幕間 シロ視点 始まりの日
遅れ過ぎました。ちょっと短いかな?
私が最初に彼を見た時に思ったことは、普通よりも大人びた人だな、ということだった。
私は過去に色々あって、親戚にあたるマルスおじさんの家に住んで居る。あの事がある前は私は彼のことを一切知らなかった。
あの事、それは森で彼が血塗れで発見されたこと。
あの日、私や彼の父親も含めた他の冒険者達は、森で謎の魔力が感知されたとの報告を受けて調査しに来ていた。今思えばあれは、魔族による実験なんだと思う。
「魔物が出た!」
私達は同業者のその声で、周りを警戒する。かなり沢山の気配がする。
「...不味い、包囲されてる」
瞬間、何匹か飛びかかって来る。その時、敵の全貌が見えた。血のように赤い毛と瞳を持つ、狼型の魔物。その姿から[ブラッドウルフ]と名付けられたその魔物は冒険者ランクC程の力がある。
私は、体と持っている剣に魔力を流して魔物の首を切っていく。そのまま私達は、魔物を殺していった。
「しまった!三匹逃しちまった!」
「深追いはするなよ」
「くそ!分かったよ」
私達は魔物に警戒しながらも、謎の魔力の原因を探しに向かう。その時、強大な気配が先程魔物が逃げた方からして、更に直ぐ轟音がする。
「何だ⁈」
「謎の魔力か?しかし、魔力とは違うような」
「取り敢えず行くぞ!」
私達は気配の下へ走る。辿り着くまで何度も轟音がして、耳が痛くなった。
そして私達は、目の前の光景に言葉を失った。
そこら一帯だけ木が吹き飛ばされ、地面には幾つかのクレーターが空いている。真ん中ら辺には魔物らしきものも落ちている。
「うそ、だろ?」
「おい、あれは何だ?」
何人もの冒険者が呆然としている中、一人の冒険者が何か見つけた。
それは私と同じ位の子供だった。
「エル!」
冒険者の一人、ファルさんがその子に駆け寄る。
「ファルさん、その子は一体...」
「俺の息子だよ。外傷は無いみたいだが、服はボロボロだし血で汚れてる。一体全体何があったんだ?」
ファルさんは子供を抱き上げる。
「まさか、その子がこんな光景を作り上げたっていうのか?」
「いや、息子にはそんな才能なんて無いさ」
ファルさんが悲しそうな表情で言う。
「ファルさん、俺らがここら辺を捜索しておきますから、息子さんを運んであげてください。ヤグン!ファルさんの護衛を任せていいか?」
「はい!」
「ありがとう二人共、助かる」
そう言って直ぐにファルさんと十代後半位の冒険者ヤグンさんは走り去っていく。
結局この後、私達は謎の魔力の正体を見つけ出すことは出来なかった。
次回もシロ視点です。
もしかすると次回とこの話を繋げるかも。




