第十六話 遂に
ヤバイ。ギリギリ?
短い!
僕は今、両親と向かい合って座っている。
何故こうなったのか。
それは、少し前まで遡る、
「お母さん、ただいま」
「お帰り、エル。今日はシロちゃんと遊んできたんでしょ?どうだった?楽しかった?」
僕は外に出る時は大抵、おじさんの家に行くかシロと遊んだということにしている。
「うん、まぁ楽しかったよ」
「何?まぁって楽しくなかったの?」
「楽しかったんだけど、結構疲れちゃって」
「そう?ちゃんとシロちゃんに優しくしないとダメよ」
「分かってるよ」
帰って来た時はいつも、そんな他愛無い話をしている。
お母さんと僕が笑って話していると、ある部屋の扉が開いた。
「お、エル。帰ってたのか?」
「お父さん!ただいま。大丈夫?」
「あぁ、まだやっぱり仕事は出来ないけどな」
実は、少し前にお父さんがやっと動けるようになった。
うん、僕はそろそろ二人に話さないといけない。
「お父さん、お母さん。実は大事な話があるんだ」
急に変わった僕の雰囲気にお父さん達も真剣な顔つきになった。
そんなことがあって今に至る。
「エル。話ってなんだ?」
「先に言うけど、憧れってだけじゃないよ。僕はただ自分がそう思うからやりたいんだ」
お父さんもお母さんも、僕の言いたいことに気がついたようだ。お父さんは何となく納得したような顔をして、お母さんはショックを受けたような顔をしている。
「僕は...冒険者になりたい」
遂にその言葉を言った。
静寂が訪れる。少し経った後、お父さんが口を開く。
「その言い方だと、雑用をやりたいっていうことじゃないな?魔物を倒す、俺みたいな冒険者になりたいって言うんだな?」
僕は頷く。
「正直、俺はこんな日が来ると思ってたよ。昔っから、魔法使いになりたいって言ってたやつだ。だがまぁ、俺と母さんがこんな真剣になる理由は分かるだろ?」
「魔族のこと、だよね?」
「あぁ、そうだよ。俺はあの時、力の無さを実感したよ。ヤグンのやつは守れたけどよ、結局は家族を守れなかった。お前だって、どっか行っちまうし。子供にこんなこと言うのはどうかと思うが、お前はこの仕事の大変さを分かっているか?命を懸ける仕事だぞ?」
僕は悩んだ。ここで、口だけで言うのは簡単だろう。覚悟を決めた雰囲気で言ったって、僕としては納得がいかない。
「もう少し経って、お父さんがちゃんと動けるようになったら、一緒に魔物を倒しに行こう」
お父さんは驚いている。まさか、というような感じだ。お母さんも同じように驚いている。
「いいだろう。お前の覚悟を見てやる」
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