表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
俺がとんでもないものと関わった話!!  作者: カイム OTA
序章
7/16

第陸話 場所が場所なので怖気づいてみる

 




 そんなこんながあってやっと着いた目的地は、深夜の神社より怖い場所だった。


「……」


 住宅地からそこそこ離れた林の中。突如現れた門扉(もんぴ)には【私立夜泉小学校】という文字が彫ってあった。


「しょ、小学校……?」


 なんで小学校なんだ? 先輩から示された場所は間違いなくここだ。深夜二時に小学校? 嫌な予感がする。

 それに……


「どこかで聞いたことあるな、この学校名」


 それも結構最近だ。記憶をたどってみる。夜泉、夜泉……夜景(よかげ)? いや違う。

 そもそも、これの読みは「よみ」であってるのか? 読みだけに?


 よみ、よみ、よみしょうがっこう……だめだ。思い出せない。

 こうなったら伝家(でんか)宝刀(ほうとう)web検索(たりきほんがん)をするしかない!

 おっ……ヒットするじゃん! どれどれ……



『怪奇ファイル0042! 皆さんおなじみ! 霊障がやばい! 飲み込まれたら帰ってこれない! 夜泉小学校!』


『もし行こうとしている人がいたら遺書は用意しておきましょう! まず死にます!』


「……」





 心霊スポットだった。しかも結構有名。

 足が固まり、冷汗が背を伝う。よりによって心霊スポット……。


 どうやら戦後に建てられ、改修などを重ねてきたが、40年ほど前に廃校になったらしい。


 それ以来、校舎から声が聞こえる、門がひとりでに開閉する、丑三つ時に教室の明かりがついてるのを見た、など噂が絶えないんだとか。


 俺が見たサイトには他にもうさんくさいことが書いてあったが(行った人が行方不明になり外国で見つかったとか、昼に行っても校舎内は夜のように暗いとか)、実物を見たらあながち嘘でもないのかもと思えてしまう。


「か、帰ろっかな……」


 声が震えているのが分かる。いや雰囲気ありすぎなんだって。門のずっと向こうに見える校舎は不気味というほかなく、心霊現象を解消しようと来たのに、逆に倍になって返ってきそうな気がする。うん、帰ろう。怖いからね。


駄目(だめ)よ。」

「ひっ!?」


 振り返った瞬間に至近距離に現れた長い髪の女性に、俺はちびるかと思った。ゆゆゆゆゆゆゆ幽霊かとおおお思った~。


「駄目よ。小波(さざなみ)くん。あなたはここで自分の怪奇現象を解決するの。」

「……」


 その長い髪の女性……天命(あまみ)先輩はいつもと変わらない様子で、俺のわずか数センチ後ろに立っていた。


「っていうかなんでそんなに近いんですか。おかげでめっちゃびっくりしましたよ」

「その方が雰囲気出るかと思って。びっくりした?」


 びっくりしたって言ってんじゃん……。この人俺に恨みでもあるのかな。俺はこの人に恨みしかないけど。


「さぁ、早くいくわよ。こんな不気味な林の中で立ち話をする気にはなれないわ。」

「ままま待ってくださいよ、絶対あの中の方が不気味ですって。大体なんでここなんですか?」

「なによ。文句あるの? 解決したくないの?」

「そりゃ解決したいですけど……。」


 そう話しているうちに先輩は門を開けて敷地内に入っていく。入りたくはないが、ここで一人になるのはもっと嫌だ。


「もし霊障とかあったら責任取ってくださいよ!」

「うん? なにそれ、プロポーズ? ごめんなさい。」

「違いますよ! あとせめて断る理由は教えてください!」



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ