第四話 知られる力
うん。タイトルでのある程度のネタバレ。
あとプロローグと、三話を少し修正しました。
僕は今、部屋でシロさんに抱き付かれている。
うん。どうしてこうなった?
えっと...
いつの間にか終わっていた検査で、何故かお父さんが喜んでいた時、突然抱きつかれた。
「...///」
「し、シロさん⁈」
「...シロでいい」
「あ、うん。って、そんなことより何してるの!」
僕はとてもドキドキしてました。うん、正直めっちゃ嬉しかった。
「お、シロちゃんは家のエルに気があるのか?」
「...」
お父さんは笑っているが、おじさんは怖い表情になっている。
「おじさん、どうしたの?」
「あ、いやぁごめんな、ちょっと気になることがあって。ファル少し席を外してくれんか?」
「どうしました、マルスさん?」
「いや、ちょっと試したいことがあってな。なに、悪いようにはしねぇよ」
「いやぁ、マルスさんのことは信頼してますんで。ではエルのことを妻に伝えてきます」
そう言ってお父さんは部屋を出て行く。何のことをお母さんに伝えに行くんだろう?因みにファルというのはお父さんの名前だ。
「さて、まずは、シロ。魔力を体全体に流してみろ」
「...どうして?」
「いいから、な?」
シロは渋々とした様子で、目を瞑り何かを始める。僕に抱きついたままで。
少ししてシロが突然、ハッと目を開く。そして、僕から離れて行く。
少し残念だったけど、そのままっていうのも何となく居心地が悪かったので良かった。
「エル、お前のことどう検査したか分かるか」
「...分からないよ、いつの間にか終わってたし」
「うむ、やはりそうか」
おじさんは一人で納得している。少し気になってシロの方を見るが、彼女は彼女で何かに戸惑っているような感じた。
「エル、明日俺の家に来てくれるか?お前にはやっておきたいことがある」
「え?」
「最近のお前の生活についてはファルから聞いたんだ。理由については魔物に対しての恐怖か魔法属性が無いことへの絶望なんじゃないか?なんてアイツは言ってたけど、それだけじゃない。恐らく、お前が持っている力にも関係があるんじゃないか?」
「っつ⁈...どうして、それを?」
「驚くってことは図星か。まぁ、そこら辺のことは明日話す。俺はすぐに、シロと一緒にそれを抑える準備しないといけないからな。行くぞ、シロ」
「ちょっ、まっ!」
おじさん達は急ぎ足で、家を出て行った。その為、引き止めることは叶わなかった。
あのナニカがおじさんに知られた。それについて少し恐怖を覚えるが、それよりもあの言葉が気になる。
"それを抑える"
つまりこのナニカをもっと気にせずに日々を過ごせるのだろうか。
しかし
「あの、女。手に入らなかったなぁ。...って!何言ってんだ、僕」
エルのお母さんは只今、料理中です。