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僕が進むは希望の道  作者: 棒人間EX
第一章 始まり
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第五話 理由

前話の最初の部分が矛盾していたので直しました。

 次の日、僕は言われたとおり、おじさんの家に来ていた。

「おじさん、いる?」

 僕が呼び鈴を鳴らしてそう呼びかけると、少ししてから扉がゆっくりと開いた。すると、目の下に大きな隈を作ったシロが出てきた。

「...入って」

「だ、大丈夫?」

 シロは基本的に無表情なので分かりにくいが、何となく不機嫌そうな目で僕を見てきた。

 うん、大丈夫じゃ無さそう。

 それから僕は、辛そうなシロに奥の部屋に案内された。

 部屋に入るとおじさんが何やらとても長い包帯のような物を持って立っていた。

「おう、待ってたぞエル。さてじゃあ取り敢えずそこら辺に座ってくれ、シロは...うん、休んでくれ」

 そう言われるとすぐにシロは部屋を出て行くと同時に床に倒れた。

「ちょっ!シロ、大丈夫?」

 シロはもう寝ていた。ここまでになるなんて一体何があったんだろう?でも、今はそれよりも...

「おじさんはどうして僕のナニカについて知ってるの?それで何で僕がそれに悩んでるって分かったの?」

「ナニカ、か。その言い方、何となくは掴んでるのか?まぁ、今はいい。それで、お前の質問だがまず一つ目はお前は覚えていないようだが、シロの検査でお前に何かがあるっていうのは分かったんだ」

「検査って、やらないで行っちゃったのかと思ってたけど。ちゃんと終わってたんだ。それで、お母さんとお父さんもあんなに喜んでたんだ」

 そう、昨日の夜のご飯は何故かとても豪華でお父さんもお母さんも終始笑顔で少し怖かったけど、そういうことだったんだ。その時はナニカについて知られて少し怖かったから話とかは全く聞いていなかったけど...

「でも、何で僕は検査のことを知らないの?まさか、ナニカが関係してっ!」

「あぁ、俺もそう思っている。そこで二つ目の質問だ何故ナニカで悩んでいるか分かったか。取り敢えず、まずその検査の時。あの時、シロはお前に魔力を流し込んだんだ。ファルのやつは分からんかったようだが、その時逆にお前からも魔力のような何かがシロに流れ込んでいたんだ。その何かは最終的にあいつの体を支配したって所か?つまり、あいつが突然お前に抱き付いたのはほぼ確実にそれが原因だ」

「そんな!」

「あいつがお前に惚れた訳じゃ無くて残念か?」

「いや、そのっ、そうじゃ無くもないけど、そっちじゃなくて...」

「お前がいつの間にかそのナニカに意識を乗っ取られてたってことだろ?分かってるさ。それについても話す。まず、シロは無属性が得意っていうような話はしたろ?無属性っていうのは、極めることが出来ればどんなものでも無に還す事が出来るっていうものなんだ」

 僕はとても驚いた。でもそれじゃあ

「皆が色々なものを消せるような凄い人達なんじゃないか?って思ったろ」 

「う、うん」

「そういう訳じゃない、無属性を極めることが出来るのは無属性に才能があるやつじゃなきゃ出来ない。シロはそうだ。まぁ、それでなあいつもまだまだ未熟なもんだがそれでもあいつの体を並大抵の力で支配しようとしても無の魔力で打ち消される。

だがお前のそのナニカはそれを成し遂げた。その後意識的にやらせた魔力操作で打ち消したようだが。

そんな大きな力がお前にはある。そこで、俺が思いだしたのは一ヶ月前、お前が森で倒れていた日のことだ」

 それは僕が初めてあのナニカについて知った日。

「あの日、森の中で尋常じゃない位の大きな音がして、ファルを含めた冒険者達が音のする方へ行ってみると其処には大きなクレーターが出来ていた。そして、その近くで血塗れのお前が倒れているのが見つかった。お前には傷が無かったから何故血塗れなのか分からなかったが、クレーターの所で魔物らしきモノが見つかり。冒険者はお前が強力な魔物の戦いとも呼べない蹂躙に巻き込まれその中で魔物の血が付き偶然生き残ったのだと判断した。だが実際はそうじゃないな。今まで話してきたことから判断するにお前が初めてそのナニカを使った、といっていいのか分からんがまぁそれは置いといて、それはその日だな?そして恐らくその時はお前の意識はあった。それで、初めて魔物を殺した感触みたいなもので恐怖を覚えちまった。違うか?」

 僕は少し震えながら言った。

「少し、違う。僕が怖いのは家族までを殺そうとした、自分なんだ」

「それは、どういう事なんだ?」

「あのナニカが出てきて数日の間、僕は何に対しても殺意を覚えたんだ!それが、怖かった!怖かったんだ」

 僕は遂に涙を流す。人前で泣くのは恥ずかしかったから嫌だったけど、今は気分が良かった。やっと苦しみを誰かに言うことが出来て。

 おじさんはそんな僕の頭を何も言わずに優しく撫でてくれた。それはとても嬉しかった。

 

 少し経ち、僕が泣き止むとおじさんはニヤリと笑ってこう言った。

「さて今日の本題だ、エル。それは恐らく、そのナニカを抑えられるだろうよ!」

 僕はその言葉で、また涙が出そうだった。

 


さて、これからどんどんナニカについて触れてくぞ!

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