
このナニカを抑えられる。
それは僕にとっては願ってもない話だった。
「でも、おじさん。そんなのどうやって...」
「ふっふっふっ!それはな、これを使うんだよ」
おじさんは懐から白く長い包帯を取り出した。
「これには、この包帯が消えるギリギリまで、シロの魔力を凝縮して詰め込んである。これならお前のそのナニカを抑えられるかもしれない」
「え?かもしれないって。絶対じゃないの?」
「悪いが、絶対じゃない。シロは自分の魔力でお前のナニカに対抗する事が出来ていた。ならそれを利用すればってことだが、お前のナニカがあれで全力を出していなかったら不味い」
「それでも、やってみなくちゃ分からないならやる!」
「よし!じゃあ俺の前に立って、服を脱げ」
「え?」
「いや、直接これ巻かないと意味ないからな」
「あ、うん分かった」
僕はすぐにおじさんの前に行って、服を脱ぐ。
「よし行くぞ!」
そう言っておじさんは僕の体に日常生活に支障を出さないよう包帯を巻きつけていく。
「よし、こんなもんか!おいシロ、出番だぞ!」
「え?ちょっ、今は!」
日常生活に巻いたということで、僕のあれは出たままだ。うん、まぁそういうことだ。
「...煩い、さっさと終わらせる」
シロさんが、部屋に入って来る。その顔はもの凄く不機嫌そうだ。シロはそのまま近づいて来て、包帯に魔力を流す。
彼女はすぐに部屋から出て行く。
僕は胸を撫で下ろすと同時に、包帯が所々赤く染まっているのに気がついた。
「おじさんっ!これ」
「落ち着け、エル。それは今ナニカとシロの魔力が戦っているってことだ!」
僕はただ、じわじわと染まっていく包帯を見ていた。
赤色が包帯の半分くらいまでいったとき、僕はナニカに意識を奪われた。
目が覚めた時、僕に巻かれている包帯は完全に赤く染まっていた。
僕の横にはおじさんが立っていた。
「おじさん、成功、したの?」
おじさんは苦笑しながら言った。
「あぁ、ギリギリな」
その時僕は、これからナニカを気にせずに平和に過ごせると思っていた。
明日は、遂に12/31かー